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ユレネ編

20.【R18】セーフルームでの一夜※強制イラマ、暴行描写、名無しの冒険者

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 夜になってもクロエネダは戻ってこなかった。道が変わったり、足元が悪くなったせいで攻略に時間がかかっているのだろうか。起きて待っていても体力を消耗するだけだとシルビオに言われ、セナも休むことにした。
「ん……」
 喉が渇いて起きたのは、辺りが静かになった頃だ。もう真夜中なのだろうか、ひそひそと小さな声は聞こえるものの大多数の冒険者は休んでいるようだった。枕もとに置いた水筒は空で、セナはこのまま寝てしまおうかと一旦目を閉じたが乾燥した喉から咳が出たため起き上がった。
 隣のシルビオはよく眠っている。何かあれば起こしていいと言われていたが、夜中に叩き起こすのも忍びなくセナはそのまま一人で泉へ向かう事にする。
 皆が休んでいるセーフルームは、昼間の喧騒が嘘のようだった。時々セナのように歩いていたり、見張りをしている人が見えるものの、大抵は焚火も消して休んでいる。寝袋に入り込んでいたりそのまま休んでいたりと様々だが、比較的穏やかな時間が流れているようだった。
 テントに入っている人が多いからか、昼間ほど大回りしなくても泉のある場所まで辿り着くことができた。その場で水を飲んで、ステータスを確認するがやはり魔力の回復は微々たるもので少し落胆する。
 やはりもう少し魔素濃度の高い場所へ行かなければ回復しないのだろう、そんな風に考えながら水を汲んでテントに戻る途中だった。壁際を通っていたセナの腕を、誰かが掴んで引っ張ったのだ。
「っえ……!!?」
 グラ、と傾いた体の腰辺りにもう一本腕が巻き付き、更に口を手で覆われる。ほとんど音もなく、セナは壁の裂け目にできたスペースに引きずり込まれた。
 一瞬の浮遊感の後、体が硬い地面に叩きつけられた。背中を思い切りぶつけて呼吸が止まり、噎せ返りながら身を起こす。セーフルームの壁にできた亀裂の奥を掘り広げてできた個室の様なスペースは人が二人足を伸ばして眠る程度の広さしかなかった。
「夜中に一人歩きたぁ危ないね」
「そうそう」
 ニヤついた声が降ってきて、顔を上げると見知らぬ二人組がこちらを見下ろしている。一人は右側のこめかみから頬にかけて深い傷のある男で、もう一人は金髪の坊主頭だった。セナを見下ろす表情は口元は笑っているかのようにを緩ませているのに目だけがギラギラしていた。
「な、何ですか?」
 起き上がろうとしたセナを押さえつける行動は迅速だった。こういう事に手慣れているのか、セナが弱すぎるのかは分からない。
「何ですかも何もジッとしてりゃすぐ終わるからよ」
「やめ、ッやめてください!」
 セナの体を軽々と引きずり、部屋の奥に放り投げられる。再度背中を襲う衝撃にぐっと呻いたセナの体を、間髪置かず二人が押さえ込んできた。重い体がのしかかってくるのに思わず上げた声は、情けなく震えて上擦った。だが次の瞬間、舌打ちと共に頬に強い衝撃が走る。
「うるせぇよ静かにしろ」
 キィイン、と耳鳴りがするのと同時に焼けつくような重い痛みが頬から顔全体を覆いつくしていった。セナの上半身を押さえ込んでいる傷のある男に殴られたのだと分かった瞬間に胸ぐらを掴んで引き寄せられ、目の前にナイフが突きつけられる。
「俺ら穴がありゃ何でもいいからさ。別にお前の目ん玉抉って突っ込んだっていいんだぜ」
 その言葉で、自分が何を強要されているのか突き付けられて血の気が引いた。良く研がれたナイフの先端がセナの目元に近づいて、頬の皮膚に押し当てられる。その冷たさに震えあがった。
「っひ……っ」
「言うこと聞いておとなしくしてりゃ痛い事はしねえよ、…な?」
 ナイフがセナの殴られた頬を切り裂き、冷たい感触と共に熱い血が首筋を伝っていった。大人しく頷くしかないセナを見て満足げに笑った男が、首筋に舌を這わせ流れた血を舐め取って笑う。体を起こした男は布のパンツの腰ひもを緩めると下着ごとずり下ろして腰を突き出した。露になったチンポはすでに勃起して、青ざめたセナの頬に押し付けられる。
「おら、口開け。噛んだらタダじゃおかねえからな」
「ぅ、んっ……んぐぉッ!」
 無理やり口をこじ開けられ、両手で頭を掴まれたと思ったらオナホールのように一気に喉奥まで突っ込まれた。無遠慮に喉奥を突かれる衝撃とチンポの臭気に吐き気が込み上げてくるが、喉の奥で苦しげにえづくセナの姿は逆に興奮を煽るだけらしい。頭の上から興奮したような笑い声が降ってくる。
「ははっ……あ゛ー…気持ちいい」
「ぅ゛え゛っ…!っぐぅ゛、ぉ゛ごっ!」
 乱暴なピストンが始まり、息を吸うこともままならずに男の太腿を押して離れようとするが力で押さえつけられる。ガツガツと喉奥を突かれるたびに脳天まで衝撃が突き抜け、気絶する事も出来ない。
「おい、早く代われよ。俺もやりてえ」
「っお゛、ぅ゛ぐッ!…っぐ、っごぇ…ッ!」
「まぁ待てよ…っ。お前はケツの方かいいんだろっ」
 唾液やらカウパーやら色々なものを垂れ流すセナの口内を行き来するチンポはびくびくと脈打ち、絶頂が近い事が分かる。唾液やらカウパーやらの混じった水気の混じった粘着質な音が響き渡り、セナの口内でチンポを扱く音が直接耳に響いた。
 嫌だ、と思った。息苦しさも匂いも感触も嫌で嫌で仕方ないのに、暴力を振るわれる恐怖で受け入れるしかない。
「あー……っうぅ゛、出すぞっ…!!」
 男の体がぶるっと震え、後頭部を押さえ込まれる。喉の奥まで咥えこまされたものが数度震え、喉の奥の奥に直接ザーメンが叩きつけられた。すぐには離してもらえず、呼吸を奪われたまま手足を引き攣らせて耐えるしかないセナの口内にチンポを擦り付けて最後まで吐き出してからようやく解放される。
「げほッ……おぇぇえ゛っ……!はぁ……っぅ、ぉぇ゛え゛え゛……っ!!」
 ビチャビチャとザーメンと吐瀉物の混じり合ったものを吐き出すセナを見て、傷のある男は機嫌よく笑っている。
 汚い、気持ち悪い。どうして自分がこんな目にあわなければいけないのか。理不尽な恐怖と不快感に嘔吐いて泣きながらも、必死に呼吸を整えるセナの下半身から布が剥ぎ取られる。
「いっ、嫌だっ…!それだけは!」
「お前に決定権なんかねーんだよ」
 順番を待っていた金髪男は剥き出しになったセナの尻を無遠慮に押し広げる。覗き込むようにして見られ、金髪男がいやらしく笑ったのに顔を背けた。
「お前よぉ、嫌がってる割には使い込んだケツじゃねえの」
 羞恥に頬が熱くなった。不特定多数とは言わないが、恋人以外とセックスをしたのは事実だ。けれど、誰一人としてこんな風に乱暴に体を暴いたりはしなかった。快楽で押し流すような強引さはあったが、暴力をふるう事も悪意を持って触れたりもしなかった。
「へええ、じゃあ雑用と思ってたけど便所やってんだぁ?お前んとこのパーティーはいいご身分だねえ。こんなダンジョンにまで便所連れてくんのかよ」
 傷のある男がセナの足首を掴んで左右に開かせる。足の間に体をねじ込んでくる金髪男を蹴り飛ばしてやりたいが、乱暴な手つきで剥き出しになった尻を撫で回されると怖気と嫌悪感で抵抗なんてできなかった。
「俺ぁ優しいからよ、ちょっとは慣らしてやるかね」
「い、嫌だ……!」
 ペッと吐き出された男の唾液がアナルに塗り付けられ、嫌悪感で足をばたつかせてしまう。しかしすぐに傷の男によって押さえつけられ、唾液の滑りを借りて侵入してきた指が無遠慮に中を掻き回した。気持ちが悪い。吐き気がする。ただでさえ苦手な男に触れられているだけでも嫌なのに、性急な指の動きは内臓を抉られるような不快感しかなくて鳥肌が立った。
 スキルのせいで快感に弱くなっているんじゃないのかその割に全然気持ち良くならないとか、他の人ではこんな風じゃなかったのにだとか現実逃避の様な思考が浮かんでは消えていく。
「せいぜいいい声で鳴いてくれよ、便所ちゃん」
 散々掻き回したアナルから指が抜けていって、両膝が胸の方へ押し付けられる。のしかかってきた男が調子に乗ったことを言いながらチンポをアナルに押し当ててくるから、ついセナの口から本音が漏れた。
「っ全然気持ち良くない゛……っ」
「ぁあ゛?」
「っへ、下手なんだろきっと!だから他に相手にされないからってこんなことしかできないんだろ!」
 震えてみっともない声ではあったが、やけくそで叫んでやった。男たちはぽかんとした表情を一瞬浮かべたが、すぐに言われたことを理解して怒りに歪んだ顔を真っ赤にした。
「ッテメェ……ッぶっ殺してやるからな!」
「っ……!!」
 まだ殴られるとセナが奥歯を噛み締めた瞬間、のしかかっている金髪男の首元に銀色の光が差し込んだ。片刃の剣が、金髪男の首元スレスレに迫っている。顔を引きつらせた男がセナの上から身を起こし、セナの体はようやく解放された。
「今すぐ引け。そっちのお前も、仲間の首を刎ねられたくなきゃその人を離すんだね」
「ぁ゛……っぃ!?」
「シルビオさん……?」
「何モンだお前!!っ、…ガァッ!」
 邪魔をされたと憤った傷の男が殴り掛かるが、カチャと音を立てて剣を返したシルビオが空いた脇腹に峰撃ちを叩き込んだ。骨を砕くような鈍い音がして傷の男が倒れ込み、慌てた金髪男が駆け寄っていく。
「セーフルームでするには行き過ぎた乱暴だと思わないかい?そのチンポ、斬りおとしてやろうか」
「ひいいいいぃっ!!」
「有り金置いてさっさと行きな!」
 革の袋を放り投げるようにして二人はバタバタと出て行った。大きくため息をついたシルビオは、その袋を拾い上げてセナに近づいてくる。
「あーあ、派手に殴られたね」
「……シルビオさん」
「生きてて良かった」
 安堵の滲む声で言いながらシルビオが片刃の剣を鞘にしまう。その剣は柄から先端に向かって僅かに湾曲していて、セナにも見覚えのある刀だ。
「シルビオさんその武器」
「あぁ、これ。両刃のショートソードよりも軽くて使いやすいんだ」
「これ、どこで……?」
「ユンインさ」
 ユンインというのは異世界転移者と関連の深い土地なのだろうか。米や梅干しにしても刀にしても、日本を思い出す物があるようだった。
「とにかく戻ろうか」
「あ、はい」
 剝ぎ取られた服を拾ったセナは、小さな地響きのような音に気付いて動きを止める。地響きは少しずつ大きくなり、こちらに近づいているようだった。
「セナさん?」
「何か、聞こえません?」
「……セナさん!ここから離れるよ!早く服着て!」
「え、えっ?あ、ぉ?」
 突然シルビオに急かされて袖を通しかけていた服を慌てて着込む。既に壁の亀裂からセーフルームへ入りかけているシルビオがこちらを振り返った瞬間、セナの足首に何かが巻き付いた。
「っへ!?嘘!!」
 緑色の蔓が足首に巻き付いている。地面に空いた穴から夥しい本数の蔓が顔を覗かせていて、その全てがセナに狙いを定めている。
「っひいい!?何?!何コレ!」
「っくそ!セナさん、動くんじゃないよ!!」
 シルビオが素早い動きで蔓を叩き切るが、穴からは後から後から蔓が這い出てくる。セナもどうにか蔓から逃れられないかと藻掻いてみるが、蔓は足だけではなく手や腰にまで巻き付いてきた。フワ、と踏ん張った体が浮き上がって背筋が寒くなる。
「ちょ、うわっ!?」
「セナさん!……っぐぁ!!」
 セナに気を取られた瞬間、シルビオの腕にも蔓が巻き付き恐ろしい力で長身の体が放り投げられる。壁にぶつかって地面に叩き付けられたシルビオが起き上がろうとしている間に、セナへ巻き付く蔓は全身を覆い隠していく。
「っひ、ぐ……っ!」
 首に巻き付いた蔓が強く締まり、セナの呼吸を奪った。酸欠に顔が熱くなり、耳鳴りが強く響く。死に物狂いで蔦に爪を立て、引きちぎるがそのたびに新しい蔓が巻き付くせいでちっとも呼吸は回復しない。
「っぅ゛……っぁ……」
 視界が薄れ、力が抜けていく。ぐ、と蔓の力が強くなった気がした時にはセナの意識は途切れていた。
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