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11.だって、好きなんだもん①

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   …✮…♱…✮…


 それなりの広さのフィールドに落ちている、青白く発光するクッキー缶を探すこと数時間。探そうとするとなかなか見つからないもので、広い森林でようやく1個見つけた。が、時計の針は正午を指す手前だった。午前中でも夜のままだから時間感覚が狂いっぱなしだ。
 昨晩、フィーリーが馴染みの情報屋に送った魔法の手紙の返事がやってきたのも、同じタイミングだった。
 問い合わせ通り、ジャック・オー・ランタン希少種は、青白く発光するクッキー缶でもオバケカボチャ柄の物に入っている。
 追伸で、ハートマークなら魅了を。クエスチョンマークなら幻惑を。絵柄に近い魔法を使ってくる。ナイトランタンのドロップ率は50%。かなり高確率だ。強さは中レベルであるもの、火の魔法なら高等魔法も使うから注意。可愛くてもアンデッドだから水と氷、闇魔法は通用しにくい。と書いてあった。
 さらに追伸で、情報料金はギルドに請求しておくとのこと。

「はなっから言っとけっての。追加料金せしめやがって。業突く張りらめが」

 フィーリーはイラつきに任せて、魔法の光でできた手紙をくしゃっと握りつぶす。今日も短気だ。

「2つに1つの割合を引いたんですね」

「悪運高そうだよね、堕天使って」

「時限爆弾の赤か青のコードを切らせたら、起爆するとでも?」

「うん」

「アッサリ怖いこと認めないでくださいよ! 人をなんだと思ってんですか」

「堕天使。大丈夫だぁいじょーぶ、死なないんだろ、あんた」

 グッ! と、親指を立てられても。魅了や幻惑ならまだしも、痛い系の罠だったら嫌だ。

「今日の夜中までに10個くらい見つけよ?」

「そんなにアイテムをドロップしてどうするんですか?」

「必要に応じて使う、もしくは売る。1個がわたしの有り金全部と同じ金額なんだぜ。1年と少しくらい遊んで暮らせるだろが」

 ひひひとご機嫌に笑ってフィーリーが先をゆく。その後をセムがぼちぼち歩いてついて行く。
 フィーリーの探知サーチ能力は実に優秀で、お求めの箱を夜の休憩までに5個見つけた。箱を開けるのは明日、31日の朝。

「それまで戦闘にそなえる」と、フィーリーは本日の拠点で食事を終えてさっさと横になり、寝てしまった。
 セムは寝ない。天使は基本的に欲がない。堕天使や悪魔は睡眠をとることもあるが、睡眠は食事、飲酒喫煙と同じで趣味・嗜好の範疇だ。でも、横になって人の──好きな人の寝起きを聞いていると……正直ムラムラしてきた。正直で素直な身体である。

(寝てる時にヤっちゃえばいいのでは? えっちの途中で落ちた時は気がつかなかったし)

 そろりと起きて、ぐっすり寝ているフィーリーを覗き込む。ごろんっと寝返りを打つと、マントがめくれて、大きなおっぱいがポロリしそうな黒いブラと腹が丸見えになった。膝を曲げると小さな小さなショーツのほぼ紐のクロッチから大事な場所がモロ見えである。

(………………)

 フィーリーの手がマントを探して、さっと被りながら横を向く。ガーターベルトについている悪魔のしっぽ。マントからむき出しの桃尻が半分見えている。

(…………お、ち、んちんが、むくむくむずむずする)

 興奮を覚えた身体がかぁっと熱くなる。でも、フィーリーは寝ている。眠姦するなら今がチャンスだ。体力だって治癒してしまえば、体力は戻って戦闘不能にはならない。
 だけど。激怒したフィーリーは、セムのことを嫌いになるかもしれない。ならば起こす? それこそ蹴り出される。フィーリーの寝起きは鬼のようの悪い。

(……目的のために……えっちしちゃだめだ)

 股間がむくむくむずむずするのに。どうしたらいいのかわからない。もじもじしてもどうにもならない。初めての感覚に戸惑うばかり。
 ころん。フィーリーがうつ伏せになると、ぷりりんとした魅惑的な尻が全部見える。尾てい骨の窪み、そこから上にスッと伸びている背筋が美しい。蜘蛛の巣柄のサイハイストッキングが食い込む太腿はむっちりとしていて美味しそう。舐めまわしたい、撫でくりまわしたい。青い豊かな髪からチラリと見える白い項。白い柔和な頬。キスしたい、いっぱいキスして匂いをつけたい。
 思わず、喉がゴクリと鳴る。絶賛むずむずしているおちんちんがトラウザーズを強く強く押して痛い。
 ちんポジが悪くて、カチコチのおちんちんをよいしょと直す──と、おちんちんから衝撃が走った。

(────ふぁ!? 気持ち、いい?)

 どういったことだ? フィーリーに触られしゃぶられておらず、自分が触っただけで気持ちいいとは? 排泄や風呂で幾度となく(天使時代は排泄もしない)ぷらりんちんを触ったが、こんな革命的で衝撃的な刺激はなかった。

(このまま触ってみたら……、どうなるんだ?)

 トラウザーズ越しではなく、寝ているフィーリーの前でぼろんとモロ出しにする。フル勃起したおちんちんの先っちょを恐る恐るちょんっとつつく。先っちょからぴりりっと小さな快感が腰に走った。

「!?!??!?」

 先っちょをちょんちょんと触るたび、ぴりりと快感が突き抜ける。愉しい。もっと触ったら? でも、どうやって?
 フィーリーはどうしていた? しゃぶる前や挿入いれる前、カチコチの肉棒を手で上下にぬちょぬこ扱いていた。

(腫れたおちんちんを自分で触るって、変な感じ?)

 だって、天使は勃起しない。堕天使になったばかりのセムは、朝立ちも未経験だった。連日連夜性行為をしているから、この2週間弱でも朝立ちしてなかった。性的な興奮を覚えるとおちんちんが勃起おっきするのだと、フィーリーが教えてくれた。が、男がいつ勃起してどうするのかを知らないのは、正しい知識を身につけてない無知がゆえ。
 このカチコチんちんを触っても握っても痛くないことはわかる。フィーリーがそうしたし、フィーリーの尻や腹で擦るとやたらめったら気持ちがいいし、ものすごーく興奮する。
 はたして、自分でおちんちんを擦ってそうなる? かもしれない? どうなの? やってみる? ちょっとだけやってみるか。そうしよう。そうしましょったら、そうしましょ。



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