133 / 149
深い眠りからの目醒め
133
しおりを挟む
由紀子は自分の部屋に入ると一夜に電話をかけた。
「由紀子、大丈夫だった?」
ちゃんと協議離婚ができたのか一夜も心配していた。
『大丈夫。月曜日に出します。ただ、もう少し会うのは控えたいの。もう少しだけ待ってくれる?』
由紀子の言葉に一夜も同意した。
「もうここまで来て僕も焦ってないよ。僕のために頑張ってくれたんだから待つよ」
一夜の言葉が嬉しいのと、由紀子は考えていることがあったので、それをいつ一夜に告げようか悩む気持ちと入り混じっていた。
『ありがとう。愛してるわ、アンソニー』
由紀子は微笑みながら言った。
「愛してるよ、由紀子」
一夜も心から言った。
早く会って抱きしめたい気持ちを、お互いもう少しだけ我慢した。
由紀子は一夜と電話を終えると、マイケルにも離婚できた事をメールする事にした。
マイケルは帰国してもマメに由紀子にメールしてきては、社内の愚痴など由紀子に相談もしていた。
由紀子も、洋輔と離婚する事を決めた時からそれを相談していた。
マイケルからは、もし離婚が成立したら自分の元に来て、秘書としてステップアップしないかと勧められている。それほどマイケルは由紀子を気に入っていた。
由紀子もマイケルの元で、真剣に実力だけで仕事をしてみたいとも思っていた。
しかしそれをまだ一夜に伝えられていない。
そして最大の問題は、由紀子が一夜とずっと不倫関係だった事をマイケルが知らない事。
マイケルがそれを知って激怒するのが由紀子には想像できた。
だが、それをもう隠してはおけない。
由紀子は全てを告白するメールを送ると、マイケルは由紀子からのメールを直ぐに読んでいた。
一夜が東京に来てしばらくしてから不倫関係が始まった事。本気で愛している事。
だから、マイケルがこれを知ったらきっと怒るのも覚悟している事。
謝罪の言葉が丁寧にメールで送られてきていた。
「ユキコがアンソニーと。全く、奴は僕のお気に入りを全てかっさらってるんだな」
メールを読んでマイケルは笑った。
マイケルは時計を見た。ニューヨークと東京の時差は13時間。東京は日曜の夜だった。
マイケルは由紀子に電話をかけた。
「マイケル、どうしたの?」
いつもメールだけだったので、直に電話が来て由紀子は驚いた。
『こんな大事な話をメールだけで済ますわけにいかないだろう』
マイケルの声が怒っている。当然だと由紀子も分かっていた。
『まずは、離婚できて良かったね。ただその原因の半分は、ユキコとアンソニーの問題もあったんだね。ユキコとしては“棚からぼたもち”だったでしょ?』
マイケルの言葉に由紀子は何も言えない。まさにその通りだからだ。
「由紀子、大丈夫だった?」
ちゃんと協議離婚ができたのか一夜も心配していた。
『大丈夫。月曜日に出します。ただ、もう少し会うのは控えたいの。もう少しだけ待ってくれる?』
由紀子の言葉に一夜も同意した。
「もうここまで来て僕も焦ってないよ。僕のために頑張ってくれたんだから待つよ」
一夜の言葉が嬉しいのと、由紀子は考えていることがあったので、それをいつ一夜に告げようか悩む気持ちと入り混じっていた。
『ありがとう。愛してるわ、アンソニー』
由紀子は微笑みながら言った。
「愛してるよ、由紀子」
一夜も心から言った。
早く会って抱きしめたい気持ちを、お互いもう少しだけ我慢した。
由紀子は一夜と電話を終えると、マイケルにも離婚できた事をメールする事にした。
マイケルは帰国してもマメに由紀子にメールしてきては、社内の愚痴など由紀子に相談もしていた。
由紀子も、洋輔と離婚する事を決めた時からそれを相談していた。
マイケルからは、もし離婚が成立したら自分の元に来て、秘書としてステップアップしないかと勧められている。それほどマイケルは由紀子を気に入っていた。
由紀子もマイケルの元で、真剣に実力だけで仕事をしてみたいとも思っていた。
しかしそれをまだ一夜に伝えられていない。
そして最大の問題は、由紀子が一夜とずっと不倫関係だった事をマイケルが知らない事。
マイケルがそれを知って激怒するのが由紀子には想像できた。
だが、それをもう隠してはおけない。
由紀子は全てを告白するメールを送ると、マイケルは由紀子からのメールを直ぐに読んでいた。
一夜が東京に来てしばらくしてから不倫関係が始まった事。本気で愛している事。
だから、マイケルがこれを知ったらきっと怒るのも覚悟している事。
謝罪の言葉が丁寧にメールで送られてきていた。
「ユキコがアンソニーと。全く、奴は僕のお気に入りを全てかっさらってるんだな」
メールを読んでマイケルは笑った。
マイケルは時計を見た。ニューヨークと東京の時差は13時間。東京は日曜の夜だった。
マイケルは由紀子に電話をかけた。
「マイケル、どうしたの?」
いつもメールだけだったので、直に電話が来て由紀子は驚いた。
『こんな大事な話をメールだけで済ますわけにいかないだろう』
マイケルの声が怒っている。当然だと由紀子も分かっていた。
『まずは、離婚できて良かったね。ただその原因の半分は、ユキコとアンソニーの問題もあったんだね。ユキコとしては“棚からぼたもち”だったでしょ?』
マイケルの言葉に由紀子は何も言えない。まさにその通りだからだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
32
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる