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気が付けば、どうでもいいことをダラダラ、ペチャクチャ喋りまくっていた。
同年代の若い男の子とのお喋りは楽しい。
前世、神野太郎時代から女好きというよりは、男友達とつるんでいたい方だったから、女のいやらしさや浅はかさが嫌いで、たまに性欲処理として、女を抱いただけで、もう俺が自分の男にでもなったかのような振る舞いにずいぶん腹を立てたものだ。
だから初めて妻と出会ったときは、衝撃的だった。女っぽさがまるでなく、いつもジーンズにTシャツ姿で、ハイヒールなんて、穿いていることはなかった。
そのくせ出ているところは、ちゃんと出ていて、出ていなくていいところは、くびれていた。
男友達といるより、何とかして妻を落としたくて、あの手この手を使ったが、なかなか手ごわく、それでも振り向いてくれた時は嬉しかった。
結婚してからも妻以外の女性に興味はない。一穴主義を貫いたのだ。
だからマリリンから淑女協定があったことを知らされて、たいそう驚いてしまった。
アールスハイド殿下は、帰り際に
「オリヴィア嬢との会話は実に、楽しかった。また、会って喋ってくれますか?」
「もちろんです!わたくしも、殿下とのおしゃべりを楽しみにしています。」
「典医としてでも、会ってくれる?」
「どこか、お悪いのですか?それならば、今、拝見します。恐れながら胸をはだけてくださいませ。」
牛の腸で作った自家製の聴診器を取り出す。
アールスハイド殿下は見事な肢体を晒す。胸だけでいいというのに、上半身裸になってしまわれる。
素敵なカラダだわ。味見してみたい。前世、男のくせに男のカラダで欲情するとは……今は、令嬢だからいいか。
いや、令嬢でも慎むべきよね。
「ふむ。どこも異常はございませんね。」
「はい。まだ病にはなっておりません。王城で会う口実が欲しかっただけで。」
殿下はポリポリと頭を掻く。
「仮病はいけませんわよ。」
「はい。でも典医室にお邪魔してもいいですか?」
「ええ、休憩時間なら、いつでもいいですわ。」
「ありがとうございます。オリヴィア嬢と話していると、なんだか一生病気にかからないような気がします。私の元気の源です。」
そんな……、まだ何も手出しをしていないというのに、嬉しいことを言ってくれる。
オリヴィアは嬉しさのあまり、自分用にとっておいたプリンをアールスハイド殿下に渡す。
「え?これ、くれるの?売り物ではないの?」
コクコク、と頷きながら
「自分用のおやつですわ。でも、殿下があまりにも可愛いことを言ってくださったので。」
「そっか。じゃぁ、一緒に食べようよ。これも冷たいけど、カラダを冷やすもの?」
「いいえ、これは焼いたものを冷やしたもので、カラダは冷えません。甘くて栄養効果はたっぷりあります。」
殿下にスプーンを渡す。
「つるつるして食べにくいが、美味いわ。甘くて、冷たくて、美味しい。」
「うふふ。良かった。お口に合って。」
「ついでにオリヴィア、君も食べたいよ。」
さすがに、そんなこと言われたら顔を赤くしてしまう。
「なーんて、冗談だよ。おじいちゃんに怒られるわっ!」
でも、なんとなく殿下とは、そういう関係になる予感がする。
「んもうっ!殿下ったらぁ!」
「ごめん。ごめん。オリヴィアが愛しくなっちゃって。俺のことはアールでいいよ。」
「では、わたくしのこともリヴィと呼んでくださいませ。」
「リヴィ。」
「はい。アール殿下。」
「殿下は二人きりの時なら、つけなくてもいいよ。」
ぅわぁ。恥ずかしい。
もう、オリヴィアの顔は真っ赤。
「できたらリヴィと婚約したい。婚約がダメなら、お友達からでも付き合ってほしい。」
「はい。喜んで。」
父に相談せずに、返事しちゃった。
同年代の若い男の子とのお喋りは楽しい。
前世、神野太郎時代から女好きというよりは、男友達とつるんでいたい方だったから、女のいやらしさや浅はかさが嫌いで、たまに性欲処理として、女を抱いただけで、もう俺が自分の男にでもなったかのような振る舞いにずいぶん腹を立てたものだ。
だから初めて妻と出会ったときは、衝撃的だった。女っぽさがまるでなく、いつもジーンズにTシャツ姿で、ハイヒールなんて、穿いていることはなかった。
そのくせ出ているところは、ちゃんと出ていて、出ていなくていいところは、くびれていた。
男友達といるより、何とかして妻を落としたくて、あの手この手を使ったが、なかなか手ごわく、それでも振り向いてくれた時は嬉しかった。
結婚してからも妻以外の女性に興味はない。一穴主義を貫いたのだ。
だからマリリンから淑女協定があったことを知らされて、たいそう驚いてしまった。
アールスハイド殿下は、帰り際に
「オリヴィア嬢との会話は実に、楽しかった。また、会って喋ってくれますか?」
「もちろんです!わたくしも、殿下とのおしゃべりを楽しみにしています。」
「典医としてでも、会ってくれる?」
「どこか、お悪いのですか?それならば、今、拝見します。恐れながら胸をはだけてくださいませ。」
牛の腸で作った自家製の聴診器を取り出す。
アールスハイド殿下は見事な肢体を晒す。胸だけでいいというのに、上半身裸になってしまわれる。
素敵なカラダだわ。味見してみたい。前世、男のくせに男のカラダで欲情するとは……今は、令嬢だからいいか。
いや、令嬢でも慎むべきよね。
「ふむ。どこも異常はございませんね。」
「はい。まだ病にはなっておりません。王城で会う口実が欲しかっただけで。」
殿下はポリポリと頭を掻く。
「仮病はいけませんわよ。」
「はい。でも典医室にお邪魔してもいいですか?」
「ええ、休憩時間なら、いつでもいいですわ。」
「ありがとうございます。オリヴィア嬢と話していると、なんだか一生病気にかからないような気がします。私の元気の源です。」
そんな……、まだ何も手出しをしていないというのに、嬉しいことを言ってくれる。
オリヴィアは嬉しさのあまり、自分用にとっておいたプリンをアールスハイド殿下に渡す。
「え?これ、くれるの?売り物ではないの?」
コクコク、と頷きながら
「自分用のおやつですわ。でも、殿下があまりにも可愛いことを言ってくださったので。」
「そっか。じゃぁ、一緒に食べようよ。これも冷たいけど、カラダを冷やすもの?」
「いいえ、これは焼いたものを冷やしたもので、カラダは冷えません。甘くて栄養効果はたっぷりあります。」
殿下にスプーンを渡す。
「つるつるして食べにくいが、美味いわ。甘くて、冷たくて、美味しい。」
「うふふ。良かった。お口に合って。」
「ついでにオリヴィア、君も食べたいよ。」
さすがに、そんなこと言われたら顔を赤くしてしまう。
「なーんて、冗談だよ。おじいちゃんに怒られるわっ!」
でも、なんとなく殿下とは、そういう関係になる予感がする。
「んもうっ!殿下ったらぁ!」
「ごめん。ごめん。オリヴィアが愛しくなっちゃって。俺のことはアールでいいよ。」
「では、わたくしのこともリヴィと呼んでくださいませ。」
「リヴィ。」
「はい。アール殿下。」
「殿下は二人きりの時なら、つけなくてもいいよ。」
ぅわぁ。恥ずかしい。
もう、オリヴィアの顔は真っ赤。
「できたらリヴィと婚約したい。婚約がダメなら、お友達からでも付き合ってほしい。」
「はい。喜んで。」
父に相談せずに、返事しちゃった。
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