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53虫

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 結局、お父様とライオンちゃんの提案がそのまま通り、爬虫類の魔物が喧嘩しているまっ最中に突入することになったのだ。

 なんで、こんなところ通んなきゃなんないのよ!内心、腹立ちながら、後部座席では、相変わらずお父様たちは、イン〇ィ・ジョーンズに夢中になっている。

 まぁ、いざとなればまた、火魔法で何とかなるような気もする。

 この前のサソリの時は、知らずに撃ったら地下から石油が出てきたけれど、今度は火魔法を撃つと台無しになってしまうかもしれないから、慎重に魔法を選ばなければならない。

 火魔法が駄目なら、氷魔法か風魔法、水魔法あたりがいいかもしれない。

 ダイヤモンドがもし出たら、火魔法では石炭になってしまうかもしれないので、慎重に。ダイヤモンドが出るかどうかは、まだわからないけどね。

 なんとなくライオンちゃんの態度を見ていたらダイヤモンドぐらい出なきゃ、と思ってしまっただけのこと。

 警戒に四駆を飛ばす。もうそろそろかな?と思っていたところに……!

 前方から……!

 なにあれ?と思えるぐらい巨大な?ナメクジが出てきた。

 わ!思わずハンドルを切り、急ブレーキを踏む。バックミラーで、後ろを見ると、そこにも巨大ナメクジが!

 どうやら、ナメクジ軍の陣営に紛れ込んでしまったようだ。

 ナメクジには、塩!

 四駆のルーフを開け、ドローンに塩を積んで、ナメクジの頭上から散布する。

 ナメクジは、痛そうにカラダをよじる。

 ナメクジは、塩で溶けると言われているが、実際には溶けるわけではない。やけどのように、表面の水分が失われ、干からびる姿が溶けているように見える。

 塩をまいたら、ナメクジは一応、おとなしくなったのだが、そこへ水分を与えてしまっては、すぐに水分を取り込み復活してしまうので、水魔法、氷魔法はご法度である。

 やっぱりここは、火魔法で行くしかない。その前に足元の地面を固く整える。土の中に逃げ込むことを防ぐためだ。

 四駆を走らせるときも地面が堅い方が走りやすい。もっと早くに気づけば良かったと思うが、これも怪我の功名かもしれない。

 さらに1匹ずつナメクジを土魔法で囲み、その上で火魔法を放つ。ナメクジの燻製のような?丸焼きが出来上がる。

 もし、他のお宝が出てきても、被害を最小限に食い止めるための手段。

 土魔法を使っているときに、気になることがあったのだ。ポルトドセメントのような物質が見つかったのだ。これに玉砂利を混ぜるとコンクリートの完成で、さらに鉄筋を使えば鉄筋コンクリートで、非常に硬度が増す。

 土魔法と水魔法プラス玉砂利を加え、混ぜながらコンクリート道路を作っていると、出てきた!

 まるで、ひとりコンクリートミキサー人間?みたいになっている。コンクリートが濡れていると、すぐには走らせられないから、ついでに風魔法を駆使して、乾かしながら、やっている。

 お父様は?と見ると、相変わらずインディ・ジョー〇ズに夢中になっている模様。まったく男3人は、サボってばかりで困る。

 最初は、徒歩でやっていたが魔法の威力が強すぎて、歩くスピードが間に合わず、ついには走っても……。そこでライオンちゃんの背中に乗せてもらって、魔法を撃ち続けていたところ、アントンが!

 今度は、巨大アリが水魔法を使うことで、怒って出てきたのだ。え?爬虫類同士の覇権争いではなかったの?

 まぁ、いいや。

 アリは、女王アリの子作りの巣が水浸しになったことで、怒って威嚇してくる。

 女王アリには悪いけど、このあたり一帯をコンクリート道にするので、巣もろとも、コンクリートになってもらおう。

 そうか、道から外れたところなら、いくらでも巣を作ってもらって、かまわないから引っ越しをしてもらおう。
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