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マリンストーン公爵は、辺境領で1泊したのち、司祭様に会いに?温泉街へ赴き、その後すぐにクランベール王国に向け旅立つ羽目になったのだ。
表向きは、結婚の挨拶だが、来るべきアンダルシアとの事を構えるにあたっての打ち合わせを兼ねている。
「せめてマギー温泉で一泊したかったのにぃ。」
「時間がないのよ。本当は、司祭さんと会わずに辺境領から直接クランベールに行きたかったんだから。でも、お父様、司祭様から聞かないとわたくしが聖女様だって疑っていたでしょう。」
「それはまぁそうだな……。この狭いクルマでは退屈だな。」
乗用車に運転席にいるのはマーガレット、助手席が父公爵、後部座席には、護衛の騎士が2人座っている。レオは、真ん中あたりでゴロゴロしている。
ドイ〇の高級車リムジ〇でも、文句を言うか?
マーガレットは仕方なくカーナビにスイッチを入れ、映画を映す。後部座席のモニターのほうが大きいから、見やすいのだけど、父公爵には内緒にしとく。うるさいから。どうせ「席を代われ」と言い出すことが目に見えている。
車内に007の音楽が流れはじめると、マーガレットを除く同乗者はうるさく「行け!」「危ない」と騒ぎ出す。
観たことがないのか!と言いたいところだが、ないのだろう。子供でもあるまいし。
ちょうど1本の映画を観終わった頃に、王城の門を通過する。
「よくわからない動く絵だったが、面白かった。今度からコレを頼む。」
「昨夜のホテルのお部屋にも、同じものが備え付けておりました。御覧にならなかったのでございますか?」
「へ?そうであったか?昨夜は疲れていたので、早々に寝たからな。」
なんだよ。こんな面白い動く絵の説明なんぞ、なかったぞ。それならそうだと言ってくれればいいものを、寂しくて手持ち無沙汰にしていたのだから。
王城の馬車を停めるスペースに駐車する。
王城の待合室でお茶を飲みながら、お菓子をつまんでいると、スティーブン様が入ってこられ、父を紹介する。
スティーブンは、マーガレットと早く会いたいから来たのであったけど、マリンストーン公爵なる人物にも興味があり、早く会いたかったのである。
なんせ娘が婚約破棄されて、その相手の首を討とうとする父親なんて、そうざらにはいない。
だから興味があったのだ。
それにマーガレットの剣の腕前も大したもので、マーガレットの話によれば、小さい時から剣術の稽古をさせていたというから、そのあたりの教育方針にも興味がある。
どうすれば、こんなに美しく逞しい女性ができるのだろうと思っていたのだ。
スティーブンは、マーガレットのそう言うところにぞっこんなのだ。今まで自分の周りにはいなかったタイプで、男性にとりわけ、王子に媚を売らない女性も初めてだったのだ。
そうこうしているうちに王の間へ呼ばれ、実務者協議を始める。
マーガレットはクランベールでの工事の進捗状況を訊く。
2日前にクランベールを来たばかりで、、まだ地ならし程度のことしかできていないようだ。
マーガレットが現場監督として目を光らせることができないから、こんなものだとは覚悟していた。
とにかく一刻も早くテレビで会議をしなければ。
そこでハタと気が付く。マーガレットは聖女様なのだから、聖女様の力でなんとかできないものか?やっぱり電話やFAXのほうが確実か?会って話す感じのほうがいいから、やっぱりテレビ電話だ。
すべての話し合いが終わった頃には、もうすっかり夜のとばりが下りていた。
王家は王城に泊っていくように申し出てくれるが、やはり帰ろうと思う。我が家でなければ、落ち着かない。
それに明日は侯爵領へいくよていだから、自分のベッドでゆっくり寝たいという本音がある。
まぁ、マリンストーンはどのみち、我が家ではないから、どっちでもいいような顔をしていたけど、
今日はマギー温泉へ泊ろうか?司祭様にも少し聞いてみたいことがある。
だからまた、リムジ〇で来た道を返すことにした。本当はオスプレイで帰りたいのだけど、オスプレイはカーナビがないから、映画が見られないとなると、いろいろまた文句をつけられる可能性があるので、車で帰ることにしたのだ。
夜道を走っていると、何かがフロントガラスにぶつかる。急ブレーキをかける。社外に出るのは危険なので、どうしようかと思っていたら、レオが代わりに見てくるというものだから、任せることにして、車は先を急ぐことにしたのである。
結局、レオが戻ってきたのは、マギーランドに帰る手前のところ。
「どうだった?」
「ハクビシンが大量に出てきやがったが、蹴散らしてきたわ。あ奴はマズイから、肉は食えない。」
やっぱり、夜食狙いで自分が行きたいと言ったのね。
その日はすぐそのまま眠り、翌朝、お風呂に入ってから、オスプレイで領地を目指す。
司祭様が言われるには、聖女様は転移魔法がお出来になるとか何とかで、領地から帰ったら、詳しい話を聞くことにして、オスプレイに乗り込んだ。
メンバーは昨日と同じプラスロバートお兄様がついてこられることになったのだ。
長男だから、領地経営の一端を任されたいのだろうと察する。
でももし、オスプレイが墜落したら、マリンストーン家は全滅するのだけど、わかってる?
一応、パラシュートを積んでおこう。使い方わからないけど、どこか引っ張る?ボタンを押す?とかだったと思う。落ちている最中、気を失わなければ助かるでしょう。
馬車で2週間かかる距離は、空からだと2時間足らずで到着した。
領地のカントリーハウスの前の庭に不時着する。
物音で、公爵邸の使用人たちがぞろぞろ出てきて、公爵にロバート、マーガレットの姿に腰を抜かさんばかりに驚いている。
「お帰りなさい。旦那様にお嬢様に、おぼっちゃままで、確か10日ほど前に旦那様は王都を旅立たれたと伺っておりましたが、お早いお帰りで驚きました。」
「うむ。あちらでは2日しか泊まれず、もうここへ帰ってきてしまった。」
表向きは、結婚の挨拶だが、来るべきアンダルシアとの事を構えるにあたっての打ち合わせを兼ねている。
「せめてマギー温泉で一泊したかったのにぃ。」
「時間がないのよ。本当は、司祭さんと会わずに辺境領から直接クランベールに行きたかったんだから。でも、お父様、司祭様から聞かないとわたくしが聖女様だって疑っていたでしょう。」
「それはまぁそうだな……。この狭いクルマでは退屈だな。」
乗用車に運転席にいるのはマーガレット、助手席が父公爵、後部座席には、護衛の騎士が2人座っている。レオは、真ん中あたりでゴロゴロしている。
ドイ〇の高級車リムジ〇でも、文句を言うか?
マーガレットは仕方なくカーナビにスイッチを入れ、映画を映す。後部座席のモニターのほうが大きいから、見やすいのだけど、父公爵には内緒にしとく。うるさいから。どうせ「席を代われ」と言い出すことが目に見えている。
車内に007の音楽が流れはじめると、マーガレットを除く同乗者はうるさく「行け!」「危ない」と騒ぎ出す。
観たことがないのか!と言いたいところだが、ないのだろう。子供でもあるまいし。
ちょうど1本の映画を観終わった頃に、王城の門を通過する。
「よくわからない動く絵だったが、面白かった。今度からコレを頼む。」
「昨夜のホテルのお部屋にも、同じものが備え付けておりました。御覧にならなかったのでございますか?」
「へ?そうであったか?昨夜は疲れていたので、早々に寝たからな。」
なんだよ。こんな面白い動く絵の説明なんぞ、なかったぞ。それならそうだと言ってくれればいいものを、寂しくて手持ち無沙汰にしていたのだから。
王城の馬車を停めるスペースに駐車する。
王城の待合室でお茶を飲みながら、お菓子をつまんでいると、スティーブン様が入ってこられ、父を紹介する。
スティーブンは、マーガレットと早く会いたいから来たのであったけど、マリンストーン公爵なる人物にも興味があり、早く会いたかったのである。
なんせ娘が婚約破棄されて、その相手の首を討とうとする父親なんて、そうざらにはいない。
だから興味があったのだ。
それにマーガレットの剣の腕前も大したもので、マーガレットの話によれば、小さい時から剣術の稽古をさせていたというから、そのあたりの教育方針にも興味がある。
どうすれば、こんなに美しく逞しい女性ができるのだろうと思っていたのだ。
スティーブンは、マーガレットのそう言うところにぞっこんなのだ。今まで自分の周りにはいなかったタイプで、男性にとりわけ、王子に媚を売らない女性も初めてだったのだ。
そうこうしているうちに王の間へ呼ばれ、実務者協議を始める。
マーガレットはクランベールでの工事の進捗状況を訊く。
2日前にクランベールを来たばかりで、、まだ地ならし程度のことしかできていないようだ。
マーガレットが現場監督として目を光らせることができないから、こんなものだとは覚悟していた。
とにかく一刻も早くテレビで会議をしなければ。
そこでハタと気が付く。マーガレットは聖女様なのだから、聖女様の力でなんとかできないものか?やっぱり電話やFAXのほうが確実か?会って話す感じのほうがいいから、やっぱりテレビ電話だ。
すべての話し合いが終わった頃には、もうすっかり夜のとばりが下りていた。
王家は王城に泊っていくように申し出てくれるが、やはり帰ろうと思う。我が家でなければ、落ち着かない。
それに明日は侯爵領へいくよていだから、自分のベッドでゆっくり寝たいという本音がある。
まぁ、マリンストーンはどのみち、我が家ではないから、どっちでもいいような顔をしていたけど、
今日はマギー温泉へ泊ろうか?司祭様にも少し聞いてみたいことがある。
だからまた、リムジ〇で来た道を返すことにした。本当はオスプレイで帰りたいのだけど、オスプレイはカーナビがないから、映画が見られないとなると、いろいろまた文句をつけられる可能性があるので、車で帰ることにしたのだ。
夜道を走っていると、何かがフロントガラスにぶつかる。急ブレーキをかける。社外に出るのは危険なので、どうしようかと思っていたら、レオが代わりに見てくるというものだから、任せることにして、車は先を急ぐことにしたのである。
結局、レオが戻ってきたのは、マギーランドに帰る手前のところ。
「どうだった?」
「ハクビシンが大量に出てきやがったが、蹴散らしてきたわ。あ奴はマズイから、肉は食えない。」
やっぱり、夜食狙いで自分が行きたいと言ったのね。
その日はすぐそのまま眠り、翌朝、お風呂に入ってから、オスプレイで領地を目指す。
司祭様が言われるには、聖女様は転移魔法がお出来になるとか何とかで、領地から帰ったら、詳しい話を聞くことにして、オスプレイに乗り込んだ。
メンバーは昨日と同じプラスロバートお兄様がついてこられることになったのだ。
長男だから、領地経営の一端を任されたいのだろうと察する。
でももし、オスプレイが墜落したら、マリンストーン家は全滅するのだけど、わかってる?
一応、パラシュートを積んでおこう。使い方わからないけど、どこか引っ張る?ボタンを押す?とかだったと思う。落ちている最中、気を失わなければ助かるでしょう。
馬車で2週間かかる距離は、空からだと2時間足らずで到着した。
領地のカントリーハウスの前の庭に不時着する。
物音で、公爵邸の使用人たちがぞろぞろ出てきて、公爵にロバート、マーガレットの姿に腰を抜かさんばかりに驚いている。
「お帰りなさい。旦那様にお嬢様に、おぼっちゃままで、確か10日ほど前に旦那様は王都を旅立たれたと伺っておりましたが、お早いお帰りで驚きました。」
「うむ。あちらでは2日しか泊まれず、もうここへ帰ってきてしまった。」
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