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アランは、本人の希望を考慮して、隣国で留学することになった。本人が留学したいと言えば、サバンドルも何も言うことはなかった。
同い年の上位貴族の子息が同行するということだけ、条件にされた。宰相の子息カイトも選ばれた。
セレンティーは、騎士団長の息子レオンを同行させ、騎士をたくさん連れて行かせた。
少々過保護気味かとも思ったけれど、ただ一人の王位継承権者であるから、十分すぎるほどの護衛をしといて丁度いいぐらいかもしれない。
ものものしい警備の中、アランは、ケロッとして隣国に旅立った。
隣国では、全寮制でアランの部屋が真ん中で両隣が騎士団長の息子レオンの部屋と宰相の息子カイトの部屋となった。向かい側の部屋には、護衛のための部屋を位置づけられた。
本当は、セレンティーも付いていきたかったが、サバンドルに止められて、やむなく断念した。
アランは学園では、政治経済学を学んだ。
案の定、アランは、隣国の貴族令嬢からターゲットにされたが、護衛がガッチリ守っているため、めったに近づくことはできなかった。
そんな時、いつもの寮の食事では、味気なく思い、外食することにした。ある日の出来事、食堂で、自分そっくりの人が働いていることに気づいた。金髪金眼で、アランがもう少し、年を取れば、あんな感じになるのだろうか?と思わせるような人だった。
アランは、その男性に話しかけた。
「不躾ですみません、お名前を教えていただいても構いませんか?私は、隣国の者でこちらの学園に留学しているものですが、あなた様と私、似ているような気がします。もし、隣国の方であれば、と思い声をかけさせていただきました。」
その男性は、12年前から気が付けば、この店の裏側にいて、自分がどこの誰かもわからなくなっているという。店主の好意で、ここで働かせてもらっているという。
とりあえずの名前は、みんなからセレブと呼ばれているそうだ。12年前に倒れていた時、着ていたものが上等なものだったらしく、どこかの御曹司では?という噂がたったが、一向に誰も探しに来ないところから、謎のまま、その店で働くことになったそうだ。
アランは、一応、セレンティーに手紙を書いて、ひょっとしたら母の知り合いかもしれない?という第6感が働いて知らせた。
セレンティーは、というと息子アランが心配で心配で、隣国へ行く口実を探していたところに、アランからの手紙である。
早速、旅支度をして、いそいそとやってきました。
そして、セレンティーをアランがよく行く食堂へ連れて行くと、セレンティーはその男性を見るや否や、すぐ固まりました。
「母上、どうされたのですか?あのセレブさん、僕とそっくりだと思いませんか?」
「ええ、そうね。」
それは、ゲランだった。断崖から飛び降り自殺したはずのゲランが生きていて、記憶を失っているようだった。
ゲランが生きていれば、王位継承権が変わる。
セレンティーは、一人で判断できないので、サバンドルに相談すべく、その日のうちにザルツブルグ王国に帰って行った。
同い年の上位貴族の子息が同行するということだけ、条件にされた。宰相の子息カイトも選ばれた。
セレンティーは、騎士団長の息子レオンを同行させ、騎士をたくさん連れて行かせた。
少々過保護気味かとも思ったけれど、ただ一人の王位継承権者であるから、十分すぎるほどの護衛をしといて丁度いいぐらいかもしれない。
ものものしい警備の中、アランは、ケロッとして隣国に旅立った。
隣国では、全寮制でアランの部屋が真ん中で両隣が騎士団長の息子レオンの部屋と宰相の息子カイトの部屋となった。向かい側の部屋には、護衛のための部屋を位置づけられた。
本当は、セレンティーも付いていきたかったが、サバンドルに止められて、やむなく断念した。
アランは学園では、政治経済学を学んだ。
案の定、アランは、隣国の貴族令嬢からターゲットにされたが、護衛がガッチリ守っているため、めったに近づくことはできなかった。
そんな時、いつもの寮の食事では、味気なく思い、外食することにした。ある日の出来事、食堂で、自分そっくりの人が働いていることに気づいた。金髪金眼で、アランがもう少し、年を取れば、あんな感じになるのだろうか?と思わせるような人だった。
アランは、その男性に話しかけた。
「不躾ですみません、お名前を教えていただいても構いませんか?私は、隣国の者でこちらの学園に留学しているものですが、あなた様と私、似ているような気がします。もし、隣国の方であれば、と思い声をかけさせていただきました。」
その男性は、12年前から気が付けば、この店の裏側にいて、自分がどこの誰かもわからなくなっているという。店主の好意で、ここで働かせてもらっているという。
とりあえずの名前は、みんなからセレブと呼ばれているそうだ。12年前に倒れていた時、着ていたものが上等なものだったらしく、どこかの御曹司では?という噂がたったが、一向に誰も探しに来ないところから、謎のまま、その店で働くことになったそうだ。
アランは、一応、セレンティーに手紙を書いて、ひょっとしたら母の知り合いかもしれない?という第6感が働いて知らせた。
セレンティーは、というと息子アランが心配で心配で、隣国へ行く口実を探していたところに、アランからの手紙である。
早速、旅支度をして、いそいそとやってきました。
そして、セレンティーをアランがよく行く食堂へ連れて行くと、セレンティーはその男性を見るや否や、すぐ固まりました。
「母上、どうされたのですか?あのセレブさん、僕とそっくりだと思いませんか?」
「ええ、そうね。」
それは、ゲランだった。断崖から飛び降り自殺したはずのゲランが生きていて、記憶を失っているようだった。
ゲランが生きていれば、王位継承権が変わる。
セレンティーは、一人で判断できないので、サバンドルに相談すべく、その日のうちにザルツブルグ王国に帰って行った。
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