36 / 48
とある暴走族のリーダー、就職する‼︎
0030:ノアの疑問
しおりを挟む
【side ノア・フィックスド(とあるストーカー)】
⭐︎ ここは、フィックスド辺境伯邸母屋会議室。中央には、立派な映写機が設置され、その対面には、純白の帆布が張られている。帆布には、コレクト・フローレンスの妻オリビア・フローレンスの顔がドアップで映し出されていた。
みなさん、こんにちは。……フィックスド家のノアです。……現在、パトリック殿下が言い出した、とある組織の発足メンバーを決める為の面接をやっているのですが、……お隣さんのフローレンス辺境伯家が、色々とヤバすぎてドン引きしている。
まず、フローレンス辺境伯家の現当主コレクト様。俺が郵便局でバイトをしていた時にとてもお世話になった先輩の夫で、浮気性という噂が立つほどの行動力を持ち合わせていらっしゃるのだが、……かなりチョロい。チョロいという言葉を、使っても良いようなお方ではないと重々承知しているが、あまりにも黒いアルバートさんに騙されすぎている。先程、コレクト様から強いお言葉を向けられたアルバートさんは、切ないお顔でコレクト様をギュッと抱き締めていらっしゃるのだが、いやいやいや、今までコレクト様を良い感じに騙して色々されてきてたのですよね? コレクト様を欺き、コレクト様の奥様をも欺き、フローレンス辺境伯家のご家族も一緒に騙して丸め込んでこられた結果なんですよね? その被害者面はおかしいと俺は思うのですが、俺の両隣に座っているパトリック殿下とサネユキ様は、何故だか感動しすぎて号泣の嵐だ。……俺の考えがおかしいのかな?
……結局のところ、何が正しいのか、全くわからない。わからないけれど、この二つだけは事実だ。一つ目は、コレクト様が、今まで男として生きてきた筈だったのに、実は女性だったこと。二つ目は、先輩が育てているアルト君の本当の両親は、目の前で抱き合っているコレクト様とアルバートさんということだ。何故、部外者であるアルト君の両親がこの二人だって断言できるのかって?
答えは、簡単だ。
アルバートさんのお顔とアルト君のお顔が、瓜二つすぎるからなんだよ‼︎
いや、もう、やりやがったな! としか言えない。勿論、コレクト様の見た目の要素もアルト君は、受け継いでいる。……そう。完全に俺も騙されていた。
アルバートさんに会ったのが、今日の一刻前だから、気づかないのも無理はない。……遠目から、メアリーさんを見た事があったけれど、『アルト君は、コレクト様似なんだなー。(ほえー)』と思っていた。完全に騙されていた!
……この感覚はたぶん、俺にしかわからないと思う。パトリック殿下とサネユキ様は、アルト君と会ったことが無いからね。……コホン。……俺は……コレクト様と初めてお会いした時に、コレクト様の奥様が先輩だと瞬時に気がついてしまった。コレクト様が嬉しそうなお顔で、先輩の生写真をくれたんだよな。『私の妻だ‼︎ 見てくれ!』ってね。……最低一カ月間は、嫉妬で狂いまくったよ。……今は解散したけれど、ハシり仲間達と一緒に、気持ちが前向きになるまでティッシュ配りしまくったなあ。……コホン、コホン。……それから紆余曲折を経て、……週に二回、フローレンス辺境伯家でアルバイトをしに行ってて、そこで、さりげなくアルト君のお世話もさせてもらっている。
不安だ。
あのキラキラした美しい瞳を向けてくれるアルト君が、約二十年後には、こんな腹黒ギリギリアウトな変態紳士と同じような道を歩んで行くのかと思うと、……駄目だ、駄目だ! アルト君の心は、まだ汚れていない! 軌道修正するなら今だ! これからも、アルト君には、わからないようなカタチで、さりげなく穏便にサポートしていくぞー‼︎
……こんな感じで、無理矢理やる気を出しているのだが、ふと、思う。コレクト様とアルバート様って、不倫関係だよね? 絶対そうだよね? 現状では、コレクト様の奥様は、先輩だけなのですから。……パトリック殿下って、浮気とか不倫の話を聞くと、蕁麻疹とか喘息などのアレルギー症状が出てくる体質みたいなんだけど、全然出てないし……。いつもなら、全身掻きむしって血だらけになるのに。
……不思議だ。
今だって、ほら、コレクト様自ら、さりげなくアルバートさんに密着していらっしゃるんだよなあ。そんでもって、真っ赤になったお目々でアルバートさんとアツく見つめ合っているように、俺には見えるのだが、これは、流石に不倫現場でしょう?
「アル、……オリビアとアルトが、フローレンス家から追い出されるって、どういう事なの⁉︎(裏当主から抱き締められているが、それ以上に抱きつきに行くコレクト)」
「……駄目だ。コレクトには、まだ言えない。(やや顔を赤らめながら、首を横に振る裏当主)」
「そんな事言って、また私に何も言わずに全部自分のせいにして、解決しようとしているんでしょ‼︎ そんな事絶対にさせないんだからね‼︎(更に裏当主にしがみつくコレクト)」
「…………。(両目の瞳が濡れている裏当主)」
いやいや、身体を密着しすぎだろーが‼︎ コレクト様、その行動は、絶対おかしいですって‼︎ お相手は、今までコレクト様を良い感じに騙して、アルト君の出生も良い感じに偽った張本人なんですよ⁉︎
「アル、ちゃんと私の目を見て言って!(コレクト)」
「…………。(悩む裏当主)」
「言わないと、アルのお口、私が塞いじゃうんだからね!(謎の脅迫まがいなことを裏当主に言うコレクト)」
「……たのむ。(顔を赤らめながらも嬉しげな裏当主)」
「ふん! ……アルとキスすると激しくなって、恥ずかし過ぎるから、皆がいないところじゃないとやってあげない‼︎(茹で蛸顔で抱き締められつつもそっぽを向くコレクト)」
「────っ‼︎(無言で悶えている裏当主)」
いやいや、イチャコラしすぎでしょーが⁉︎
コレクト様、あなた、そんなに小悪魔だったんですか⁉︎ そうやって、アルバートさんを手の平の上でころころ転がして色々やって、アルト君が生まれたんですか⁉︎ 先輩の気持ちを慮ると、精神的に辛過ぎるんですけど⁉︎
「うん。よくわからないけど、禁忌の恋人との逢瀬。……感動するね。(何故か涙をダバダバ流してるパト殿下)」
「ああ。……よくわからんけど、感動だな。(本当に意味がわかっていないけど、雰囲気に感動しているサネユキ)」
「いやいや、駄目ですって、パトリック殿下‼︎ 俺には、『浮気や不倫は、人殺しよりも重罪だあ!』って言ってしばき倒してきたのに、この二人の仲は、容認するんですか⁉︎ それは、あまりにも理不尽すぎますよ‼︎(主張するノア)」
「……そうなんだよね。……本来なら、蕁麻疹で立っていられないから、霊力で強制的に二人を離すんだけどさ、……この二人を見ても、全然痒くならないんだよね。……だから、ちょっと様子見してるんだけど、……やっぱり浮気は、御法度だよね。(心なしか歯切れの悪い殿下)」
「そうですよ! コレクト様の奥様のこともよく考えてください!(キリッとノア)」
「……ああ、言い忘れていたが、私と、コレクトは、魔法の結婚契約をしているぞ。(サラッと重要なことを口にする裏当主)」
「「「魔法の結婚契約⁉︎(ノア、殿下、サネユキ)」」」
「そうだ。……私とコレクトがまだ小さかった頃に、コレクトの実母が連帯保証人となって、特殊な魔法紙にサインをした。……これが、私とコレクトの婚姻証だ。(きょとん顔の裏当主)」
⭐︎ 裏当主は、パトリック殿下に、一枚の羊皮紙のような紙切れを手渡した‼︎
「……これは、……正真正銘、契約を覆せない『魔力で結ばれた証明』だね。(紙切れを見て、晴天の霹靂のような表情のパト殿下)」
「そうなのですか⁉︎(びっくりするノア)」
「うん。……僕は、魔法に関しては専門外だから、難しいことはわからないけれど、昔、お祖母様から聞いた事があるんだ。『魔法紙で作られた婚姻証は、二度と覆せないから、よく考えてからサインするように。』ってね。(物珍しく婚姻証を見ている殿下)」
「おまけにこの紙は、どうやら『ニホン製』らしい。……ニホンで作られた魔法紙は、天下一品の代物だ。……どんな呪詛や呪いすらも弾き返すほどの威力を持っているし、契約の反故も許されない。文字通り、魔法の効力が続く紙。役所とかで貰う無料の婚姻証よりも効力が強過ぎるから、パトリックの身体もこっちの婚姻証を優先したんじゃないか?(ふむふむ顔のサネユキ)」
「そうだろうね。……アルメニア君、……こんなにも立派な婚姻証をコレクト君と結んでいるのに、どうして、コレクト君が新しい奥さんを貰うことになったの?(素朴な疑問をぶつける殿下)」
「それは、……全ては、悪星教の所為なのだ。(裏当主)」
「「「悪星教だって⁉︎(驚愕の三人組)」」」
「悪星教? 厨二病みたいな宗教だな。(コレクト)」
⭐︎ 裏当主の言う、悪星教とフローレンス家との関係性とは⁉︎
⭐︎ ここは、フィックスド辺境伯邸母屋会議室。中央には、立派な映写機が設置され、その対面には、純白の帆布が張られている。帆布には、コレクト・フローレンスの妻オリビア・フローレンスの顔がドアップで映し出されていた。
みなさん、こんにちは。……フィックスド家のノアです。……現在、パトリック殿下が言い出した、とある組織の発足メンバーを決める為の面接をやっているのですが、……お隣さんのフローレンス辺境伯家が、色々とヤバすぎてドン引きしている。
まず、フローレンス辺境伯家の現当主コレクト様。俺が郵便局でバイトをしていた時にとてもお世話になった先輩の夫で、浮気性という噂が立つほどの行動力を持ち合わせていらっしゃるのだが、……かなりチョロい。チョロいという言葉を、使っても良いようなお方ではないと重々承知しているが、あまりにも黒いアルバートさんに騙されすぎている。先程、コレクト様から強いお言葉を向けられたアルバートさんは、切ないお顔でコレクト様をギュッと抱き締めていらっしゃるのだが、いやいやいや、今までコレクト様を良い感じに騙して色々されてきてたのですよね? コレクト様を欺き、コレクト様の奥様をも欺き、フローレンス辺境伯家のご家族も一緒に騙して丸め込んでこられた結果なんですよね? その被害者面はおかしいと俺は思うのですが、俺の両隣に座っているパトリック殿下とサネユキ様は、何故だか感動しすぎて号泣の嵐だ。……俺の考えがおかしいのかな?
……結局のところ、何が正しいのか、全くわからない。わからないけれど、この二つだけは事実だ。一つ目は、コレクト様が、今まで男として生きてきた筈だったのに、実は女性だったこと。二つ目は、先輩が育てているアルト君の本当の両親は、目の前で抱き合っているコレクト様とアルバートさんということだ。何故、部外者であるアルト君の両親がこの二人だって断言できるのかって?
答えは、簡単だ。
アルバートさんのお顔とアルト君のお顔が、瓜二つすぎるからなんだよ‼︎
いや、もう、やりやがったな! としか言えない。勿論、コレクト様の見た目の要素もアルト君は、受け継いでいる。……そう。完全に俺も騙されていた。
アルバートさんに会ったのが、今日の一刻前だから、気づかないのも無理はない。……遠目から、メアリーさんを見た事があったけれど、『アルト君は、コレクト様似なんだなー。(ほえー)』と思っていた。完全に騙されていた!
……この感覚はたぶん、俺にしかわからないと思う。パトリック殿下とサネユキ様は、アルト君と会ったことが無いからね。……コホン。……俺は……コレクト様と初めてお会いした時に、コレクト様の奥様が先輩だと瞬時に気がついてしまった。コレクト様が嬉しそうなお顔で、先輩の生写真をくれたんだよな。『私の妻だ‼︎ 見てくれ!』ってね。……最低一カ月間は、嫉妬で狂いまくったよ。……今は解散したけれど、ハシり仲間達と一緒に、気持ちが前向きになるまでティッシュ配りしまくったなあ。……コホン、コホン。……それから紆余曲折を経て、……週に二回、フローレンス辺境伯家でアルバイトをしに行ってて、そこで、さりげなくアルト君のお世話もさせてもらっている。
不安だ。
あのキラキラした美しい瞳を向けてくれるアルト君が、約二十年後には、こんな腹黒ギリギリアウトな変態紳士と同じような道を歩んで行くのかと思うと、……駄目だ、駄目だ! アルト君の心は、まだ汚れていない! 軌道修正するなら今だ! これからも、アルト君には、わからないようなカタチで、さりげなく穏便にサポートしていくぞー‼︎
……こんな感じで、無理矢理やる気を出しているのだが、ふと、思う。コレクト様とアルバート様って、不倫関係だよね? 絶対そうだよね? 現状では、コレクト様の奥様は、先輩だけなのですから。……パトリック殿下って、浮気とか不倫の話を聞くと、蕁麻疹とか喘息などのアレルギー症状が出てくる体質みたいなんだけど、全然出てないし……。いつもなら、全身掻きむしって血だらけになるのに。
……不思議だ。
今だって、ほら、コレクト様自ら、さりげなくアルバートさんに密着していらっしゃるんだよなあ。そんでもって、真っ赤になったお目々でアルバートさんとアツく見つめ合っているように、俺には見えるのだが、これは、流石に不倫現場でしょう?
「アル、……オリビアとアルトが、フローレンス家から追い出されるって、どういう事なの⁉︎(裏当主から抱き締められているが、それ以上に抱きつきに行くコレクト)」
「……駄目だ。コレクトには、まだ言えない。(やや顔を赤らめながら、首を横に振る裏当主)」
「そんな事言って、また私に何も言わずに全部自分のせいにして、解決しようとしているんでしょ‼︎ そんな事絶対にさせないんだからね‼︎(更に裏当主にしがみつくコレクト)」
「…………。(両目の瞳が濡れている裏当主)」
いやいや、身体を密着しすぎだろーが‼︎ コレクト様、その行動は、絶対おかしいですって‼︎ お相手は、今までコレクト様を良い感じに騙して、アルト君の出生も良い感じに偽った張本人なんですよ⁉︎
「アル、ちゃんと私の目を見て言って!(コレクト)」
「…………。(悩む裏当主)」
「言わないと、アルのお口、私が塞いじゃうんだからね!(謎の脅迫まがいなことを裏当主に言うコレクト)」
「……たのむ。(顔を赤らめながらも嬉しげな裏当主)」
「ふん! ……アルとキスすると激しくなって、恥ずかし過ぎるから、皆がいないところじゃないとやってあげない‼︎(茹で蛸顔で抱き締められつつもそっぽを向くコレクト)」
「────っ‼︎(無言で悶えている裏当主)」
いやいや、イチャコラしすぎでしょーが⁉︎
コレクト様、あなた、そんなに小悪魔だったんですか⁉︎ そうやって、アルバートさんを手の平の上でころころ転がして色々やって、アルト君が生まれたんですか⁉︎ 先輩の気持ちを慮ると、精神的に辛過ぎるんですけど⁉︎
「うん。よくわからないけど、禁忌の恋人との逢瀬。……感動するね。(何故か涙をダバダバ流してるパト殿下)」
「ああ。……よくわからんけど、感動だな。(本当に意味がわかっていないけど、雰囲気に感動しているサネユキ)」
「いやいや、駄目ですって、パトリック殿下‼︎ 俺には、『浮気や不倫は、人殺しよりも重罪だあ!』って言ってしばき倒してきたのに、この二人の仲は、容認するんですか⁉︎ それは、あまりにも理不尽すぎますよ‼︎(主張するノア)」
「……そうなんだよね。……本来なら、蕁麻疹で立っていられないから、霊力で強制的に二人を離すんだけどさ、……この二人を見ても、全然痒くならないんだよね。……だから、ちょっと様子見してるんだけど、……やっぱり浮気は、御法度だよね。(心なしか歯切れの悪い殿下)」
「そうですよ! コレクト様の奥様のこともよく考えてください!(キリッとノア)」
「……ああ、言い忘れていたが、私と、コレクトは、魔法の結婚契約をしているぞ。(サラッと重要なことを口にする裏当主)」
「「「魔法の結婚契約⁉︎(ノア、殿下、サネユキ)」」」
「そうだ。……私とコレクトがまだ小さかった頃に、コレクトの実母が連帯保証人となって、特殊な魔法紙にサインをした。……これが、私とコレクトの婚姻証だ。(きょとん顔の裏当主)」
⭐︎ 裏当主は、パトリック殿下に、一枚の羊皮紙のような紙切れを手渡した‼︎
「……これは、……正真正銘、契約を覆せない『魔力で結ばれた証明』だね。(紙切れを見て、晴天の霹靂のような表情のパト殿下)」
「そうなのですか⁉︎(びっくりするノア)」
「うん。……僕は、魔法に関しては専門外だから、難しいことはわからないけれど、昔、お祖母様から聞いた事があるんだ。『魔法紙で作られた婚姻証は、二度と覆せないから、よく考えてからサインするように。』ってね。(物珍しく婚姻証を見ている殿下)」
「おまけにこの紙は、どうやら『ニホン製』らしい。……ニホンで作られた魔法紙は、天下一品の代物だ。……どんな呪詛や呪いすらも弾き返すほどの威力を持っているし、契約の反故も許されない。文字通り、魔法の効力が続く紙。役所とかで貰う無料の婚姻証よりも効力が強過ぎるから、パトリックの身体もこっちの婚姻証を優先したんじゃないか?(ふむふむ顔のサネユキ)」
「そうだろうね。……アルメニア君、……こんなにも立派な婚姻証をコレクト君と結んでいるのに、どうして、コレクト君が新しい奥さんを貰うことになったの?(素朴な疑問をぶつける殿下)」
「それは、……全ては、悪星教の所為なのだ。(裏当主)」
「「「悪星教だって⁉︎(驚愕の三人組)」」」
「悪星教? 厨二病みたいな宗教だな。(コレクト)」
⭐︎ 裏当主の言う、悪星教とフローレンス家との関係性とは⁉︎
2
あなたにおすすめの小説
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
私、魔王軍の四天王(紅一点)なんですが、敵であるはずの勇者が会うたびに口説いてきます
夏見ナイ
恋愛
魔王軍四天王「煉獄の魔女」リディア。魔王様に絶対の忠誠を誓い、最強の魔女として人間から恐れられていた私の日常は、一人の男によって打ち砕かれた。
人類の希望、勇者アルフレッド。戦場で相まみえるたび、彼は聖剣ではなく熱烈な愛の言葉を向けてくる。
「君は美しい。僕と結婚してほしい!」
最初は敵の策略だと警戒していたのに、彼の真っ直ぐすぎる求愛に、鉄壁だったはずの私の心が揺らぎっぱなし!
最強魔女の私が、敵の勇者にドキドキさせられるなんて……ありえない!
これは、敵同士という運命に抗う二人が紡ぐ、甘くて少し切ない異世界ラブストーリー。
冷徹文官様の独占欲が強すぎて、私は今日も慣れずに翻弄される
川原にゃこ
恋愛
「いいか、シュエット。慣れとは恐ろしいものだ」
机に向かったまま、エドガー様が苦虫を噛み潰したような渋い顔をして私に言った。
身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される
絵麻
恋愛
桐島花は父が病没後、継母義妹に虐げられて、使用人同然の生活を送っていた。
父の財産も尽きかけた頃、義妹に縁談が舞い込むが継母は花を嫁がせた。
理由は多額の結納金を手に入れるため。
相手は二十五歳も歳上の、海軍の大佐だという。
放り出すように、嫁がされた花を待っていたものは。
地味で冴えないと卑下された日々、花の真の力が時東邸で活かされる。
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる