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とある暴走族のリーダー、就職する‼︎
0031:昔のお話
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⭐︎ ここは、フィックスド辺境伯邸母屋会議室。
「殿下、悪星教って……。(青褪めるノア)」
「うん。……ノアの領地だけじゃなかったんだね。……事態はかなり深刻そうだ。(顔を曇らせる殿下)」
「なに、……ヤンキー辺境伯も、悪星教のことを知っているのか?(眉間に皺を寄せている裏当主)」
「はい。……数年前に、フィックスド領とフローレンス領との境界に位置する関門に爆弾を仕掛けた新興宗教のことですよね?(神妙顔のノア)」
「ああ。その通りだ。そう言えば、爆弾事件の時に、とある暴走族集団が動いたという噂を聞いたが、まさか……。」
「いやいや、そんなのただの噂ですからね! そうですよね、殿下?(何故か誤魔化すノア)」
「えっ? あれは、僕達が……ムゴッ⁉︎(ノアに口元を抑えられる殿下)」
「あはははは! 爆弾事件のことは、後日色々お話しするんで、アルバートさん、悪星教とフローレンス辺境伯家との関係を教えていただけませんか?(額から汗がドバドバ出ているノア)」
「あ、ああ。(ノアと殿下を見てドン引きな裏当主)」
「悪星教か。……フローレンスの表の誰かが信仰したりしているのですか?(大変興味深いサネユキ)」
「……。(コクンと頷く裏当主)」
「えっ? そうなの⁉︎(初耳のコレクト)」
「……コレクトの過去の記憶は、私が持っているから、知らないのも致し方ない。……少し長くなるが、いいか?(コレクトを更に抱き締める裏当主)」
「はい。この際、言いたい事も言っちゃってください!(殿下の口元からゆっくりと手を離すノア)」
「……。(後で覚えてなよ、ノア。 ジト目殿下)」
「では、……少し時間を遡る。……マジカル・リターン‼︎(可愛い呪文を唱える裏当主)」
「「「「えっ⁉︎(両目を見張る四人)」」」」
⭐︎ すると、呪文を唱えた裏当主を中心として、謎の女性と二人の子供達の透けた映像が、部屋一面に広がったではないか‼︎
「これは、過去の映像だ。コレクトがまだ女の子の格好をしていた頃のこと。(二人の子供を懐かしげに見る裏当主)」
⭐︎ 映像の二人の子供は、仲良さそうにお絵描きをしている。
「……アル、……あの、スカートを履いた女の子が……。」
「コレクトだ。……フローレンスの野原に咲く野花のように、美しく素朴で可愛かった。(コレクトを見つめる裏当主)」
「…………。(顔を真っ赤にするコレクト)」
「そうすると、コレクト様の横にいる、なよなよしている男の子が、アルバートさんなんですね。(ノア)」
「ああ。……あの頃はただの泣き虫だったから。……いつもコレクトと一緒にいた。」
「なるほど。それじゃあ、二人を優しい微笑みで見ているあの女性は……。(殿下)」
「コレクトの実母、……前々フローレンス辺境伯夫人だ。(裏当主)」
「「「「────っ⁉︎(衝撃が走る四人)」」」」
「えっ、じゃあ、今の前フローレンス辺境伯夫人は……。(冷や汗が滴り落ちる殿下)」
「あの女は、伯父上の再婚者だ。……コレクトから見れば、継母にあたる。(ジト目になる裏当主)」
「ははははうえが、継母⁉︎(一番驚いているコレクト)」
「そうだ。……コレクトの母親に毒を盛ってフローレンス辺境伯夫人に成り代わった悪の根源。……コレクトに降り掛かる全ての災難の原因は、前フローレンス辺境伯夫人だ。(裏当主)」
「「「「────っ‼︎(固まる四人)」」」」
「は、ははうえがそんな……。(混乱のコレクト)」
「この映像の後、すぐに、コレクトの実母はあの女が届けに来た飲み物を飲んで、息を止めた。……コレクトの目の前でな。(ジト目の裏当主)」
「そ、そんな、ばかな、……母上がなんでそんな事を……。(顔面真っ青のコレクト)」
「……あの女の一番の目的は、フローレンス辺境伯家を掌握して、『悪星教』の聖地をフローレンス領に作ることだ。……伯父上は、コレクトの実母を失って、あまりの苦しみ、悲しみに、我を忘れ、実の子であるコレクトをネグレクトにし、……近寄ってきたあの女に縋った。(苦虫を噛み潰したような表情の裏当主)」
「「「「────っ‼︎(顔を強張らせる四人)」」」」
「あの女に騙された伯父上は、あの女の言う通りに、あの女と再婚した。そして、……悪星教の洗礼を受けた。(曇り顔の裏当主)」
「「「「洗礼⁉︎(意味がわからない四人)」」」」
「なに、簡単なことだ。……フローレンス辺境伯家が代々守ってきた神様の御神体をぶち壊して、悪星教が崇拝しているよくわからん石を、フローレンス辺境伯家が管理している祭壇に据えた。……そして、あの女の言うがままに、自堕落な生き方を悪星教の神の御前で誓い、悪星教の神父から有り難い聖水を受けたのだ。(ジト目の裏当主)」
「……なかなか虫唾が走る昔話だね。(ジト目殿下)」
「ああ。……唯一の救いは、コレクトがまだ悪星教の洗礼を受けていない事。そして、こうなる前に、私とコレクトが結婚契約を終わらせていた事だ。」
「なるほど。……色々大変だったんたね。(殿下)」
「……いや、これは、ほんの一場面にすぎない。……本番は、これからだ。(目つきが悪くなる裏当主)」
⭐︎ 裏当主の昔話はまだまだ続く‼︎
「殿下、悪星教って……。(青褪めるノア)」
「うん。……ノアの領地だけじゃなかったんだね。……事態はかなり深刻そうだ。(顔を曇らせる殿下)」
「なに、……ヤンキー辺境伯も、悪星教のことを知っているのか?(眉間に皺を寄せている裏当主)」
「はい。……数年前に、フィックスド領とフローレンス領との境界に位置する関門に爆弾を仕掛けた新興宗教のことですよね?(神妙顔のノア)」
「ああ。その通りだ。そう言えば、爆弾事件の時に、とある暴走族集団が動いたという噂を聞いたが、まさか……。」
「いやいや、そんなのただの噂ですからね! そうですよね、殿下?(何故か誤魔化すノア)」
「えっ? あれは、僕達が……ムゴッ⁉︎(ノアに口元を抑えられる殿下)」
「あはははは! 爆弾事件のことは、後日色々お話しするんで、アルバートさん、悪星教とフローレンス辺境伯家との関係を教えていただけませんか?(額から汗がドバドバ出ているノア)」
「あ、ああ。(ノアと殿下を見てドン引きな裏当主)」
「悪星教か。……フローレンスの表の誰かが信仰したりしているのですか?(大変興味深いサネユキ)」
「……。(コクンと頷く裏当主)」
「えっ? そうなの⁉︎(初耳のコレクト)」
「……コレクトの過去の記憶は、私が持っているから、知らないのも致し方ない。……少し長くなるが、いいか?(コレクトを更に抱き締める裏当主)」
「はい。この際、言いたい事も言っちゃってください!(殿下の口元からゆっくりと手を離すノア)」
「……。(後で覚えてなよ、ノア。 ジト目殿下)」
「では、……少し時間を遡る。……マジカル・リターン‼︎(可愛い呪文を唱える裏当主)」
「「「「えっ⁉︎(両目を見張る四人)」」」」
⭐︎ すると、呪文を唱えた裏当主を中心として、謎の女性と二人の子供達の透けた映像が、部屋一面に広がったではないか‼︎
「これは、過去の映像だ。コレクトがまだ女の子の格好をしていた頃のこと。(二人の子供を懐かしげに見る裏当主)」
⭐︎ 映像の二人の子供は、仲良さそうにお絵描きをしている。
「……アル、……あの、スカートを履いた女の子が……。」
「コレクトだ。……フローレンスの野原に咲く野花のように、美しく素朴で可愛かった。(コレクトを見つめる裏当主)」
「…………。(顔を真っ赤にするコレクト)」
「そうすると、コレクト様の横にいる、なよなよしている男の子が、アルバートさんなんですね。(ノア)」
「ああ。……あの頃はただの泣き虫だったから。……いつもコレクトと一緒にいた。」
「なるほど。それじゃあ、二人を優しい微笑みで見ているあの女性は……。(殿下)」
「コレクトの実母、……前々フローレンス辺境伯夫人だ。(裏当主)」
「「「「────っ⁉︎(衝撃が走る四人)」」」」
「えっ、じゃあ、今の前フローレンス辺境伯夫人は……。(冷や汗が滴り落ちる殿下)」
「あの女は、伯父上の再婚者だ。……コレクトから見れば、継母にあたる。(ジト目になる裏当主)」
「ははははうえが、継母⁉︎(一番驚いているコレクト)」
「そうだ。……コレクトの母親に毒を盛ってフローレンス辺境伯夫人に成り代わった悪の根源。……コレクトに降り掛かる全ての災難の原因は、前フローレンス辺境伯夫人だ。(裏当主)」
「「「「────っ‼︎(固まる四人)」」」」
「は、ははうえがそんな……。(混乱のコレクト)」
「この映像の後、すぐに、コレクトの実母はあの女が届けに来た飲み物を飲んで、息を止めた。……コレクトの目の前でな。(ジト目の裏当主)」
「そ、そんな、ばかな、……母上がなんでそんな事を……。(顔面真っ青のコレクト)」
「……あの女の一番の目的は、フローレンス辺境伯家を掌握して、『悪星教』の聖地をフローレンス領に作ることだ。……伯父上は、コレクトの実母を失って、あまりの苦しみ、悲しみに、我を忘れ、実の子であるコレクトをネグレクトにし、……近寄ってきたあの女に縋った。(苦虫を噛み潰したような表情の裏当主)」
「「「「────っ‼︎(顔を強張らせる四人)」」」」
「あの女に騙された伯父上は、あの女の言う通りに、あの女と再婚した。そして、……悪星教の洗礼を受けた。(曇り顔の裏当主)」
「「「「洗礼⁉︎(意味がわからない四人)」」」」
「なに、簡単なことだ。……フローレンス辺境伯家が代々守ってきた神様の御神体をぶち壊して、悪星教が崇拝しているよくわからん石を、フローレンス辺境伯家が管理している祭壇に据えた。……そして、あの女の言うがままに、自堕落な生き方を悪星教の神の御前で誓い、悪星教の神父から有り難い聖水を受けたのだ。(ジト目の裏当主)」
「……なかなか虫唾が走る昔話だね。(ジト目殿下)」
「ああ。……唯一の救いは、コレクトがまだ悪星教の洗礼を受けていない事。そして、こうなる前に、私とコレクトが結婚契約を終わらせていた事だ。」
「なるほど。……色々大変だったんたね。(殿下)」
「……いや、これは、ほんの一場面にすぎない。……本番は、これからだ。(目つきが悪くなる裏当主)」
⭐︎ 裏当主の昔話はまだまだ続く‼︎
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