兄妹○○は死罪です・・・妹と一緒にサンドワームに喰われました

切粉立方体

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Ⅴ 中央大陸

7 兄妹買物する

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アニーさんに頼まれた菓子類を一通り買い揃えてから、俺達も商店街を物色する。
商店街と言っても、城の中のダンスホールが借金の形に売られた場所なのでバザーに近く、光の魔道具の照明がふんだんに使われ、ちょうど駅中の商店街を歩いているような雰囲気になっている。
行列が出来ている店が有ったので、俺達も興味半分で列に並んで見たのだが、売っていたのは俺達をモデルにした勇者賢者人形焼きで、試食用に細かく刻まれて置いてあると、心中は少々複雑だった。
恥ずかしかったのだが、並んでしまった手前、仕方が無いので土産用に五箱買い求めてしまった。

菓子の土産物屋に混じって、端の人通りの少ない場所には、喫茶店や甘味処などの甘い物を振舞う店が並んでいた。
俺は甘い物が好きなので、小さな喫茶店に入り、果物のシロップ漬けとお茶を注文してマリアとのゆったりとした時間を過ごした。
元の世界に居る時は、男が一人で甘味処に入るのは非常に恰好悪くて入り難かったが、今はマリアを連れているので遠慮無く入れる。確かにこんな時は、対で生活していることにありがたみを感じてしまう。
だが、この感触を元の世界に持ち込んだら物凄く危ない兄妹になりそうで少々不安だ、いっそ、ここの記憶がリセットされた方が暮らし易いのかも知れない。

「ねえ兄ちゃん、私達が過去に戻った時って、ここの事覚えてるのかな。だって過去に戻るって、記憶まで過去に戻るんでしょ。ミミズに飲み込まれることなんて知らないからまたミミズに飲み込まれてさ。永遠にそのループを私達繰り返してるなんて事ないよね」

俺の思索を読み取った訳ではないが、マリアが戻った時の記憶の事を心配し始めた。

「ああ、その心配は俺もしてる。過去が変わるってことは未来も大きく変わることだから、変わらないようにする物凄い強い力が働くんじゃないかってな。ホークさん達は”魂に想いを刻む”って精神論で解決する積りらしいんだが、俺達ってそんなに切羽詰った状態じゃないからなー」
「無限ループは嫌だよ兄ちゃん」

マリアは戻りたく無いのかも知れない、俺もこの世界で暮らせる十分な蓄えも出来ているのでそんな気分にはなる、でも俺達が向こうの世界から消えた後の事を思うと心が痛む。

「でも、向こうの世界じゃ俺達が居なくなったんだから、父さんと母さんが悲しむだろうしな。なんとか戻りたいよな」
「マリアとジョージさんを道連れにしない方法はマリアが考えてるし、兄ちゃんは良い考えは無いの」
「精神体じゃメモは持って行けないから、形の無い精神体でも持ち運べるメモが有れば良いんだがな。帰りに魔術横丁でも寄って探してみるか」

レンさんから聞いた話なのだが、ここには一部の魔術師の間だけで知られている”魔術横丁”と呼ばれる名所が有るそうなのだ。
城が分割して競売に掛けられた時、宮廷魔術師達の実験室も設備ごと売りに出されたのだが、ここを表向きは普通の商人が落札した様に偽装して、国際手配されている危ない魔術師達が挙ってここを買い求めたというのだ。
なのでここでは、禁呪の研究が公然と行われ、流通を禁止されている品物も平然と売られているそうなのだ。

宮廷魔術師達の実験室も場所は秘匿されていたので、”魔術横丁”の場所もベールに包まれているのだが、レンさんから薄汚れた魔術師マントを被った人達の後に付いて行けと教えられていたので、実践したら案外簡単に魔術師横丁に辿り着けた。

薄暗い隠し通路の様な場所の両端に、間口の狭い怪しげな店がびっしりと並んでいた。
店の入口の扉には、初心者、未成年者お断りと大書してある、なんか十八禁の品物を売ってるコーナーの様な感じだ。
マリアを連れ歩いていると、その手の危ない変質者の様に思われそうだ。
マル秘品入手と書いた紙を扉に貼り付けた店があったので、興味をそそられて、扉に手を伸ばす。
マリアが俺のズボンのベルトを必死に掴んで付いて来ているが、なんか睨まれている気がする。

「兄ちゃん、変な物買っちゃ駄目だよ」

中に入ると、特にその手の危ない物は売って無かったが、マニアックな術式の品物が豊富にそろっていた。
霊魂販売、霊魂操作、霊魂収集具などの神殿関係者が見たら怒り狂いそうなコーナーがあったので覗いて見る。
霊魂を封じる玉が金貨一枚で売っていたので、過去に魂だけを飛ばす際に役立つと思い、二個持って店員の所へ持って行く。
店員はどう見ても八歳位の少女だ。

「御主ら、金はあるのか。冷やかしならば魂を頂くぞ」

口調が婆さんの様だ、見た目どおりでは無いのかも知れない、なので少し詳しく聞いて見ることにした。

「金はある。俺達は過去に魂だけを飛ばしたいのだが、この玉は使えるのか」
「ほう、訳ありか。情報料は金貨一枚じゃ」
「よかろう」

金貨一枚を店員に渡す。

「お主ら見た目通りでは無いらしいの。クルシュナの古代遺跡の”時抜けの扉”を使う積りじゃな。可能じゃ、玉の存在が消えて魂だけが肉体に戻る」
「その時に記憶はどうなるんだ」
「もう一枚じゃ」

もう一枚金貨を渡す。

「記憶は無くなる、まあこれはサービスとして教えてやろう。記憶呪符を魂に融合して置けば記憶も持って行ける。金貨五枚だがどうする」
「四枚くれ」
「値切らんのか」
「金には困って無い」
「ならこれもサービスで教えてやろう。”時抜けの扉”が送れる魂は一回に一個じゃ、一度に二個送ると狂いが生じる。お主らの今の状態では潜らぬ方が良いじゃろう。ほれ、これが説明書きだ。それと、今サキュバスの霊魂の特売をやっておるが買わんか。極楽に案内して貰えるぞ」
「いくらで」
「要りません」

城に戻って、魂に記憶呪符を融合しようと説明書きを読む。
背中に呪符を貼りつけてから快感で絶頂を得ると、徐々に呪符が身体に吸い込まれて行くと書いてある。
サキュバスの霊魂を勧められた理由が解ったが、マリアが拒否してしまっている。
俺達の魂と融合しなけらばならないので、ジョージと中のマリアに任せる訳には行かない。

裸になってジョージとマリアの真似事をしてみる、行為の記憶としては残っているので戸惑うことは無いのだが、俺とマリアの間では初めての経験だ。
互いに興奮して危なく一線を越えるところだった。

呪符が消えていることを確認してから、身体をジョージとマリアに明け渡す。
二人も俺達の興奮を引き摺っている様で激しかった、勿論二人は躊躇無く一線を越えている。

翌日盛大な子爵位の授与式が行われ、城を出たのは夕刻になってしまった。
馬を借りて国境に向かう、国境の関所着いたのは夜半になってしまったが、貴族特権で通過させてもらい、魔法国側で一泊した。
そして翌朝、結婚式を挙げるべく、二人で愛の女神神殿を訪れた。
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