兄妹○○は死罪です・・・妹と一緒にサンドワームに喰われました

切粉立方体

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Ⅴ 中央大陸

11 兄弟宿に辿り着く

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野生の勘では辿り着けそうにない、なので傾向と対策を練る為に、冒険者ギルドの売店で王都ガイドブックを購入して勉強することにした。
ギルドの喫茶コーナーで甘い物とコー茶を注文し、頭に糖分を補充しながら読み進める。

王都には、一万三千二百四十二本の巨樹が生えており、その樹の上で一億を越える人が生活している。
一番樹から百番樹までは王族の住むロイヤル樹、百一番から千番までは上級魔術師達が住む高級住居樹地区、千一番から二千番まではこの都の中心地区である商業樹地区、二千一番から六千番までは平民樹地区で一樹当り一万人から五万人が住む人口密集地帯、残りの六千番以上の番号は森の外周部に割り振られており、王都の胃袋を支える農業畜産地区兼外敵から攻撃を受けた時の防御帯の役割を担っているとガイドブックには書かれていた。

綴じ込みの大地図を眺めてみると、地区を設定して後から順番に番号を割り振ったのだろうか、ある程度までは樹番号が順番に並んでいるのだが、右方向に並んでいた番号が急に上方向に向かったり、突然全然違う場所に飛んでそこから始まるなど、時々気まぐれに変化するので一本一本番号を確認しなければ、樹の位置が判らない状況だった。

案の定、大地図で目的の樹を確認したら二千番から連続して並んでいた二千番台の番号が二千十番で突然途切れ、周辺には見あたらなかった。

マリアと二人でテーブルの上に広げた地図を目を皿にして確認したら、二千十一番は平民居住の一番外側、農業畜産樹の直ぐ脇から始まっていた。
ガイドブックを買って確認して正解だった、また、見当たらない樹を求めて彷徨うところだった。

「お兄さん、ここへ行きたいの、乗り場を教えて下さい」
「お嬢ちゃん、そこへ行くには七十八番乗り場の籠に乗って、千八百三十二番樹の停籠場で下りると早いよ」

俺だと何となく態度が冷たいので、マリアに地図を持たせて停籠場の係員へ聞きに行かせるようにした、うん、大正解だった、マリアが得意満面で戻って来る。

「兄ちゃん、任務完了」

マリアが”シュタッ”と音がしそうな敬礼をする。

「良し、ご苦労」

一先ず俺も敬礼で労う。
一線を越える事により俺達の関係もギクシャクするかと心配したのだが杞憂だった、マリアはやっぱりマリア、俺は俺で二人の関係が変わることは無かった。
もっとも、ジョージとマリアが毎日しまっくていたので、俺達もごく日常的な行為として受け入れられたのかも知れない。

係員の説明に従って籠を乗り継いだのだが、停籠場を乗り継ぐ度に周囲が寂しくなって行く。
そしてついに係員のいない無人の停籠場となり、人気のない暗い停籠場の闇で籠を待っていると、本当に籠が来るのか物凄く心配になって来る。
闇の中を籠の明かりが近付いて来た時は、正直拝みたくなった。

相変わらず無人の停籠場だが、二千十番台の樹に到着すると急に樹全体が明るくなり、そして無事二千十三番樹に到着した。

樹の上には赤い焼き煉瓦の古い建物がぎっしりと並んでおり、明るく照らされた通りを人が大勢歩いていた。
十三枝は一層の一枝が枝分かれした枝で、表通りを真っ直ぐ歩いて行くだけの場所なので宿も直ぐに見つけられた。
少し小高い場所なので、振り返ると枝分かれして広がって行く街明かりが眼下に広がり美しかった。

「ご苦労さま、良く迷子にならなかったね」

ホークさんの部屋を訪れたら、全員揃って何事かを相談していた。

「なんでこんなに解り難い樹に泊まってるんですか」
「この辺は旧の商業樹で、ダンジョンへの入場許可窓口がまだここへ残ってるのさ」
「なんか雰囲気が暗いですけど、何か有ったんですか」
「そーなんだよねー。ダンジョンへの入場許可が届出制から資格試験制に変わったんだよねー」
「でもそれって皆さんだったら全然平気なんじゃないんですか」
「ああ、試験が受けられればな。試験を受ける順番はパーティーの上位五人の魔力総力順だそうだ、糞たれめが!」
「要するに、この国の魔術師以外はダンジョンに入らせないって事なんだよねー。魔力が四百以上ある魔術師の五人パーティーに申請されたら、あたい達の審査の順番は永遠に回って来ないって事なんだよねー。この国の上級魔術師の魔力って桁違いだろ、狡いよなー」
「アニーさん達の魔力ってどの位有るんです」
「自慢じゃないが、あたいは二百二十八、レンが二百七十二、モニカが百九十八さ。驚いたかい、でもね、ここの連中は化け物だからね」
「それなら大丈夫です、念のため俺の知力を上積しとけば楽勝だと思います」
「何馬鹿な事言ってるんだい、向こうは五人で二千を越えてるんだよ」
「まあまてアニー、悪いがお前達の魔力を教えてくれるか」
「マリアは千越えてます、俺も知力伸ばして千以上にしておきます」
「!!!!!!!」

ーーーーー
ホークさん達が絶句していた、俺達の魔力は桁違いらしい。

ホークさん達が並びの部屋をキープしてくれていたので、風呂に入って寛ぐ。
勿論、マリアは俺の膝の上に乗っている。

「兄ちゃん、今日もしよ」

マリアがやるき満々だ、勿論俺も準備万端だ。

「兄ちゃん、まだ早い。ちょっと、いや、あん」

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