兄妹○○は死罪です・・・妹と一緒にサンドワームに喰われました

切粉立方体

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Ⅲ 王都フルムル

5 兄妹王都に向かう5

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急いで寝支度を整える、今はまだ夜の七時位だと思うのだが、寝た途端、六時間はジョージとマリアに体を明け渡さなければならない。
だから俺達が実質的に身体と頭を休ませる事が出来るのは、六時間後の夜の一時からになってしまう。
明朝の起床時間は朝の五時だ、だから俺達の睡眠時間は四時間になってしまう、やはり何か納得が行かない。
文句を言うべき相手がいないので仕方がないから、マリアを引き寄せて急いで意識を手放す。

ーーーーー

「兄さん、久々に酒場へ飲みに行きましょうよ」
「マリア、こんな時間に危なくないかい」
「大丈夫よ兄さん、私達無敵なのよ」
「そうか、そうだったね。忘れてたよ」

マジックボックスから今日受け取った贈り物の包を取り出してジョージとマリアが着替え始める。
献上品の中に、王都で販売する予定だった流行のパーティー衣装も入っていたのをマリアが目敏く覚えていたのだ。
ジョージは体側や袖に紫色フリルの付いた黒の上衣に黒のズボン、マリアは背中が大きく露出した裾の長い赤いドレスに白のレース編みの肩掛けを羽織る。
輝くような銀色へと変わっている髪へ、マリアは金色の花の金細工の付いたカチューシャを、ジョージは赤いバンダナを巻いて耳脇に端を垂らし、柄に宝石が埋め込まれた、繊細な蔦模様の銀細工が鞘に施されたナイフを腰に差す。

「兄さん、似合うわよ。ミハエル様達への贈り物の筈なのに私達にぴったりね」
「マリアも良く似合うよ。このまま直ぐに社交界へデビューできるよ」
「ふっ、ふっ、ふっ、社交界ね。ミランダ家のご子息は、社交界では別格で雲の上の存在なんだって姉様達が噂していたわ。その御子息のお声掛かりで、ミランダ公爵家に仕える事が出来るなんて聞いたら、姉様達驚いたでしょうね」
「勿体ないとは思うけどさ、僕でもたぶん断ったと思うよ。マリアと一緒にいるだけで幸せなのは僕も一緒さ」
「嬉しいわ兄さん、さっ行きましょ」

宿の階段をジョージとマリアが下って行った。

ーーーーー

「あの二人着飾って外に出るようです」
「後を付けられるか」
「昼と違って別人のように警戒を怠っています、大丈夫でしょう」

ーーーーー

町の表通りを露店を覗きながらフラフラと無警戒な二人が歩いて行く、目立つ服装に目立つ髪、昼間はわざわざ少し黒く染めていたのだろうか。
気配が別人の様だ、直ぐ後ろをつけても気が付く素振が無い、この町一番の高級酒場へと入って行った。

しばらく大人しく飲んでいたが、ジョウが吟遊詩人から予備のリュートを借り受け爪弾きだす、物悲しげな旋律が流れ始め、それに併せてマリが歌い始める。
ネルトネッテ地方の有名な古歌だ、節回しが吟遊詩人達が歌うものと異なり、地元特有のものになっている。

リュートも歌も素人じゃない、酒場を流して日銭を稼いでいた者の歌い方だ。
曲が軽やかな物に変わり、マリが踊り出す、扇情な踊りなのだが、身に付いた気品の所為か何故か下品さは無い。
昼間の庶民的なマリの雰囲気とは大きく様変わりしている、客から喝采を浴びている。

歌って踊って、二人は十二分に満足したようで、支払いを済ませて店を出た。
店に入る時から目を付けていたのだろう、路地の暗闇から浮かび出た男達が二人の後を追う。
二人が暗い場所に差し掛かった時、男達が走り出して前後を囲んだ。
オーガを瞬殺した二人が何故か怯えて震えている。

男の一人が一歩踏み出した途端、二人の雰囲気が大きく変わった。
一瞬の出来事だった、周囲を囲んでいた男達が落ちる様に首まで土の中に沈んで行った。
悲鳴を上げる男達を尻目に二人が宿へと戻って行く。
髪には黒髪が混じっており、気配は昼間と同じ気配に戻っている。

悲鳴を上げている男達の様子を確認する、地面が石板に変わっており、その石板から男達の首が生えている様に見える。
土術だ、変化のスピードから見て、かなり高レベルな土術を一瞬で使った様だ。
オーガ達が一瞬で動きを止めた理由に納得する。

ーーーーー

「私達に任せて逃げちゃうなんて、あの子達は勝手よね」
「まだ怯えてるみたいだから暫く出て来ないだろう。早く帰って今の内に少し寝よう」
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