兄妹○○は死罪です・・・妹と一緒にサンドワームに喰われました

切粉立方体

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Ⅳ マーシャル国

7 兄妹ダンジョンに挑む1

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背後に二人の男が立っていた、一人は二メートル近い巨漢で、海賊には知り合いは居ないが、たぶん海賊とはこんな奴だろうと思わせる凶悪な顔付の男だった。
もう一人は、精悍な顔付の長身の美男子で、細身だが全身が引き締まった筋肉質で覆われている感じのスポーツマンタイプで、男の敵の見本のような男だった。
男の敵が、マリアの肩に手を回し、さっさと酒場に連れ込んでしまった、悔しい事にマリアの目がハートになっている。

「あたい達も行こうよ、勇者さん」

美人のお姉さんが俺の腕に抱き付いてボリュームたっぷりの胸を押し付けて来た、なんか嬉しくて頬が緩んでしまう、気が付いたら、腕を取られてふわふわと後を付いて行ってしまった。
連れて行かれた場所は酒場の奥の個室、大きなテーブルが真ん中に置いてあり、ショートパンツにお腹が露出した丈の短いシャツを着た女性が二人、ジョッキを片手に手を振って迎えてくれた。

「ホークだ、よろしく」

海賊フェイスのおっさんがホークさんだった、改めて観察すると、腕も首も胸板も厚い、腕に無数の傷跡が有る。

「ホークは人相が悪いけど優しい人よ。あたいはモニカ、治療師兼魔術師よ。ホークとペアを組んでるの、よろしくね」

モニカさんは短い茶髪の可愛い感じの美人さんで、神官服が似合いそうだった。

「俺はウィルだ。よろしくな」

精悍な感じの長身の美男子はウィルと名乗った、にこりと笑って手を伸ばして握手を求めて来た、なんか良い奴かも知れない。
ウィルの脇に座ったマリアとの間に、もう一人の女性が無理矢理割り込んで来た、俺はなんかちょっと安心した。

「僕はレン、男だよ。ウィルとは幼なじみで昔からずっと一緒なんだ。僕も魔術師兼治療術だけど、魔術の方が得意かな。宜しく」

すべすべの肌に形良く伸びた長い足、ボーイッシュな短髪の美人さんかと思っていたら、男性だった。
むっとしていたマリアの目が輝き出す、そう言えばマリアの部屋にはBL本が一杯散らばっていた様な気がする。

「あたいはアニー。そこの女みたいな男はウィルのおまけだから気にしないでいいよ」
「なんだよ。勇者さん、その乳女は性悪だから気を付けなよ」

「フルムルに居た時からお前等を探してたんだ。実は俺達、今度中央大陸に有る超難関ダンジョンのクルシュナの古代遺跡を探索しようと思ってるんだ。だから手を借りたい」
「もう、ホークは説明が下手なんだから。あのね、あたい達にはもう一人一緒に村を出た共通の友人がいて、何時も三人一緒でパーティーを組んで冒険してたの。でもね、十年前に私達の不注意でその友人を死なせて、ううん、殺してしまったの。後悔しても後悔しきれないで二人で死のうと思った位後悔したの。だけどね、その時にね、クルシュナの古代遺跡の”時抜けの扉”の噂を偶然聞いたの」
「ああ、念じて入れば自分の思った時に遡れる扉が在ると言う噂だったんだだが、藁を掴む積りで二人で調べ回ったらかなり確度の高い話だった。だからクシュナ、これは友人の名なんだが、クシュナが死ぬ直前の時に戻って助けることにしたんだ。戻って腕を掴んで引くだけで良いんだ」
「その為にあたい達は十年間必死に頑張って来た。でもね、その扉は白い竜に護られてるんだって、だから今まで踏ん切りが付かなかったの」
「魔道具は揃えたんだが、まだ確実とは思えなかったんだ。お前等が手伝ってくれれば可能だと思っている。だからこのとおりだ、手を貸してくれ」
「その扉は何度でも使えるんですか」
「魔力を一万ほど補充する魔石が必要だが、何度でも使用可能だそうだ」
「ならば手伝わせて貰います」

元の世界に戻ることは全然諦めていたが、可能性が見えて来た、扉を潜って駄菓子屋に戻り、そのまま家に真っ直ぐ帰れば良いだけだ。

「ありがとう、それじゃ念のためお前等の力量を確認させてくれ。ここは上級者向けのダンジョンだからお前等には物足りないかも知れんが、明日朝俺達と一緒に潜ってくれ。それで力量を計らせて貰う」
「それじゃ、新しいパーティーの結成を祝って乾杯しようか」

ーーーーー
王城王執務室 王代行者ミハエル

長引いた会議がやっと終わり、部屋に戻ったら二人の影も形も無かった、まだまだ竜討伐の聴取を希望する使節団は目白押しなので、是非とも説明役を変わって欲しかった。
門の守備兵に確認したのだが、二人が城に入った記録も勿論出て行った記憶も無い、僕は寝不足で遂に白昼夢を見る様になってしまったのだろうか。
目を通さなきゃならない書類は山程有るが、今日はもう早く寝よう。

「ミーシャお帰りなさい」

そう、最初の頃は両親に遠慮していたようなのだが、最近はすっかりアリューシャが平気で部屋に泊まって行く。
勿論子供相手に手は出していない、だが王宮全体ではそうと思っていない様だ、困ったものだ。
エスピからもこちらに向かっているとの手紙が来た、僕も彼らの様に何処かに消えてしまいたい。

「ミーシャ、お休みのキス」

はいはい、お休みなさい。
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