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Ⅴ 中央大陸
2 兄妹海を渡る2
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「うわー、これって最新鋭艦じゃないかー、凄い、凄い。この船に乗るのって五年待ち位になってる筈だよ。撲乗って見たかったんだ」
案内された船を見てレンさんが大燥ぎしている、ホークさんやウィルさん、モニカさんとアニーさんも唖然とした顔で船を見上げている。
「この船はどうやって走らせるんだ」
ホークさんが呆れた様に小さく呟く、そう、この船には帆が無かった。
だが俺やマリアは余り驚いてはいない、木造であることを除けば、俺達にとって一番見慣れた形の客船だった。
「ほら、あそこ、海の中の船腹の下の部分、太い管が付いてるだろ、あそこの中に水術で水を流して船を進ませるんだ。この位の船を動かすには理論上水術師が千人位必要だったんだけど、大砂ミミズの皮に刻んだ連続循環刻印で魔力の循環場を形成することが発見されてから実用化されて、たしか十人位で動かせるようになった筈なんだ。実用化されてから一年も経ってない最新の技術だよ」
「良くご存じですね。確かにこの船は、この推進機術の搭載を前提にして造られた世界で五番目の船です。我が組合でも、賃金の高い熟練した船員や風術師が不要になり人件費が下がるので、順次このタイプに切り替えようと製造元のボーギング造船所に大量発注しています。正に野蛮な海運業界の構造を書き換える薔薇色の新技術と思っておりました」
客船に案内してくれているゲレン客船組合の長のマクノーラさんが眉を曇らせる。
「えっ、違うの。僕は十年もすれば帆船が無くなると思ってた」
「ええ、私もです。これは皆さま方だからご説明するのですが、先週ボーギング造船所から大鷲便が入りました。この二か月の間に、この船の前に就航した同型の船四隻がすべて港に戻って来ないで連絡を絶ってしまったそうなのです。予兆や原因が判れば教えて欲しいとの造船所からの依頼でしたが、私共も全く理由が判りません。今回責任者として私も同行いたしますので宜しくお願いします」
岸壁へと渡された幅の広い階段を登り、俺達は上の階層の部屋へと案内された、入ると正面に白い蔓草の浮き彫りが施された螺旋階段が設置されており、螺旋階段を囲む様に浴室付きの寝室が四部屋配置されいる。
螺旋階段を登ると、三百六十度が見渡せる広い厨房付きの部屋で、更に螺旋階段を登ると、遮る物が何も無い屋上バルコニーになっていた。
「昨日まで、ここは王族の方が利用されていたのですが、事情をお話して一つお隣の階層に移動して頂きました。異常が有った場合、結界船から昼間であれば狼煙、夜であれば花火を打ち上げます。小さな私共の護衛で対処可能な相手なら黄色の狼煙か花火、応援が必要な場合はオレンジ色の狼煙か花火、対処が不可能な相手と判断した場合は赤い狼煙か火花が上がりますので、船団を分散させて一斉に逃げ出します」
「分散後に安全を確認した場合の合図は」
「結界船の判断は正確です。合図の御用意はありません」
「なら、再び集合は白い煙と白い花火にするから伝えておいて、全方向敵に囲まれた場合の動くなって合図は」
「それ程の規模の魔獣の出現は例が有りませんので決めておりません」
「じゃっ、半分赤で半分白ね」
「・・・・了解しました」
船の食堂で夕食を食べた時に、船長と部屋を譲ってくれた王族に挨拶した。
メルルーレン国の隠居した国王と王妃で、感じの良い上品な人達で、御付きの者達は睨んでいたが、気にしない様に言われた。
部屋に戻って最上階の部屋で港の夜景を眺めながら酒を飲み、酔いつぶれたマリアを抱えて部屋に戻った。
部屋は一部屋余っている、アニーさんが今度は一歩も引かなかったので、ウィルさんを挟んでアニーさんとレンさんが一緒に寝ている筈だ。
その夜、俺と入れ替わったジョージは、泥酔状態を引き継いだマリアに絡まれて苦労していた。
ーーーーー
翌朝未明、船腹から魔力が唸りを上げる気配がした後、船がゆっくりと動き始めた。
裸で抱き付いているマリアを起こさない様に引き剥し、着替えて屋上のバルコニーから外を眺める。
周囲の船のマストでは船員達がきびきびと立ち働いている、船の帆が優雅に風を受けて膨らんでいる。
この船を中心に大型の客船が五隻、他の四隻の客船は三本マストの帆船だ、その周囲を二十五隻の二本マストの荷船が囲んでいる。
そしてこの船団を先導する様な形で、十隻の結界船が逆ブイ字に展開して港を出て行く。
港外に出て暫くすると、航路を右に取って鳥が翼を広げる様に結界船が左右に広がって行き、それに併せて客船と荷船も船間の間隔を広げて行く。
左右両端の結界船が徐々に速度を落とし始め、船団の背後に回り込む。
統率の取れた動きだ、マクノーラさんが信頼していると言っていた事に納得する。
ほぼ円形に展開した船団が朝日を左手に眺めながら進んで行く。
「兄ちゃんお早う。なんか頭が痛い」
マリアが起きて来た。
「少し海を走って冷たい風を浴びるか」
「うん」
マジックボックスをマリアに渡し、マリアを抱え上げてバルコニーから飛び降りる。
海面直前でマリアが甲羅の舟を取出し、二人で飛び乗る、海上に氷のレールを造り、落ちる速度を進む速さに変える。
多少波の影響を受けるものの、十分制御が可能だ。
今度は氷のトンネルを作って見る、余裕で舟の速さに対応できているので、波が大きい時も対応できる。
そして最後に上級技、水中に氷のトンネルを作って見た、後ろから流れ込んで来る海水に押される感じで速度は出るのだが、タイミングを誤ると溺れそうで怖い、嵐の時など、特別な時限定だろう、結界船の外を三周してから戻って来た。
朝食後、客船の船長室で総勢四十人の船長達の顔合わせが有った。
全員海賊フェイスで、ホークさんは混じっても違和感が無かった。
「これは一応念の為の報告なのですが、今朝氷の幻を見たという報告が全結界船からありました。すべて一瞬で消え去ったとの報告なので、特別な形状の波が発生した物と判断しております」
「あっ、すいません、それ俺です。申し訳ありません。小型の舟を走らせてました」
「ほう、勇者殿の見回りでしたか。ご苦労様です」
ーーーーー
出航してから五日程は何事も無く平和に過ぎた、だが六日目の未明、部屋に突然警報が鳴り響き、急いで飛び起きてバルコニーに登ると船団の後ろの三隻の結界船から赤い花火が打ち上げられていた。
慌てて甲羅の舟に飛び乗り花火を打ち上げた結界船の外に出て水術と熱術で海中に感知結界を展開する。
大型の生物の群れが船団に向かって来ている、数は三十二匹、大きさは結界船と同じくらいだ。
感触からすると大型の烏賊、クラーケンの群れだ。
一匹ずつ丁寧に氷に包んで行き、氷を作った時に発生した熱も一緒に氷の内側に閉じ込めて置く。
氷の平原を作って三十二匹を並べ、急いでマリアの火術で白い花火を打ち上げて貰って、散開を始めた船団を呼び集める。
竜と違って解体は簡単なのだが、とてもじゃないが俺達だけじゃ喰い切れない。
案内された船を見てレンさんが大燥ぎしている、ホークさんやウィルさん、モニカさんとアニーさんも唖然とした顔で船を見上げている。
「この船はどうやって走らせるんだ」
ホークさんが呆れた様に小さく呟く、そう、この船には帆が無かった。
だが俺やマリアは余り驚いてはいない、木造であることを除けば、俺達にとって一番見慣れた形の客船だった。
「ほら、あそこ、海の中の船腹の下の部分、太い管が付いてるだろ、あそこの中に水術で水を流して船を進ませるんだ。この位の船を動かすには理論上水術師が千人位必要だったんだけど、大砂ミミズの皮に刻んだ連続循環刻印で魔力の循環場を形成することが発見されてから実用化されて、たしか十人位で動かせるようになった筈なんだ。実用化されてから一年も経ってない最新の技術だよ」
「良くご存じですね。確かにこの船は、この推進機術の搭載を前提にして造られた世界で五番目の船です。我が組合でも、賃金の高い熟練した船員や風術師が不要になり人件費が下がるので、順次このタイプに切り替えようと製造元のボーギング造船所に大量発注しています。正に野蛮な海運業界の構造を書き換える薔薇色の新技術と思っておりました」
客船に案内してくれているゲレン客船組合の長のマクノーラさんが眉を曇らせる。
「えっ、違うの。僕は十年もすれば帆船が無くなると思ってた」
「ええ、私もです。これは皆さま方だからご説明するのですが、先週ボーギング造船所から大鷲便が入りました。この二か月の間に、この船の前に就航した同型の船四隻がすべて港に戻って来ないで連絡を絶ってしまったそうなのです。予兆や原因が判れば教えて欲しいとの造船所からの依頼でしたが、私共も全く理由が判りません。今回責任者として私も同行いたしますので宜しくお願いします」
岸壁へと渡された幅の広い階段を登り、俺達は上の階層の部屋へと案内された、入ると正面に白い蔓草の浮き彫りが施された螺旋階段が設置されており、螺旋階段を囲む様に浴室付きの寝室が四部屋配置されいる。
螺旋階段を登ると、三百六十度が見渡せる広い厨房付きの部屋で、更に螺旋階段を登ると、遮る物が何も無い屋上バルコニーになっていた。
「昨日まで、ここは王族の方が利用されていたのですが、事情をお話して一つお隣の階層に移動して頂きました。異常が有った場合、結界船から昼間であれば狼煙、夜であれば花火を打ち上げます。小さな私共の護衛で対処可能な相手なら黄色の狼煙か花火、応援が必要な場合はオレンジ色の狼煙か花火、対処が不可能な相手と判断した場合は赤い狼煙か火花が上がりますので、船団を分散させて一斉に逃げ出します」
「分散後に安全を確認した場合の合図は」
「結界船の判断は正確です。合図の御用意はありません」
「なら、再び集合は白い煙と白い花火にするから伝えておいて、全方向敵に囲まれた場合の動くなって合図は」
「それ程の規模の魔獣の出現は例が有りませんので決めておりません」
「じゃっ、半分赤で半分白ね」
「・・・・了解しました」
船の食堂で夕食を食べた時に、船長と部屋を譲ってくれた王族に挨拶した。
メルルーレン国の隠居した国王と王妃で、感じの良い上品な人達で、御付きの者達は睨んでいたが、気にしない様に言われた。
部屋に戻って最上階の部屋で港の夜景を眺めながら酒を飲み、酔いつぶれたマリアを抱えて部屋に戻った。
部屋は一部屋余っている、アニーさんが今度は一歩も引かなかったので、ウィルさんを挟んでアニーさんとレンさんが一緒に寝ている筈だ。
その夜、俺と入れ替わったジョージは、泥酔状態を引き継いだマリアに絡まれて苦労していた。
ーーーーー
翌朝未明、船腹から魔力が唸りを上げる気配がした後、船がゆっくりと動き始めた。
裸で抱き付いているマリアを起こさない様に引き剥し、着替えて屋上のバルコニーから外を眺める。
周囲の船のマストでは船員達がきびきびと立ち働いている、船の帆が優雅に風を受けて膨らんでいる。
この船を中心に大型の客船が五隻、他の四隻の客船は三本マストの帆船だ、その周囲を二十五隻の二本マストの荷船が囲んでいる。
そしてこの船団を先導する様な形で、十隻の結界船が逆ブイ字に展開して港を出て行く。
港外に出て暫くすると、航路を右に取って鳥が翼を広げる様に結界船が左右に広がって行き、それに併せて客船と荷船も船間の間隔を広げて行く。
左右両端の結界船が徐々に速度を落とし始め、船団の背後に回り込む。
統率の取れた動きだ、マクノーラさんが信頼していると言っていた事に納得する。
ほぼ円形に展開した船団が朝日を左手に眺めながら進んで行く。
「兄ちゃんお早う。なんか頭が痛い」
マリアが起きて来た。
「少し海を走って冷たい風を浴びるか」
「うん」
マジックボックスをマリアに渡し、マリアを抱え上げてバルコニーから飛び降りる。
海面直前でマリアが甲羅の舟を取出し、二人で飛び乗る、海上に氷のレールを造り、落ちる速度を進む速さに変える。
多少波の影響を受けるものの、十分制御が可能だ。
今度は氷のトンネルを作って見る、余裕で舟の速さに対応できているので、波が大きい時も対応できる。
そして最後に上級技、水中に氷のトンネルを作って見た、後ろから流れ込んで来る海水に押される感じで速度は出るのだが、タイミングを誤ると溺れそうで怖い、嵐の時など、特別な時限定だろう、結界船の外を三周してから戻って来た。
朝食後、客船の船長室で総勢四十人の船長達の顔合わせが有った。
全員海賊フェイスで、ホークさんは混じっても違和感が無かった。
「これは一応念の為の報告なのですが、今朝氷の幻を見たという報告が全結界船からありました。すべて一瞬で消え去ったとの報告なので、特別な形状の波が発生した物と判断しております」
「あっ、すいません、それ俺です。申し訳ありません。小型の舟を走らせてました」
「ほう、勇者殿の見回りでしたか。ご苦労様です」
ーーーーー
出航してから五日程は何事も無く平和に過ぎた、だが六日目の未明、部屋に突然警報が鳴り響き、急いで飛び起きてバルコニーに登ると船団の後ろの三隻の結界船から赤い花火が打ち上げられていた。
慌てて甲羅の舟に飛び乗り花火を打ち上げた結界船の外に出て水術と熱術で海中に感知結界を展開する。
大型の生物の群れが船団に向かって来ている、数は三十二匹、大きさは結界船と同じくらいだ。
感触からすると大型の烏賊、クラーケンの群れだ。
一匹ずつ丁寧に氷に包んで行き、氷を作った時に発生した熱も一緒に氷の内側に閉じ込めて置く。
氷の平原を作って三十二匹を並べ、急いでマリアの火術で白い花火を打ち上げて貰って、散開を始めた船団を呼び集める。
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