nmmnは腐りやすい
腐敗と発酵。
どちらも腐る。
その言葉の違いは、人間にとって有害か有益かどうか。
ボーッと生きてる大人たちを叱る5歳の少女曰く、腐敗は有害で、発酵は有益、らしい。
BL作品を好む女子・男子を腐女子・腐男子という。
由来は忘れた。
僕は、ボーッと生きてたら腐男子になった。
少年漫画のファンアートを描く神絵師をフォローしていたら、タイムラインの「おすすめ」に腐った二次創作が流れてきた。
衝撃だった。こんな楽しみ方があるなんて。
僕は、子どもの頃から大好きだった正義を象徴するキャラクターの服を脱がせることができる。口を大きく開かせて、ライバルキャラクターの性器を突っ込ませることもできる。興奮した。子どもの頃の無垢な自分を汚しているような罪悪感と背徳感で胸が締め付けられた。知ってしまったら、もう戻れない、後戻りできない、中毒感がそこにはあった。
僕は、公式に迷惑をかけないようにアカウントに鍵をかけていたけれど、自分の部屋に鍵をかけていなかった。
父は、クローゼットの奥の奥の衣装ケースに詰めたはずの、初開催のオンリーで手に入れた新刊を、ワックスをかけたばかりのフローリングに叩きつけ、死んだ魚のような虚ろな目で、腐敗した人間を見た。「正気か?」と尋ねて、部屋から出た。
僕は、有害かもしれない。
腐らずに生きられたらって、初めて後悔した。
同人誌も捨てて、二次創作アカウントも消した1ヶ月後。蒸し暑いある夏の昼。森本先輩がいた。目立ってて、一軍代表みたいなキラキラした人だった。ちょっとルーが飛び散った白いワイシャツの袖をまくり、大盛りのカレーライスを目の前にして、好きなAV女優の名前を叫んでいた。
森本先輩の叫びで彩られた食堂は、「うるせーよ!森本!」「味噌汁吹いたw」と騒ぐ男子の声や、クスクスと笑う女子の声で飾りつけられる。
森本先輩ってノンケなのかな。
この人に抱かれたいな。
僕が生きてる現実で、二次創作を作りたいって思った。
森本先輩と僕の二次創作。しかも、nmmn注意。でも、ハッシュタグは一次創作。
新しいアカウントを作って、約12,000字のイケメン俺様系先輩×平凡ワンコ系後輩の高校生カップルの学園ストーリーを徹夜で打ち込んで、下書きに保存した。
何度も読んでシコって読んで目を閉じて出して、精液がこびりついた両手を組んで祈る。
朝、目覚めたら、森本先輩と僕の公式の物語になりますように。
食堂の床に落とした恋が、僕の人生にとって有益なものになりますように。
叶うはずない恋の物語の主人公は、僕で、この物語の二次創作の作者も、僕だ。
腐敗と発酵。
どちらも腐る。
どちらも僕だ。
どちらも腐る。
その言葉の違いは、人間にとって有害か有益かどうか。
ボーッと生きてる大人たちを叱る5歳の少女曰く、腐敗は有害で、発酵は有益、らしい。
BL作品を好む女子・男子を腐女子・腐男子という。
由来は忘れた。
僕は、ボーッと生きてたら腐男子になった。
少年漫画のファンアートを描く神絵師をフォローしていたら、タイムラインの「おすすめ」に腐った二次創作が流れてきた。
衝撃だった。こんな楽しみ方があるなんて。
僕は、子どもの頃から大好きだった正義を象徴するキャラクターの服を脱がせることができる。口を大きく開かせて、ライバルキャラクターの性器を突っ込ませることもできる。興奮した。子どもの頃の無垢な自分を汚しているような罪悪感と背徳感で胸が締め付けられた。知ってしまったら、もう戻れない、後戻りできない、中毒感がそこにはあった。
僕は、公式に迷惑をかけないようにアカウントに鍵をかけていたけれど、自分の部屋に鍵をかけていなかった。
父は、クローゼットの奥の奥の衣装ケースに詰めたはずの、初開催のオンリーで手に入れた新刊を、ワックスをかけたばかりのフローリングに叩きつけ、死んだ魚のような虚ろな目で、腐敗した人間を見た。「正気か?」と尋ねて、部屋から出た。
僕は、有害かもしれない。
腐らずに生きられたらって、初めて後悔した。
同人誌も捨てて、二次創作アカウントも消した1ヶ月後。蒸し暑いある夏の昼。森本先輩がいた。目立ってて、一軍代表みたいなキラキラした人だった。ちょっとルーが飛び散った白いワイシャツの袖をまくり、大盛りのカレーライスを目の前にして、好きなAV女優の名前を叫んでいた。
森本先輩の叫びで彩られた食堂は、「うるせーよ!森本!」「味噌汁吹いたw」と騒ぐ男子の声や、クスクスと笑う女子の声で飾りつけられる。
森本先輩ってノンケなのかな。
この人に抱かれたいな。
僕が生きてる現実で、二次創作を作りたいって思った。
森本先輩と僕の二次創作。しかも、nmmn注意。でも、ハッシュタグは一次創作。
新しいアカウントを作って、約12,000字のイケメン俺様系先輩×平凡ワンコ系後輩の高校生カップルの学園ストーリーを徹夜で打ち込んで、下書きに保存した。
何度も読んでシコって読んで目を閉じて出して、精液がこびりついた両手を組んで祈る。
朝、目覚めたら、森本先輩と僕の公式の物語になりますように。
食堂の床に落とした恋が、僕の人生にとって有益なものになりますように。
叶うはずない恋の物語の主人公は、僕で、この物語の二次創作の作者も、僕だ。
腐敗と発酵。
どちらも腐る。
どちらも僕だ。
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