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【39】望み★
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ユアンが寝台へ戻るとディアナは倒れるように背を向け、うつ伏せに寝ていた。騙したようで心苦しいが、これはディアナにとって唯一のチャンスなのだ。
ありったけの力を振り絞り、シーツを這うようにうつ伏せになった。もがくうちに触れてしまった胸の頂は驚くほど敏感で、シーツに擦れただけでも刺激となして身体を駆け上がる。守る様に腕で覆うと、先端は信じられないほど硬くなっていた。
これが自分の身体だと信じられない。ユアンによって造り替えられてしまったのだろうか。
「おや、背を向けてしまうのかい?」
淋しそうに言われても、ディアナは背を向けることを止めなかった。これ以上胸を刺激されたらどうなってしまうかわからない。ディアナは泣きそうな声で訴えていた。
「ユアン様は、そこばかり……意地悪を、しないで下さい」
「意地悪しているつもりはないのだけど……」
無意識だったのだろうか。だとしたら気付いてほしい。こうしているうちにも胸はじんじんと腫れてしまったように疼いている。
ディアナにとってはささやかな抵抗だった。しかしユアンにとっては恋人が可愛いことを言って拗ねているようにしか見えず、無防備な背中に魅せられ、口付けの衝動に駆られる。
「ひぁう!」
見えない場所に突然唇が触れたことで、ディアナは盛大に身体を震わせる。そんな姿が哀れに見えて、なんだか可哀想なことをしてしまった様で、ユアンは恋人の行動を許してしまった。本当はちゃんと、彼女の顔を見ながら愛したかったのだけれど。
「いいよ。きみが後ろから愛されたいというのなら、そのままでも」
「……ん、ぇ?」
「ほら、腕をついて」
後ろからする方法があるとユアンは言う。胸への刺激から逃れることが叶うならと、ディアナはわけもわからずユアンの指示に従った。
両手をついて身体を支えると、ユアンに尻を向け突きだすような格好になる。これはこれではしたないと思うが、中途半端に脱がされていたネグリジェが腰にまとわりついているおかげで大切な場所は彼の目から守られていた。
そんなディアナの心情を知らないユアンは、無防備に差し出された背中に魅了されている。けれど背を向けているディアナが獣の眼差しに気付く事はなかった。
「良い子だね」
「ひぁっ!?」
ふにふにと、布越しに尻の肉を揉まれていた。逃れたはずが、自分はとんでもない失敗を犯したのではないかと後悔する。
「――っぁ、な……で、っ!」
「ん? どうしたの? 気持ちがいい?」
「あ、やっ、わた、くしっ!」
感触を楽しむと、ユアンはするするとネグリジェをまくりあげる。羞恥を訴える間もなく割れ目を撫でられ、つぷりと指を入れられてしまった。
「あんっ――!」
抵抗を示すことなくユアンの指を受け入れた蜜口に、ディアナは愕然とする。
細かく小さな刺激を与える様に指を動かされ、身体を支えていた腕から力が抜けた。内側の壁を引っ掻くように指を曲げられると、あられもない声が上がる。
「こんなに濡らして、ずっと待っていたの?」
「あ、ごめ、なさ……」
「良いよ。もっと、感じてみせて」
「っ……ぁ?」
ユアンの指がくちゅくちゅと中をかき混ぜる。もっと、もっとと急かされるように抜き差しを行われ、抗いようもなく蜜が溢れていく。途絶えることを知らないそれはユアンの指をぐっしょりと濡らしてしまった。
「あっ、あっ――! も、らっ、め――ぁ!」
突然指を引き抜いたユアンはディアナの背に覆い被さる。潰してしまわないように力加減をしながら、すり寄るように頬へと顔を寄せた。
「随分と感じてくれたんだね」
「……ぇ……?」
唇に当てられたのはユアンの指先だ。それはびっしょりというほどに濡れていて、全てディアナが零した蜜によるものだ。彼の手を汚してしまったという事実と、感じ入るあまりに止めどなく濡らし続けた自分が恥ずかしい。
けれどユアンは怒ることなく、それどころか楽しそうに蜜を舐め取る。ふにふにとディアナの唇の感触を堪能しながら、その指を口内へと含ませた。
「んっ――!」
「これがきみの味だよ」
「っ、ぁ、ふぅ……んっ!」
指はユアンの舌と同じように口の中をかき混ぜる。けれどいつもと違ってキスをしていないユアンには冷静さがあり、自分だけが呼吸を乱してみっともない顔を晒していた。
「あぁ、良いね……きみのその表情……」
何が良いと言うのか。良いところなんてあるはずがない。否定するディアナだが、ユアンは恍惚と語る。
「とても興奮するよ」
「――ぁっ!」
硬いものが尻の肉に当たっている。驚いたディアナは腰を引くが、ユアンは自ら押しつけるように後を追った。
「やっ、ぇ――ぁ!」
昂ぶり始めた性器を背後から擦りつけられている。それは硬度を持ち、割れ目に沿ってごりごりと怖ろしい音を立てるかの様に肌を滑った。
灯りを消して戻った時、ユアンは服を脱ぎ捨てていたらしい。何の隔てもない性器とディアナの秘所が身を寄せあい、彼も興奮しているのだと教えられた。
「んぁ、やぁ……あ、あっ……!」
高められるにつれ、口に含まされた彼の指を噛んでしまわないか不安になった。
まだ挿入されていないのに蜜口はきゅうきゅうと疼き始めている。早くそこを埋めてほしい。物足りないと言っているみたいだ。いつしかディアナは誘われるように自身も腰を擦りつける様に動いていた。
「っあ! な、んで……!?」
背後から腕が回り、逃れたはずが両の手が胸をもみしだく。すぐ傍ではディアナの反応を楽しむような声がした。
「ぁ……もう、はぁ、く……んっぁ!」
どれほど攻め立てられてもあと一つ、決定的なものが与えられない。もどかしい触れ合いばかりが続き、中途半端に行き場を失くした熱が蓄積されていく。
ユアンの性器から溢れたものとディアナの愛液がは混ざりあい、一つになる瞬間を望んでいた。けれどユアンは素知らぬ顔でどうしたのと問いかけるのだ。互いに飢えているはずなのに、彼にはまだ余裕があるのだろうか。
「はぁ、く……」
早く欲しい――
すると願いが通じたのか、ぴったりとくっついていたユアンの胸が離れて行く。蜜口に当てられたのは待ち望んでいた熱だった。
「ぁっ……」
少し押しただけでは入らないような質量に腰が引ける。けれど止められてしまうことが怖くてディアナは耐え抜いた。離れてしまえば与えてもらえないかもしれない。
ユアンは先端を当てるだけで動こうとはせず、ディアナに問いかけた。
「きみはどうされたい?」
「んぁ……ぇ……?」
「言ってごらん。そうすればたくさん、愛してあげるよ」
ユアンが僅かに腰を進めると、きゅっと蜜口が収縮する。早く欲しいと待ち望む気持ちを、もう隠しておくことは出来そうにない。
「あ、ほしっ、欲しい、ですっ!」
衝動のまま口を開く。
「僕が欲しい?」
明確な言葉にされるとディアナはしきりに頷くことで望みを告げた。
「欲しい! ユアン様が、ぁ、欲しいの!」
「素直な良い子にはご褒美をあげないとね」
とびきり優しきく囁かれ、慈しむように背を撫でられた。
ありったけの力を振り絞り、シーツを這うようにうつ伏せになった。もがくうちに触れてしまった胸の頂は驚くほど敏感で、シーツに擦れただけでも刺激となして身体を駆け上がる。守る様に腕で覆うと、先端は信じられないほど硬くなっていた。
これが自分の身体だと信じられない。ユアンによって造り替えられてしまったのだろうか。
「おや、背を向けてしまうのかい?」
淋しそうに言われても、ディアナは背を向けることを止めなかった。これ以上胸を刺激されたらどうなってしまうかわからない。ディアナは泣きそうな声で訴えていた。
「ユアン様は、そこばかり……意地悪を、しないで下さい」
「意地悪しているつもりはないのだけど……」
無意識だったのだろうか。だとしたら気付いてほしい。こうしているうちにも胸はじんじんと腫れてしまったように疼いている。
ディアナにとってはささやかな抵抗だった。しかしユアンにとっては恋人が可愛いことを言って拗ねているようにしか見えず、無防備な背中に魅せられ、口付けの衝動に駆られる。
「ひぁう!」
見えない場所に突然唇が触れたことで、ディアナは盛大に身体を震わせる。そんな姿が哀れに見えて、なんだか可哀想なことをしてしまった様で、ユアンは恋人の行動を許してしまった。本当はちゃんと、彼女の顔を見ながら愛したかったのだけれど。
「いいよ。きみが後ろから愛されたいというのなら、そのままでも」
「……ん、ぇ?」
「ほら、腕をついて」
後ろからする方法があるとユアンは言う。胸への刺激から逃れることが叶うならと、ディアナはわけもわからずユアンの指示に従った。
両手をついて身体を支えると、ユアンに尻を向け突きだすような格好になる。これはこれではしたないと思うが、中途半端に脱がされていたネグリジェが腰にまとわりついているおかげで大切な場所は彼の目から守られていた。
そんなディアナの心情を知らないユアンは、無防備に差し出された背中に魅了されている。けれど背を向けているディアナが獣の眼差しに気付く事はなかった。
「良い子だね」
「ひぁっ!?」
ふにふにと、布越しに尻の肉を揉まれていた。逃れたはずが、自分はとんでもない失敗を犯したのではないかと後悔する。
「――っぁ、な……で、っ!」
「ん? どうしたの? 気持ちがいい?」
「あ、やっ、わた、くしっ!」
感触を楽しむと、ユアンはするするとネグリジェをまくりあげる。羞恥を訴える間もなく割れ目を撫でられ、つぷりと指を入れられてしまった。
「あんっ――!」
抵抗を示すことなくユアンの指を受け入れた蜜口に、ディアナは愕然とする。
細かく小さな刺激を与える様に指を動かされ、身体を支えていた腕から力が抜けた。内側の壁を引っ掻くように指を曲げられると、あられもない声が上がる。
「こんなに濡らして、ずっと待っていたの?」
「あ、ごめ、なさ……」
「良いよ。もっと、感じてみせて」
「っ……ぁ?」
ユアンの指がくちゅくちゅと中をかき混ぜる。もっと、もっとと急かされるように抜き差しを行われ、抗いようもなく蜜が溢れていく。途絶えることを知らないそれはユアンの指をぐっしょりと濡らしてしまった。
「あっ、あっ――! も、らっ、め――ぁ!」
突然指を引き抜いたユアンはディアナの背に覆い被さる。潰してしまわないように力加減をしながら、すり寄るように頬へと顔を寄せた。
「随分と感じてくれたんだね」
「……ぇ……?」
唇に当てられたのはユアンの指先だ。それはびっしょりというほどに濡れていて、全てディアナが零した蜜によるものだ。彼の手を汚してしまったという事実と、感じ入るあまりに止めどなく濡らし続けた自分が恥ずかしい。
けれどユアンは怒ることなく、それどころか楽しそうに蜜を舐め取る。ふにふにとディアナの唇の感触を堪能しながら、その指を口内へと含ませた。
「んっ――!」
「これがきみの味だよ」
「っ、ぁ、ふぅ……んっ!」
指はユアンの舌と同じように口の中をかき混ぜる。けれどいつもと違ってキスをしていないユアンには冷静さがあり、自分だけが呼吸を乱してみっともない顔を晒していた。
「あぁ、良いね……きみのその表情……」
何が良いと言うのか。良いところなんてあるはずがない。否定するディアナだが、ユアンは恍惚と語る。
「とても興奮するよ」
「――ぁっ!」
硬いものが尻の肉に当たっている。驚いたディアナは腰を引くが、ユアンは自ら押しつけるように後を追った。
「やっ、ぇ――ぁ!」
昂ぶり始めた性器を背後から擦りつけられている。それは硬度を持ち、割れ目に沿ってごりごりと怖ろしい音を立てるかの様に肌を滑った。
灯りを消して戻った時、ユアンは服を脱ぎ捨てていたらしい。何の隔てもない性器とディアナの秘所が身を寄せあい、彼も興奮しているのだと教えられた。
「んぁ、やぁ……あ、あっ……!」
高められるにつれ、口に含まされた彼の指を噛んでしまわないか不安になった。
まだ挿入されていないのに蜜口はきゅうきゅうと疼き始めている。早くそこを埋めてほしい。物足りないと言っているみたいだ。いつしかディアナは誘われるように自身も腰を擦りつける様に動いていた。
「っあ! な、んで……!?」
背後から腕が回り、逃れたはずが両の手が胸をもみしだく。すぐ傍ではディアナの反応を楽しむような声がした。
「ぁ……もう、はぁ、く……んっぁ!」
どれほど攻め立てられてもあと一つ、決定的なものが与えられない。もどかしい触れ合いばかりが続き、中途半端に行き場を失くした熱が蓄積されていく。
ユアンの性器から溢れたものとディアナの愛液がは混ざりあい、一つになる瞬間を望んでいた。けれどユアンは素知らぬ顔でどうしたのと問いかけるのだ。互いに飢えているはずなのに、彼にはまだ余裕があるのだろうか。
「はぁ、く……」
早く欲しい――
すると願いが通じたのか、ぴったりとくっついていたユアンの胸が離れて行く。蜜口に当てられたのは待ち望んでいた熱だった。
「ぁっ……」
少し押しただけでは入らないような質量に腰が引ける。けれど止められてしまうことが怖くてディアナは耐え抜いた。離れてしまえば与えてもらえないかもしれない。
ユアンは先端を当てるだけで動こうとはせず、ディアナに問いかけた。
「きみはどうされたい?」
「んぁ……ぇ……?」
「言ってごらん。そうすればたくさん、愛してあげるよ」
ユアンが僅かに腰を進めると、きゅっと蜜口が収縮する。早く欲しいと待ち望む気持ちを、もう隠しておくことは出来そうにない。
「あ、ほしっ、欲しい、ですっ!」
衝動のまま口を開く。
「僕が欲しい?」
明確な言葉にされるとディアナはしきりに頷くことで望みを告げた。
「欲しい! ユアン様が、ぁ、欲しいの!」
「素直な良い子にはご褒美をあげないとね」
とびきり優しきく囁かれ、慈しむように背を撫でられた。
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