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しおりを挟むええーーっ!ちょっと待って!何でそんことになるの?幸村家の人間ってことがそんなにマズイことなのか?
「勇人、さっき言った幸村家の人間だからというのはそういうことだ」
へ・・?ちょっと、それ理由になったない。ていうか・・主語は?
「何で幸村家の人間が狙われるの?」
狙られるのがどうこうというか、理由をはっきり聞かないと納得できない。
「そりゃあ、幸村コンツェルンが世界のトップだからだろ?」
いや、それは今更聞かなくてもわかっている。
だけど何でそれを夏樹兄さんではなく、なぜ拓也が答える?
「何、その目?何でオレが答えたのかって顔だね?」
「ああ・・」
「そりゃあ、五十嵐家が幸村コンツェルンの傘下にあるからだよ」
「は・・?何それ」
「ああ、勇人は知らなったのか。」
「あ、うん。今初めて聞いた。へえ~・・そうなんだ」
ポケッとしながら聞いた事実に只々驚くしかなかった。
「それで、ホントの理由は?」
「えーっと、そうだな。拓也が言うように世界トップということで拉致監禁のリスクが高まったのは事実だ。ではなぜわざわざそんなリスクを負ってまで公表したかというと、父さんの後継者候補を公表する義務があったからだ」
「・・後継者候補って‥今までそんな公表はしなかったはず」
「ああ、今までは、な。でも父さんが、理事長兼社長に就任したことで事態は変わった。」
「・・・・」
晴広にも夏樹にもそう言われても勇人には実感がわかなかった。庶民として暮らしてきた勇人には何かの小説のようにしか思えなかった。
「まあ、その前からオレは狙われていたけどな」
「え・・」
「そうだな。幸村は何度か誘拐されかかったことがあった」
「ええーーっ!何で・・?」
「たぶん・・身代金だろ」
「そんな・・・」
愕然とする勇人に晴広は苦笑しながら最後の言葉を告げる。
「風紀委員を解任させたのはこういう理由だ」
「でも・・」
「生徒会と違って風紀委員は外での活動が多い。時には危険なこともあるだろう」
「・・・」
悔しいが晴広兄さんと夏樹兄さんが危惧していたことは理解できた。二人ともオレを心配してくれているのだから、これ以上は何も言えなかった。
「わかったよ・・・」
こうやってオレの身辺は何かと囲まれていくような気がしてため息を吐いたのだった。
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