63 / 124
彼女が出来た
姉貴がウゼえ
しおりを挟む
「あ、祐実センパイ!お久しぶりです」
「慶子元気にしてた?まさか、慶子が貴久と一緒に居るなんてねぇ」
アネキと波多野は中学の時、バレー部の先輩と後輩という関係だ。
「いや今日は偶然に駅で会って…ちょっも色々あって、二人してここで降りて。祐実センパイこそ、何やってたんですか?」
「アタシは高校がこの近くだから、帰りにここに寄ったのよ。貴久、何でアンタまでここにいるのよ?」
あっ、そうか!
アネキはこの駅で降りて学校に通ってたんだ。
「バイト行こうとしたら、久しぶりに波多野と会って、まぁ…ここで降りてブラブラしてるだけだよ。アネキこそ何やってんだよ?」
どうも外で身内に会うのは気恥しい。
「何って、特に用は無いけど。貴久、お腹空いたからお昼食べない?慶子もいいでしょ?コイツが奢るから」
「まだバイトの給料入ってねえよ!」
「いいじゃないの、女子高生二人に囲まれてんだから、ご飯ぐらいご馳走しなさいよ」
何で、テメーの昼飯までこっちが出さなきゃなんないんだよ!
「小野っち無理しなくていいよ!
アタシ、自分の分は払うから」
「大丈夫だよ。それで、何処で食うんだよ?」
「この上の階にハンバーガーショップあるから、そこで食べよう」
「祐実センパイ、アタシ自分のは払いますから…」
「いいの、いいの!コイツこう見えてお金あるから、ご馳走になろう!さぁ行こう!」
姉は波多野の手を引っ張り、上の階に上がった。
ホント、遠慮の無ぇ姉だ…
「早くしないと、座る場所無くなっちゃうよ!ここお昼になると混むから」
階段を上り、ハンバーガーショップに着くと、姉は席を三人分確保した。
「貴久、アタシ席確保するから、チーズバーガーとポテトとコーラ頼んでおいて」
「図々しいヤツだな!ウチじゃほとんど、オレと話なんてしねーのに」
「えっ、祐実センパイと話したりしないの?」
「しねーよ。っていうか、オレあんまりウチに居ないから」
ウチにいても、ギャーギャーとうるせえだけだ。
ある意味、オフクロよりうるさい。
「ふーん…あ、小野っちアタシ自分の分は出すから、ホントにいいよ」
「あー、いいよ。ここは払うから大丈夫」
「いいよぉ~、小野っちに悪いよ!」
「じゃ、今度は波多野が払ってよ。それならいいじゃん」
物の弾みで今度って言ったけど、次も会える機会あるのか?
自分で言っておきながら、次会うかどうかも解らないのに…
「じゃあ、今度アタシが払うね」
その笑顔は、次も会えるという事でよろしいのだろうか。
「何にする?オレはダブルチーズバーガーとポテトとジンジャエールに決めた」
「じゃあ、アタシはフィレオフィッシュとサラダとアイスティで」
カウンターで注文する。
「お待たせしました」
僕は姉と自分のセットのトレイを両手に持ち席へ。
「あー、来た!これ大好物なんだよね!あれ、慶子サラダでいいの?遠慮しないでもっと頼めばよかったのに」
遠慮のないヤツだ!こんな女に、彼氏なんて出来ないだろうな。
「いや、アタシ油っぽいの控えてるから…」
「えーっ、慶子太ってないじゃん?別に痩せなくてもいいよ、ねぇ貴久?」
「弁当もサラダ中心にしてるらしいよ」
「へーっ、無理しなくてもいいのに~」
「とにかく食おう!オレも腹減った」
「じゃあ小野っち、いただきます」
食べ終わると、色々な話をした。
内容はバレー部の事で、蚊帳の外の僕は、二人の会話を黙って聞いていた。
「祐実センパイ練習の時、恐くてまともに話すこと出来なかったって、皆言ってましたよ~」
「えぇ?そうだったの?アタシ、キャプテンやってたから、どうしても厳しく言っちゃうからねぇ。泣いてた子とかいたよね?」
「ホント、練習ハードでしたもん。アタシも何度辞めようって思ったか」
そんな話を聞きながら、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
「で、貴久とはよく会ってるの?」
「そんな頻繁には会ってないよ。今日も駅でたまたま会って、ここに来たんだから」
「実は…」
波多野が、朝の満員電車の出来事を話した。
「そうだったの?まぁこんな弟だけど、仲よくやってね」
「はい、わかりました」
「何偉そうに言ってんだか…」
「うるさいわね!アンタなんか、女に相手にされないんだから!慶子、これからも貴久の事よろしくね」
「祐実センパイは彼氏とかいないんですか?」
「アタシ、今それどころじゃないんだよね。夏休みも学校に行って勉強しないと、皆に遅れちゃうのよ。貴久なんか、全く受験勉強しなかったからF高校落ちたんだけどね、キャハハハハ」
ったく、よくもまぁベラベラと…ウルセーヤツだ!
波多野だって、F高校落ちたんだぞ!
波多野を見ると、少し顔がひきつってるような…
こりゃ、話を変えよう!
「だから彼氏が出来ねえんだろが!人の事より、自分の事を心配しろよ」
「うっさいわね!今のアタシはそれどころじゃないの!アンタみたいに、バイトしてる時間すらないんだから、進学校ってのは!」
ここでブラブラしてる時間あるクセに、よく言うよ!
「慶子元気にしてた?まさか、慶子が貴久と一緒に居るなんてねぇ」
アネキと波多野は中学の時、バレー部の先輩と後輩という関係だ。
「いや今日は偶然に駅で会って…ちょっも色々あって、二人してここで降りて。祐実センパイこそ、何やってたんですか?」
「アタシは高校がこの近くだから、帰りにここに寄ったのよ。貴久、何でアンタまでここにいるのよ?」
あっ、そうか!
アネキはこの駅で降りて学校に通ってたんだ。
「バイト行こうとしたら、久しぶりに波多野と会って、まぁ…ここで降りてブラブラしてるだけだよ。アネキこそ何やってんだよ?」
どうも外で身内に会うのは気恥しい。
「何って、特に用は無いけど。貴久、お腹空いたからお昼食べない?慶子もいいでしょ?コイツが奢るから」
「まだバイトの給料入ってねえよ!」
「いいじゃないの、女子高生二人に囲まれてんだから、ご飯ぐらいご馳走しなさいよ」
何で、テメーの昼飯までこっちが出さなきゃなんないんだよ!
「小野っち無理しなくていいよ!
アタシ、自分の分は払うから」
「大丈夫だよ。それで、何処で食うんだよ?」
「この上の階にハンバーガーショップあるから、そこで食べよう」
「祐実センパイ、アタシ自分のは払いますから…」
「いいの、いいの!コイツこう見えてお金あるから、ご馳走になろう!さぁ行こう!」
姉は波多野の手を引っ張り、上の階に上がった。
ホント、遠慮の無ぇ姉だ…
「早くしないと、座る場所無くなっちゃうよ!ここお昼になると混むから」
階段を上り、ハンバーガーショップに着くと、姉は席を三人分確保した。
「貴久、アタシ席確保するから、チーズバーガーとポテトとコーラ頼んでおいて」
「図々しいヤツだな!ウチじゃほとんど、オレと話なんてしねーのに」
「えっ、祐実センパイと話したりしないの?」
「しねーよ。っていうか、オレあんまりウチに居ないから」
ウチにいても、ギャーギャーとうるせえだけだ。
ある意味、オフクロよりうるさい。
「ふーん…あ、小野っちアタシ自分の分は出すから、ホントにいいよ」
「あー、いいよ。ここは払うから大丈夫」
「いいよぉ~、小野っちに悪いよ!」
「じゃ、今度は波多野が払ってよ。それならいいじゃん」
物の弾みで今度って言ったけど、次も会える機会あるのか?
自分で言っておきながら、次会うかどうかも解らないのに…
「じゃあ、今度アタシが払うね」
その笑顔は、次も会えるという事でよろしいのだろうか。
「何にする?オレはダブルチーズバーガーとポテトとジンジャエールに決めた」
「じゃあ、アタシはフィレオフィッシュとサラダとアイスティで」
カウンターで注文する。
「お待たせしました」
僕は姉と自分のセットのトレイを両手に持ち席へ。
「あー、来た!これ大好物なんだよね!あれ、慶子サラダでいいの?遠慮しないでもっと頼めばよかったのに」
遠慮のないヤツだ!こんな女に、彼氏なんて出来ないだろうな。
「いや、アタシ油っぽいの控えてるから…」
「えーっ、慶子太ってないじゃん?別に痩せなくてもいいよ、ねぇ貴久?」
「弁当もサラダ中心にしてるらしいよ」
「へーっ、無理しなくてもいいのに~」
「とにかく食おう!オレも腹減った」
「じゃあ小野っち、いただきます」
食べ終わると、色々な話をした。
内容はバレー部の事で、蚊帳の外の僕は、二人の会話を黙って聞いていた。
「祐実センパイ練習の時、恐くてまともに話すこと出来なかったって、皆言ってましたよ~」
「えぇ?そうだったの?アタシ、キャプテンやってたから、どうしても厳しく言っちゃうからねぇ。泣いてた子とかいたよね?」
「ホント、練習ハードでしたもん。アタシも何度辞めようって思ったか」
そんな話を聞きながら、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
「で、貴久とはよく会ってるの?」
「そんな頻繁には会ってないよ。今日も駅でたまたま会って、ここに来たんだから」
「実は…」
波多野が、朝の満員電車の出来事を話した。
「そうだったの?まぁこんな弟だけど、仲よくやってね」
「はい、わかりました」
「何偉そうに言ってんだか…」
「うるさいわね!アンタなんか、女に相手にされないんだから!慶子、これからも貴久の事よろしくね」
「祐実センパイは彼氏とかいないんですか?」
「アタシ、今それどころじゃないんだよね。夏休みも学校に行って勉強しないと、皆に遅れちゃうのよ。貴久なんか、全く受験勉強しなかったからF高校落ちたんだけどね、キャハハハハ」
ったく、よくもまぁベラベラと…ウルセーヤツだ!
波多野だって、F高校落ちたんだぞ!
波多野を見ると、少し顔がひきつってるような…
こりゃ、話を変えよう!
「だから彼氏が出来ねえんだろが!人の事より、自分の事を心配しろよ」
「うっさいわね!今のアタシはそれどころじゃないの!アンタみたいに、バイトしてる時間すらないんだから、進学校ってのは!」
ここでブラブラしてる時間あるクセに、よく言うよ!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる