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退学届け
なんつー酒の弱さだっ!
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「おい、大丈夫かよ?まさか、ちょっと飲んだだけで酔っぱらうとは…」
「祐実センパイ、大丈夫?もうビールは止めて、他の飲み物にしましょうか?」
ほんの少しビールを口にしただけで、ベロベロに酔っ払ってしまうとは…
「大丈夫らって、大丈夫!貴久っ、アンタは必ずガッコ~に行くのょ…」
「ダメだこりゃ…完全に酔っぱらってら。これでウチに帰ったら、オヤジとオフクロにスゲー怒られるゎ」
「ここで酔い覚まししてから帰った方がいいね」
姉は壁にもたれ掛かりながら座って、目の焦点が定まらない。
「慶子、トイレ行きたい…連れてって~」
「あぁ、はい。じゃ、そこまで行きましょう」
波多野は姉に肩を貸して、トイレに連れていった。
参ったな…あれじゃ、ウチに帰れないよ…
あっ、そうだ!
コッチから先に連絡すればいいんだ!
店内の公衆電話でウチに連絡した。
「もしもし、母ちゃん?うん、大丈夫だよ。
今アネキと飯食いに行ってるから、少し遅くなる。
あぁ、解った解った!大丈夫だから。はいよ、それじゃね!」
オフクロに帰りが遅くなると伝えた。
姉が僕を引っ張って行ったから、心配してたのだろう。
僕が飯を食いに行ってると伝えれば少しは安心するし、姉も酔いが覚めるまで時間が掛かるだろうし。
しばらくして、姉と波多野がトイレから出てきた。
「アネキ、大丈夫なのか?」
「んー…お酒合わない体質みたいね。トイレに入ったら、戻しちゃった…」
(ゲッ!飯食ってる時に、吐いた話するなよ!)
「空いてる席で横になった方がいいかもな。すいませーん!ちょっと、空いてる席借りてもいいですか?」
「あらあら、酔っぱらっちゃったの?ダメよ慶子ちゃん、お酒なんか勧めたら~」
「オバサンごめんなさい。こんなちょっとで酔っぱらうなんて、思ってなかったから…」
「じゃあ…ほら、隣の席空いてるから椅子並べて横になった方がいいわね」
オバサンは隣の席で椅子を並べ、姉を寝かした。
「すみません…ありがとうございます」
オバサンに頭を下げた。
まるで、保護者の気分だ。
「こんな所で高校生が酔っぱらったなんて事になったら、店としても大変だからね~!
まぁ、ビール出したアタシも悪いんだけどねぇ、アハハハハ!」
そう言うと、オバサンは笑って厨房に入った。
「あ、そう言えば」
ふと思い出した。
「何?」
「波多野って、アネキとよく会ってたのか?」
「うん。帰りは一緒になる事が多かったから、よく話しはしてたよ」
「何の話してたんだ?」
「祐実センパイ、小野っちの事ばっか言ってたよ。小野っちの事が心配で心配で仕方ないって、祐実センパイこぼしてたよ」
「オレの事?ウチじゃうるさいから、ほとんど話しはしてないんだけどなあ」
温くなったビールを飲んだ。
うゎっ、温いと不味い!
「口を開けば
【貴久はちゃんと学校行ってるのかしら?】とか、
【変な遊びしてないよね?】とか、小野っちの事ばかり気にしてたわよ。
【慶子、貴久の事ヨロシク頼むね】なんて事も言われたりしたし…」
ヨロシク頼む、ってのは何だ?
何をヨロシクするんだ?
「ふーん…人の事より、自分の事心配したらどうなんだよ。さっさと彼氏でも作りゃいいんだよ」
隣の席で横になってる姉を見て、これじゃ彼氏は当分ムリかなぁと感じた。
「祐実センパイ、人気あるからね。彼氏なんて、すぐに出来ると思うんだけど」
才色兼備と言うのか、姉は?
でもあんなに口うるさい女だと、彼氏が可哀想だ。
窓の外を見ると、三日月が顔を出してる。
あまり遅くなるのも良くないし、そろそろ帰るか…
「祐実センパイ、大丈夫?もうビールは止めて、他の飲み物にしましょうか?」
ほんの少しビールを口にしただけで、ベロベロに酔っ払ってしまうとは…
「大丈夫らって、大丈夫!貴久っ、アンタは必ずガッコ~に行くのょ…」
「ダメだこりゃ…完全に酔っぱらってら。これでウチに帰ったら、オヤジとオフクロにスゲー怒られるゎ」
「ここで酔い覚まししてから帰った方がいいね」
姉は壁にもたれ掛かりながら座って、目の焦点が定まらない。
「慶子、トイレ行きたい…連れてって~」
「あぁ、はい。じゃ、そこまで行きましょう」
波多野は姉に肩を貸して、トイレに連れていった。
参ったな…あれじゃ、ウチに帰れないよ…
あっ、そうだ!
コッチから先に連絡すればいいんだ!
店内の公衆電話でウチに連絡した。
「もしもし、母ちゃん?うん、大丈夫だよ。
今アネキと飯食いに行ってるから、少し遅くなる。
あぁ、解った解った!大丈夫だから。はいよ、それじゃね!」
オフクロに帰りが遅くなると伝えた。
姉が僕を引っ張って行ったから、心配してたのだろう。
僕が飯を食いに行ってると伝えれば少しは安心するし、姉も酔いが覚めるまで時間が掛かるだろうし。
しばらくして、姉と波多野がトイレから出てきた。
「アネキ、大丈夫なのか?」
「んー…お酒合わない体質みたいね。トイレに入ったら、戻しちゃった…」
(ゲッ!飯食ってる時に、吐いた話するなよ!)
「空いてる席で横になった方がいいかもな。すいませーん!ちょっと、空いてる席借りてもいいですか?」
「あらあら、酔っぱらっちゃったの?ダメよ慶子ちゃん、お酒なんか勧めたら~」
「オバサンごめんなさい。こんなちょっとで酔っぱらうなんて、思ってなかったから…」
「じゃあ…ほら、隣の席空いてるから椅子並べて横になった方がいいわね」
オバサンは隣の席で椅子を並べ、姉を寝かした。
「すみません…ありがとうございます」
オバサンに頭を下げた。
まるで、保護者の気分だ。
「こんな所で高校生が酔っぱらったなんて事になったら、店としても大変だからね~!
まぁ、ビール出したアタシも悪いんだけどねぇ、アハハハハ!」
そう言うと、オバサンは笑って厨房に入った。
「あ、そう言えば」
ふと思い出した。
「何?」
「波多野って、アネキとよく会ってたのか?」
「うん。帰りは一緒になる事が多かったから、よく話しはしてたよ」
「何の話してたんだ?」
「祐実センパイ、小野っちの事ばっか言ってたよ。小野っちの事が心配で心配で仕方ないって、祐実センパイこぼしてたよ」
「オレの事?ウチじゃうるさいから、ほとんど話しはしてないんだけどなあ」
温くなったビールを飲んだ。
うゎっ、温いと不味い!
「口を開けば
【貴久はちゃんと学校行ってるのかしら?】とか、
【変な遊びしてないよね?】とか、小野っちの事ばかり気にしてたわよ。
【慶子、貴久の事ヨロシク頼むね】なんて事も言われたりしたし…」
ヨロシク頼む、ってのは何だ?
何をヨロシクするんだ?
「ふーん…人の事より、自分の事心配したらどうなんだよ。さっさと彼氏でも作りゃいいんだよ」
隣の席で横になってる姉を見て、これじゃ彼氏は当分ムリかなぁと感じた。
「祐実センパイ、人気あるからね。彼氏なんて、すぐに出来ると思うんだけど」
才色兼備と言うのか、姉は?
でもあんなに口うるさい女だと、彼氏が可哀想だ。
窓の外を見ると、三日月が顔を出してる。
あまり遅くなるのも良くないし、そろそろ帰るか…
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