役立たずと蔑まれ、食糧難の辺境へ追放された引きこもり令嬢、前世の経営シミュレーション知識で極寒の地を美食の都に変えてしまう

旅する書斎(☆ほしい)

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客間の扉を、私はゆっくりと開けました。
中からは、姉であるセレスティーナ様の甲高い笑い声が聞こえてきます。
その声は、このヴァインベルクの地に満ちている真面目な空気には、全く似合わない軽やかな響きを持っていました。
まるで、場違いな鳥が迷い込んできたかのようです。
「あら、お姉様。こんなに遠い場所まで、ようこそお越しくださいました」
私は、自分にできる限りで最も上品な笑みを浮かべて、そう挨拶しました。

豪華な作りのソファに、ふんぞり返るように座っていた姉様がいました。
そのセレスティーナ様が、まるで舞台の上の役者のように大げさな動きで、ゆっくりとこちらを振り返ります。
その美しい顔には、いつも通り私を見下すような色が浮かんでいました。
「まあアニエス、やっと来たのね。ずいぶんと、みすぼらしい格好ではありませんか」
姉様は、私の服装を値踏みするように眺めます。
頭の先からつま先までじろじろと見て、それから馬鹿にするように鼻で笑いました。

王都で今一番新しい流行を取り入れたのでしょう、孔雀の羽を飾ったとても派手なドレスを着ています。
その胸元には、私の生活費の何年分にもなりそうな、巨大な宝石がまぶしく輝いていました。
「まるで、田舎の働き人のようね。公爵家の娘として、恥ずかしくないのかしら」
そう言った後で、姉様はわざとらしく付け加えます。
「あら、もう辺境伯夫人でしたわね。それなら、お似合いと言えばお似合いかしら」
その言葉には、隠しきれない悪意がこもっていました。

「申し訳ありません、ちょうど厨房にいましたので。領民のための保存食の試作品を作っておりました」
私は、少しも気にせずに穏やかな声で答えました。
エプロンが汚れていることも、少しも恥ずかしいとは思いません。
その落ち着いた態度が、逆に姉様の気に障ったようです。
彼女は持っていた扇をわざとらしく広げると、隣に座るレオニール様へねっとりとした視線を向けました。
「あなた様が、ヴァインベルク辺境伯様ですわね。氷壁の狼なんて、勇ましい二つ名で呼ばれていらっしゃいますけれど」
姉様は、レオニール様のことも頭からつま先まで品定めするように見つめます。
「ずいぶんと、地味で飾り気のない方なのね。もっと、野蛮な感じの方を想像しておりましたわ」

そのあまりにも失礼な言葉に、レオニール様の眉がほんの少しだけぴくりと動きました。
彼のすぐ後ろに控えていた、護衛のゲルトさんの表情も険しくなります。
しかしレオニール様は、何も言わずに黙っていました。
きっと、私がどう対応するのかを見ているのでしょう。
「お姉様、わたくしの夫に対して、失礼な物言いはやめていただけますか」
私は、静かですけれどもはっきりとした口調で言いました。
声に、まるで氷のような冷たさを込めたつもりです。

「この方は、この土地で最も尊敬されるべき立派な方ですわ。お姉様が、王都の価値観だけで軽々しく口にして良いお方ではありません」
私の、思いがけない強い反論に姉様は少しだけ驚いた顔をしました。
まさか、地味でいつも黙って下を向いていた妹が、こんなにもはっきりと反論するとは思ってもみなかったのでしょう。
大勢の家臣が見ている前で、言い返してくるとは想像もしていなかったようです。
「まあ、ずいぶんと偉そうな口をきけるようになったじゃありませんか。辺境での暮らしは、あなたをこんなにも行儀悪くしてしまったのね」
姉様は、すぐにいつもの調子を取り戻して言い返します。
「まあ、元々あなたが行儀が良いとは、とても言えませんでしたけれど」

「いいえ、行儀が悪いのはお姉様の方ですわ。人の家を訪ねてきて、その主人にきちんとした挨拶もできないのですから」
私は、一歩も引きませんでした。
「そんな態度では、わたくしたちの実家であるヴェルフォール公爵家の教育を、疑われてしまいますわ」
「な、なんですって…!」
姉様の顔が、怒りで真っ赤に染まりました。
扇を持つ手が、わなわなと小刻みに震えています。
私は、そんな彼女の様子を冷静に観察します。
もう、昔の弱い私ではありません。
このヴァインベルクの地に来て、私は大切なものをたくさん手に入れました。
守るべき、人々とこの土地の誇りがあります。
姉様の、くだらない嫌味や悪意に心を乱される私ではないのです。

「まあまあお姉様、長い船旅でお疲れなのでしょう。さあ、どうぞお掛けになってくださいな」
私は、わざと優しい声で話しかけて、にっこりと微笑みかけました。
そして、侍女に温かいお茶を淹れさせます。
彼女の向かいにあるソファに、私はゆっくりと腰を下ろしました。
するとレオニール様が、私の隣にそっと座ってくれます。
その大きくて温かい手が、私の手を優しく握ってくれました。
大丈夫だ、とでも言うように力強い温かさが伝わってきます。
その温かさが、私の心に大きな勇気を与えてくれました。

「それで、お姉様。今日は、一体どういったご用件でいらっしゃったのですか」
私は、本題を切り出すことにしました。
「まさか本当に、わたくしの顔を見るためだけに、こんな辺鄙な場所までいらっしゃったわけではないのでしょう?」
私がそう尋ねると、姉様は扇で口元を隠してふふんと笑いました。
ようやく、いつもの余裕を取り戻したようです。
「決まっているでしょう、可愛い妹が心配で会いに来てあげたのよ。こんな、地の果てみたいな場所でちゃんと生きているのかと思ってね」
その言葉は、全く本心ではないとすぐに分かりました。
「父も母も、あなたのことをそれはそれは心配しておりましたわ」

「まあ、ご心配いただきありがとうございます。おかげさまで、わたくしは毎日とても楽しく暮らしておりますわ」
私は、笑顔でそう答えました。
「父上と母上にも、心配はいらないとよろしくお伝えくださいませ」
「あら、そうなの。食べる物もろくにないような、この寒い土地で一体何が楽しいのかしら」
姉様は、心底不思議そうな顔をしています。
「見てちょうだい、長旅でわたくしの肌もすっかり荒れてしまいましたわ。ここの水が合わないのかしら」
「ええ、この土地の食事は素朴ですけれども、とても美味しいのですよ。空気も澄んでおりますし、きっとお肌にも良いはずですわ」
私は、自信を持って答えました。
「後で、ぜひこの土地の料理を召し上がってくださいな」
私の言葉に、姉様はとても馬鹿にしたような大きな笑い声を上げました。

「カブとジャガイモのごちそうかしら、それは遠慮しておくわ。わたくし、王都から専属の料理人も連れてきておりますの」
姉様は、得意げにそう言います。
「それに、食材も一通り持参させましたわ。あなたたちにも、少しなら分けてあげてもよろしくてよ」
「まあ、それはご丁寧にどうも。ですが、きっと後悔なさいますわよ」
私は、意味深に微笑んでみせました。
「この土地でしか味わえない、最高の美味しさを知らずに帰ることになるのですから」
私の余裕のある態度が、姉様はよほど気に入らないようでした。
彼女は、悔しそうに赤い唇をきゅっと噛んでいます。

「せっかく、ここまでお越しいただいたのですから。わたくしたちの暮らしを、ぜひご覧になってくださいな」
私は、立ち上がって提案しました。
「このヴァインベルクが、今どれほど活気に満ちているかお姉様にもお見せしたいのです」
「ふん、面白いじゃありませんか。あなたの、その根拠のない自信が一体どこから来るというのか、この目で見届けてあげるわ」
姉様は、私の挑戦を受けることにしたようです。
彼女は、私がこの土地で惨めで不幸な暮らしをしていると、固く信じていました。
その、凝り固まった間違った思い込みを、木っ端微塵に打ち砕いてやりたかったのです。

「では、さっそく最高の『おもてなし』を準備いたしますわ。レオニール様、お姉様のことをお願いできますか」
私は、夫に声をかけました。
「退屈させないように、お話相手になって差し上げてください」
「ああ、任せておけ」
彼は、力強く頷いてくれました。
その深い色の目には、少しだけ楽しそうな光が浮かんでいます。
私は、二人に丁寧に一礼すると客間を後にします。
そして、まっすぐに厨房へと向かいました。

厨房では、料理長のマルタたちが心配そうな顔で私を待っています。
私の姿を見るなり、すぐに駆け寄ってきました。
「アニエス様、大丈夫でございましたか。ずいぶんと、大きな声が客間から聞こえてまいりましたが…」
「ええ、大丈夫よ。それよりもマルタ、これからお客様をおもてなしするわ」
私は、力強く宣言しました。
「腕によりをかけて、最高の料理を作るのよ。私たちの、本当の力を見せてあげるの」
私の言葉に、料理人たちの顔にぱっと活気が戻りました。
皆の目に、仕事への誇りと情熱の炎が宿ります。
「はい、アニエス様。どのようなお料理にいたしましょうか」
「ふふ、そうね。まずは、この土地でしか味わえない特別な一品から始めましょうか」
私は、いたずらっぽく微笑みます。
「地下の貯蔵庫で熟成させている、とっておきの『あれ』を使いましょう」
私は、これから始まる晩餐会のことを考えて、にやりと笑いました。

その頃、セレスティーナ様はレオニール様に城の中を案内させていました。
彼女は、見るもの全てに文句をつけています。
「なんて、殺風景でつまらない廊下なのかしら。絵画の一つも飾っていないなんて、信じられないわ」
彼女は、扇で口元を隠しながら言います。
「ヴェルフォール公爵家なら、壁一面に高名な画家の素晴らしい作品が飾られておりますのに」
「この家具も、古くて傷だらけじゃありませんか。王都の屋敷なら、すぐに捨ててしまいますわよ」
セレスティーナ様は、ため息をつきます。
「お客様を、心からもてなす気持ちというものがないのかしら」

しかし、彼女の心の中は少しずつ焦りで満たされていました。
城の中は、確かに質素です。
しかし、隅々まで綺麗に掃除されていて、とても清潔感がありました。
そして何より、すれ違う使用人たちの顔がとても明るいのです。
誰もが、自分の仕事に誇りを持っているように見えました。
それは、ヴェルフォール公爵家では決して見ることができない光景です。
あそこの使用人たちは、いつも主人の顔色をうかがって、びくびくしているだけでしたから。

彼女は、城の高い場所にある窓から城下町の様子も見ました。
そこには、活気のある人々の暮らしが広がっています。
新しく建てられたらしい、工房からは威勢の良い槌の音が聞こえてきました。
畑には、見たこともないような便利な農具を使って、楽しそうに働く農夫たちの姿が見えます。
誰もが、貧しい辺境の民とは思えないほど生き生きとしていました。
「…どういうことなの。ここは、もっと貧しくて活気のない場所のはずじゃ…」
彼女は、信じられない光景に思わず呟きます。
「飢えと厳しい寒さで、皆死んだような顔をしていると聞いていたのに」

「何か、言ったか」
隣を歩いていたレオニール様が、低い声で尋ねました。
「い、いいえ。何も。ただ、思っていたよりも少しだけ賑やかなのね、と言っただけですわ」
彼女は、慌てて首を横に振ります。
自分の知っている情報と、目の前の光景があまりにも違いすぎていました。
彼女の心の中に、言いようのない不安がもやもやと広がっていきます。

やがて、夕食の時間になりました。
セレスティーナ様は、大きな食堂へと案内されます。
長いテーブルの上には、見たこともないほどたくさんの料理が並べられていました。
湯気の立つ、温かい色のシチュー。
黄金色に美しく輝く、キノコのポタージュスープ。
色とりどりの新鮮な野菜を使ったサラダに、焼きたての良い香りがするパン。
そして、テーブルの中央に置かれた大きな銀の皿には、分厚い肉の塊が堂々と鎮座しています。
その肉からは、今まで嗅いだこともないような香ばしい匂いが漂っていました。

「…な、なんなの、これは…」
セレスティーティーナ様は、目の前の光景が全く信じられません。
「辺境の、貧しい土地でこんな素晴らしい料理が作れるわけがないわ。あなた、どこかから有名な料理人を雇ったのね」
彼女は、アニエスに向かって疑いの目を向けました。
「それとも、わたくしのために無理をして市場で高い食材を買い込んできたのかしら」
アニエスは、にっこりと優雅に微笑んで首を横に振ります。
「いいえ、お姉様。これは皆、この城の料理人たちが作ったのですよ。そして食材も、全てこの土地で採れたものですわ」
アニエスは、誇らしげに言いました。
「市場など、この辺りにはございませんもの」

「うそよ、そんなことあるわけが…!このお肉は一体何なの、見たこともないわ!」
「さあ、冷めないうちにどうぞ召し上がれ。まずは、このお肉からいかがですか」
アニエスは、そう言ってセレスティーナ様の皿に大きなステーキを取り分けました。
「きっと、驚かれると思いますわよ」
セレスティーナ様は、疑いの目を向けながらも銀のフォークを手に取ります。
そして、おそるおそるその肉を一切れ口に運びました。
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