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「聖獣復活パレード」の当日。
王都グランセルは、朝からお祭り騒ぎだった。
メインストリートの両側には、一目聖獣様を見ようと、数えきれないほどの人々が詰めかけている。
屋台も出ていて、美味しそうな匂いが漂っていた。
空は快晴。絶好のパレード日和だ。
俺たちは、王城の正門前で待機していた。
パレードの先頭は、王室近衛騎士団。
その後に、俺とレオが続く。
さらにその後ろには、リリアナ姫とクマ子たちが乗った豪華な山車(だし)が続くことになっている。
最初はリリアナ姫だけが乗る予定だったが、姫が「モフモフたちも一緒じゃなきゃ嫌です!」と駄々をこねたため、特製の巨大な山車が急遽用意されたのだ。
「すごい人出ですね。みんな楽しみにしてるんだな」
俺は少し緊張しながら、レオのたてがみを梳かしていた。
レオは、堂々と胸を張って座っている。
その白い毛並みは、今日のためにさらに念入りに磨き上げられ、太陽の光を反射して眩しいほどだ。
『ふふん。これだけの人間が、我を崇めるために集まったのか』
『悪くない気分だ』
レオは鼻を高くしている。
現金なやつだ。
『ごしゅじんさま、わたしのリボン、曲がっていませんか?』
後ろの山車から、クマ子が心配そうに声をかけてきた。
彼女の首には、リリアナ姫が選んだ特大の赤いリボンが結ばれている。
黒い毛並みに赤が映えて、とても可愛い。
「大丈夫だぞ、クマ子。世界一可愛いよ」
『キャッ! ごしゅじんさまったら!』
クマ子は嬉しそうに体をくねらせた。
山車の上では、ルビとコロ、ぷるんも、それぞれおめかしをしている。
ルビは首に花の首飾りを、コロは背中に小さなマントを、ぷるんは……頭に小さな王冠を乗せていた。
ツバサは山車の上空を旋回する係だ。
「さあ、出発の時間だ!」
ファンファーレが高らかに鳴り響いた。
重い門が開き、騎士団が行進を始める。
俺とレオも、それに続いて歩き出した。
「わあああああっ!!」
「聖獣様だ! 本当に復活されたぞ!」
「真っ白だ! 神々しい!」
「隣にいるのは誰だ? あの若い男が手なずけているのか!?」
沿道から、割れんばかりの歓声が上がった。
紙吹雪が舞い散る中、俺たちはゆっくりと進んでいく。
俺は笑顔で手を振った。
動物園のパレードでも、笑顔とお手振りは基本だ。
レオも、時々「ガウッ」と軽く吠えて、サービスをしている。
そのたびに「キャーッ!」という悲鳴と歓声が上がった。
『ユウ、人気者だね!』
『わたしも手を振る!』
ルビが山車の上から、短い手を一生懸命振っている。
コロも「わふっ!」と吠えて愛想を振りまく。
その愛らしい姿に、観客たちはメロメロだ。
「なんて可愛いトカゲちゃんなんだ!」
「あの子犬も賢そうだぞ!」
「あの巨大な黒い熊……リボンが似合っててキュートだわ!」
どうやら、俺の家族たちは王都の人々にも受け入れられたようだ。
よかった。
魔物だからと怖がられるのが一番心配だったが、これなら大丈夫そうだ。
リリアナ姫も、山車の上から優雅に手を振っている。
その膝にはぷるんが乗っていて、時々ぷるぷると震えている。
パレードは順調に進み、大通りの中ほどにある広場に差し掛かった。
ここは一番人が多く集まる場所だ。
熱気も最高潮に達している。
その時だった。
ヒヒィィィン!!
突然、前方で馬のいななきが響いた。
パレードの先頭を行く騎士団の馬が、何かに驚いて暴れ出したのだ。
一頭が暴れると、周りの馬もパニックになり、連鎖的に暴走を始めた。
「ど、どうした!?」
「馬が! 言うことを聞かん!」
「暴れ馬だ! 逃げろ!」
騎士たちが必死に手綱を引くが、興奮した馬たちは止まらない。
その中の一頭、ひときわ大きな黒馬が、制御を振り切って観客席の方へと突っ込んでいった。
そこには、逃げ遅れた小さな子供が立ち尽くしていた。
「危ない!!」
俺が叫ぶのと、レオが動くのは同時だった。
レオは俺を背中に乗せると、弾丸のように飛び出した。
一瞬で距離を詰め、暴走する馬と子供の間に割って入る。
『止まれぇぇぇッ!!』
レオが凄まじい咆哮を上げた。
それは単なる大声ではない。
聖獣としての威圧、王者の覇気が込められた一撃だ。
空気がビリビリと震え、周囲の音が消えた。
ヒィッ……!
暴走していた黒馬は、目の前に現れた圧倒的強者の姿に、完全に腰を抜かした。
急ブレーキをかけ、その場にへたり込む。
他の馬たちも、レオの一喝で正気を取り戻し、ブルブルと震えて立ち止まった。
「……た、助かった……」
子供の母親が、泣きながら子供を抱きしめた。
広場は一瞬の静寂の後、爆発的な歓声に包まれた。
「すげぇぇぇ!!」
「一吠えで暴れ馬を止めたぞ!」
「さすが聖獣様だ! 我らを守ってくださった!」
「そして、あの背中に乗っている男……あいつが指示を出したのか!?」
俺はレオの首をポンポンと叩いた。
「よくやったな、レオさん。かっこよかったぞ」
『フン。聖獣たるもの、これくらい造作もない』
『それに……あの子を守りたかったのだ』
レオは少し照れくさそうに鼻を鳴らした。
その時、後ろの山車から殺気が放たれた。
『ごしゅじんさま! わたしの出番を奪いましたね!』
『わたしだって、あの馬くらい小指一本で止められましたのに!』
クマ子が悔しそうに地団駄を踏んでいる。
山車がグラグラと揺れて、リリアナ姫が「きゃあ!」と声を上げた。
「こら、クマ子! 揺らすな!」
「お前の優しさは分かってるから、今は大人しくしてろ」
俺が注意すると、クマ子は「むぅ」と唇を尖らせた(熊だけど)。
パレードは再開され、俺たちはさらなる熱狂の中で王城へと戻った。
この一件で、レオの人気は不動のものとなり、俺の評価も「聖獣を乗りこなす英雄」として決定づけられてしまった。
ただの飼育員だと言っても、もう誰も信じてくれそうにない。
パレード終了後。
俺たちは王城の庭園で休憩していた。
みんな、興奮と疲れでぐったりしているかと思いきや、まだまだ元気いっぱいだ。
「楽しかったー! またやりたい!」
「みんなが見てて、ドキドキした!」
ルビとコロが走り回っている。
そこへ、一人の老人が近づいてきた。
立派な服を着た、品の良さそうな老人だ。
後ろには、数人の従者を連れている。
「失礼いたします。あなたが、噂のユウ様ですな?」
「はい、ユウですが。どちら様でしょうか?」
「私は、この国で公爵をしております、ベルンシュタインと申します」
「実は、あなた様に折り入って相談がありましてな」
公爵?
偉い貴族の人だ。
そんな人が、俺に何の用だろう。
「相談、ですか?」
「はい。今日のパレードでの、見事な手綱さばきと、魔獣たちの落ち着き様……」
「あれを拝見して、確信いたしました」
「あなた様なら、私の『悩み』を解決してくださるのではないかと」
ベルンシュタイン公爵は、すがるような目で俺を見た。
「実は、私が飼っているペットのことでして……」
「最近、どうも元気がなくて、困り果てているのです」
「どうか、一度見てはいただけないでしょうか?」
ペットの悩み。
それなら、俺の専門分野だ。
飼育員として、困っている動物を見過ごすわけにはいかない。
「分かりました。どんな動物なんですか?」
俺が尋ねると、公爵は少し言い淀んでから、答えた。
「……コカトリスです」
「コカトリス!?」
コカトリスといえば、石化の邪眼を持つという、危険な魔物だ。
それをペットにしているとは、この国の貴族もなかなかファンキーだ。
「分かりました。診察に行きましょう」
こうして、俺の王都での新しい仕事、「貴族のペット相談」が始まることになった。
王都グランセルは、朝からお祭り騒ぎだった。
メインストリートの両側には、一目聖獣様を見ようと、数えきれないほどの人々が詰めかけている。
屋台も出ていて、美味しそうな匂いが漂っていた。
空は快晴。絶好のパレード日和だ。
俺たちは、王城の正門前で待機していた。
パレードの先頭は、王室近衛騎士団。
その後に、俺とレオが続く。
さらにその後ろには、リリアナ姫とクマ子たちが乗った豪華な山車(だし)が続くことになっている。
最初はリリアナ姫だけが乗る予定だったが、姫が「モフモフたちも一緒じゃなきゃ嫌です!」と駄々をこねたため、特製の巨大な山車が急遽用意されたのだ。
「すごい人出ですね。みんな楽しみにしてるんだな」
俺は少し緊張しながら、レオのたてがみを梳かしていた。
レオは、堂々と胸を張って座っている。
その白い毛並みは、今日のためにさらに念入りに磨き上げられ、太陽の光を反射して眩しいほどだ。
『ふふん。これだけの人間が、我を崇めるために集まったのか』
『悪くない気分だ』
レオは鼻を高くしている。
現金なやつだ。
『ごしゅじんさま、わたしのリボン、曲がっていませんか?』
後ろの山車から、クマ子が心配そうに声をかけてきた。
彼女の首には、リリアナ姫が選んだ特大の赤いリボンが結ばれている。
黒い毛並みに赤が映えて、とても可愛い。
「大丈夫だぞ、クマ子。世界一可愛いよ」
『キャッ! ごしゅじんさまったら!』
クマ子は嬉しそうに体をくねらせた。
山車の上では、ルビとコロ、ぷるんも、それぞれおめかしをしている。
ルビは首に花の首飾りを、コロは背中に小さなマントを、ぷるんは……頭に小さな王冠を乗せていた。
ツバサは山車の上空を旋回する係だ。
「さあ、出発の時間だ!」
ファンファーレが高らかに鳴り響いた。
重い門が開き、騎士団が行進を始める。
俺とレオも、それに続いて歩き出した。
「わあああああっ!!」
「聖獣様だ! 本当に復活されたぞ!」
「真っ白だ! 神々しい!」
「隣にいるのは誰だ? あの若い男が手なずけているのか!?」
沿道から、割れんばかりの歓声が上がった。
紙吹雪が舞い散る中、俺たちはゆっくりと進んでいく。
俺は笑顔で手を振った。
動物園のパレードでも、笑顔とお手振りは基本だ。
レオも、時々「ガウッ」と軽く吠えて、サービスをしている。
そのたびに「キャーッ!」という悲鳴と歓声が上がった。
『ユウ、人気者だね!』
『わたしも手を振る!』
ルビが山車の上から、短い手を一生懸命振っている。
コロも「わふっ!」と吠えて愛想を振りまく。
その愛らしい姿に、観客たちはメロメロだ。
「なんて可愛いトカゲちゃんなんだ!」
「あの子犬も賢そうだぞ!」
「あの巨大な黒い熊……リボンが似合っててキュートだわ!」
どうやら、俺の家族たちは王都の人々にも受け入れられたようだ。
よかった。
魔物だからと怖がられるのが一番心配だったが、これなら大丈夫そうだ。
リリアナ姫も、山車の上から優雅に手を振っている。
その膝にはぷるんが乗っていて、時々ぷるぷると震えている。
パレードは順調に進み、大通りの中ほどにある広場に差し掛かった。
ここは一番人が多く集まる場所だ。
熱気も最高潮に達している。
その時だった。
ヒヒィィィン!!
突然、前方で馬のいななきが響いた。
パレードの先頭を行く騎士団の馬が、何かに驚いて暴れ出したのだ。
一頭が暴れると、周りの馬もパニックになり、連鎖的に暴走を始めた。
「ど、どうした!?」
「馬が! 言うことを聞かん!」
「暴れ馬だ! 逃げろ!」
騎士たちが必死に手綱を引くが、興奮した馬たちは止まらない。
その中の一頭、ひときわ大きな黒馬が、制御を振り切って観客席の方へと突っ込んでいった。
そこには、逃げ遅れた小さな子供が立ち尽くしていた。
「危ない!!」
俺が叫ぶのと、レオが動くのは同時だった。
レオは俺を背中に乗せると、弾丸のように飛び出した。
一瞬で距離を詰め、暴走する馬と子供の間に割って入る。
『止まれぇぇぇッ!!』
レオが凄まじい咆哮を上げた。
それは単なる大声ではない。
聖獣としての威圧、王者の覇気が込められた一撃だ。
空気がビリビリと震え、周囲の音が消えた。
ヒィッ……!
暴走していた黒馬は、目の前に現れた圧倒的強者の姿に、完全に腰を抜かした。
急ブレーキをかけ、その場にへたり込む。
他の馬たちも、レオの一喝で正気を取り戻し、ブルブルと震えて立ち止まった。
「……た、助かった……」
子供の母親が、泣きながら子供を抱きしめた。
広場は一瞬の静寂の後、爆発的な歓声に包まれた。
「すげぇぇぇ!!」
「一吠えで暴れ馬を止めたぞ!」
「さすが聖獣様だ! 我らを守ってくださった!」
「そして、あの背中に乗っている男……あいつが指示を出したのか!?」
俺はレオの首をポンポンと叩いた。
「よくやったな、レオさん。かっこよかったぞ」
『フン。聖獣たるもの、これくらい造作もない』
『それに……あの子を守りたかったのだ』
レオは少し照れくさそうに鼻を鳴らした。
その時、後ろの山車から殺気が放たれた。
『ごしゅじんさま! わたしの出番を奪いましたね!』
『わたしだって、あの馬くらい小指一本で止められましたのに!』
クマ子が悔しそうに地団駄を踏んでいる。
山車がグラグラと揺れて、リリアナ姫が「きゃあ!」と声を上げた。
「こら、クマ子! 揺らすな!」
「お前の優しさは分かってるから、今は大人しくしてろ」
俺が注意すると、クマ子は「むぅ」と唇を尖らせた(熊だけど)。
パレードは再開され、俺たちはさらなる熱狂の中で王城へと戻った。
この一件で、レオの人気は不動のものとなり、俺の評価も「聖獣を乗りこなす英雄」として決定づけられてしまった。
ただの飼育員だと言っても、もう誰も信じてくれそうにない。
パレード終了後。
俺たちは王城の庭園で休憩していた。
みんな、興奮と疲れでぐったりしているかと思いきや、まだまだ元気いっぱいだ。
「楽しかったー! またやりたい!」
「みんなが見てて、ドキドキした!」
ルビとコロが走り回っている。
そこへ、一人の老人が近づいてきた。
立派な服を着た、品の良さそうな老人だ。
後ろには、数人の従者を連れている。
「失礼いたします。あなたが、噂のユウ様ですな?」
「はい、ユウですが。どちら様でしょうか?」
「私は、この国で公爵をしております、ベルンシュタインと申します」
「実は、あなた様に折り入って相談がありましてな」
公爵?
偉い貴族の人だ。
そんな人が、俺に何の用だろう。
「相談、ですか?」
「はい。今日のパレードでの、見事な手綱さばきと、魔獣たちの落ち着き様……」
「あれを拝見して、確信いたしました」
「あなた様なら、私の『悩み』を解決してくださるのではないかと」
ベルンシュタイン公爵は、すがるような目で俺を見た。
「実は、私が飼っているペットのことでして……」
「最近、どうも元気がなくて、困り果てているのです」
「どうか、一度見てはいただけないでしょうか?」
ペットの悩み。
それなら、俺の専門分野だ。
飼育員として、困っている動物を見過ごすわけにはいかない。
「分かりました。どんな動物なんですか?」
俺が尋ねると、公爵は少し言い淀んでから、答えた。
「……コカトリスです」
「コカトリス!?」
コカトリスといえば、石化の邪眼を持つという、危険な魔物だ。
それをペットにしているとは、この国の貴族もなかなかファンキーだ。
「分かりました。診察に行きましょう」
こうして、俺の王都での新しい仕事、「貴族のペット相談」が始まることになった。
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