希望の黒 〜狼の館から連れ出せ〜

番傘と折りたたみ傘

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好きな子のものは何でも好き!

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 神の足元に跪く様に座った俺は、彰を見上げた。少し不安そうなその表情さえも愛おしい。

「あきちゃん、好きだよ」

 そう伝えて、柔らかな唇とキスがしたくて体を伸ばし触れるだけのキスを落とした。

 何かを考えて腑に落ちないように首を傾げた彰。

 俺以外のことを考えて欲しくなくて、彰の陰茎にキスを落とした。それから、根元から亀頭まで裏筋を舌先で舐め上げた。

 びくりと反応する体と陰茎。そっと、見上げると俺のする事を恐々と見ている彰と目が合った。その顔を見ながら亀頭にキスを落とし、ゆっくりと咥え込んだ。口を少し窄ませ、舌で裏筋を刺激するように上下に動かした。

「いやぁ、あ、あ、んん、ん、あぁ!」

 甘い喘ぎを聞きながら、亀頭の先から溢れる雫に夢中になった。彰のものならカウパー液でもなんでも甘く美味しいと思えた。

 そうだ! さっきは飲み損なった白濁を飲んでみたい。彰の精液……。きっと美味しいに違いない。
 彰をイかせようと、咥えきれない部分の竿を手で上下に扱いた。口の中で大きく固くなっていく陰茎。イくのを耐えているのか震える太腿。もう少しで彰はイく。そう確信した俺は、口を窄ませて啜った。

「ふあぁぁぁぁぁ!」

 一段と高い喘ぎ声が聞こえたと思ったその時。口の中の彰の陰茎が大きく膨らみ、勢いよく何かを吐き出してきた。熱いそれを口で受け止める。この屋敷に連れてこられてから何度もイかされた彰の白濁は少し少なめだった。それでも彰の白濁。亀頭の先に吸いつき尿道に残る白濁を啜った。

 口の中にある彰の白濁を味わう。苦くイカ臭い筈のそれは、甘く花の蜜のように思えた。美味しい……なんでこんなにも美味しいんだ。俺の味覚がおかしくなったのか。それとも、彰の白濁がおかしいのか、良く分からない。それでも、大好きな彰のものはなんでも飲み干したいと思った。

 こくりと飲み込むと、愛おしさが込み上げてきた。
 もっと飲みたいと思ったその時。

 顔を真っ赤にした彰と目が合った。羞恥なのか怒りなのか分からないが、多分両方だろうなと推測した。

「吐き出せよ! そんな苦いもの飲むな!」

 俺の推測は当たっていたようだ。怒ってもいて恥ずかしがってもいる。可愛い……。

「え? 何で? あきちゃんの精液、美味いよ。もっと飲みたいくらいだよ!」

「ふざけるな!」

 事実を言ったが、信じて貰えなかったようだ。

「ふざけてないって。それなら、もう一度飲もうかな!」

 そう言いながら、彰の陰茎に手を添えて口に含もうとした時に頭に衝撃を受けた。

「いて!」

「やめろ!」

 どうやら、拳骨を喰らったようだ。いつもなら気配でかわせるのに、彰の可愛さに意識が向いていたからかも知れない。

「そんな事言って、恥ずかしがり屋さんなんだから。そんなあきちゃんも可愛い!」

 頬を赤らめて怒っている彰が愛おしくて堪らなくなった俺はそっと抱き締めた。甘い陽だまりの香りを堪能する。この良い香りにこのまま呑まれてしまいたい。

 柔らかな体を抱きしめているだけで、期待に勃ち上がった屹立が苦しげにスーツの股間部分を押し上げた。
 挿れたい……。熱く屹立をぎゅぎゅっと健気に締め付ける可愛い孔。
 繋がりたいという思いを彰に伝える為に、萎えた彰の陰茎に擦り付けた。

「あぁ!」

 過敏になった陰茎にスーツの生地は刺激が強かったかもしれない。それでも、快楽を拾ってくれている様で嬉しくなった。

「それじゃ、次は俺の番ね」

 ソファの背もたれに寄り掛からせて、閉じていた彰の両足をそっと開く。

 その光景を見て恥ずかしいのか、涙目になった彰。その姿も愛らしくて堪らない。ポケットに仕込ませていたローションを取り出し、指に絡ませて彰の孔に二本挿入する。ぐちゅぐちゅと水音が部屋に響き渡る。

「うぁ、あ、んん、ん」

 俺の手で気持ち良くなって欲しい。彰の前立腺を探り当て、指をくいくいと曲げながら刺激していく。

 俺の指の動きに合わせて喘ぎながら腰を揺らす彰。本人も気づいていないのだろう。それを指摘すれば、泣いてしまうかもしれない。
 だが、俺の手で気持ち良さげにしているのに、そんな野暮なことはしない。泣かせたい訳じゃない。ドロドロに蕩けさせてしまって、俺無しじゃいられない様にしてしまいたい。

 可愛い彰が欲しい。

「可愛い、もう俺の物にしちゃいたい。」

 願望を口にしてしまった。
 彰を連れて帰りたい。俺の家で一緒に住みたい。あぁ、でも大地もいるのかぁ。どうしようか、新居でも買って二人で住むもの良いかなと思っていると、場違いな扉が開く音が聞こえて来た。体をぴくりと震わせた彰に覆い被さった。

 誰であろうと今の可愛い彰を見せたくなかった。これが兄さん達なら尚更嫌だった。

 ソファの背もたれから顔を出して見ると扉の前に立っていたのは大地だった。

「何だ、大地か」

「何だとは何だよ。それに今。もしかして、あきくんとヤってる?」

「悪いか」

「別にいいよ。俺も混ざるから」

 なに! 混ざるだと!! 俺が今彰と致しているというのに! 
 遠慮知らずの弟を初めて恨んだかもしれない。

 俺達の会話を静かに聞いていた彰が、突然俺の腕から逃れようと暴れ始めた。

「無理!! 離し、あぁ、ん」

 暴れ始めた彰を大人しくさせる為に、孔に挿入したままだった指を動かした。折角ここまで良い感じに解れて可愛く頬を染めていた彰を逃したくない。独り占めしたいけど、仕方がない。兄さん達じゃないし、大地だから許そうか。

「仕方ねぇ、俺が始めだからな」

 ただし、一番は譲らない! 

「分かってる」

 こうして3Pは始まった。
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