29 / 84
第二十九話 緊張してくるわたし
しおりを挟む
わたしは今、殿下に提供された部屋のベッドの上に座っている。
先程風呂に行き、体を洗った。
そして、湯船の中で体の疲れを癒してきた。
少し疲れがとれた気がする。
これから殿下と二人で食事をする。
殿下に失礼のないように、体を念入りに洗ったつもりだ。
殿下に好きになってもらえるように。
いつでも、殿下のお求めに応えられるように。
誰もが経験するお父様との触れ合いは別として、異性とは、手をつなぐことまでしかしたことのないわたし。
殿下とも、まだ手をつないだだけだ。
それより先の世界に進んで行きたいという気持ちは強いが、経験が全くないので、怖いところもある。
しかし、わたしは、殿下に心がどんどん傾いてきている。
殿下がお求めになれば、この身を捧げていきたいと思っている。
こう思ってきて、わたしは、恥ずかしい気持ちになってきた。
いや、何を期待しているのだろう。
まだ出会ったばかりなのに、殿下がわたしをいきなり求めるわけはない。
これは、女性としての身だしなみだ。
とはいっても、ついつい期待をしてしまう。
それとともに、だんだん緊張してきてきた。
わたしは、お父様以外の異性と面と向かってきちんと話すことは、経験がある方ではない。
ルアンソワ様は、わたしと話すことが好きではなかったので、そういう機会はそれほど多くはなかった。
話がうまくできなくて嫌われたらどうしょう。
話のリード自体は殿下がしてくれると思う。
でもそれに甘えていると、
「あなたと話をしていてもつまらない。もう話をしたくないし、会いたくない」
と言われてしまうかもしれない。
そして、わたしは着替えをしたものの。今まできていた旅行用の服と種類は同じだ。
殿下と食事をするのに、この服では失礼になると思う。
とは言っても、わたしはドレスを持っていない。
リランテーヌ家を追放されたわたしには用がないものだと思っていたし、荷物としても多くなるので、持ってこなかった。
ドレスを着て殿下と食事をしたかった。残念だ。
でも服で嫌われることはないとは思うのだけど……。
わたしは、ルアンソワ様に婚約を破棄されてしまった。
その為だろう。
殿下についても、わたしのことを嫌ってしまうのではないか、と思ってしまう。
しかし、殿下はそういう人ではないという気持ちも強くなってきていた。
あれだけわたしに気配りをしてくれた人だ。
話がつまらないから、服がドレスではないからと言って、すぐ嫌いになることはないとはないと思うのだけど……。
とにかく一生懸命話そう。
それでも嫌われるのであればあきらめるしかないと思う。
いろいろ悩んでもしょうがない。前に進むだけだ。
そう思っていると、ドアがノックされた。
わたしがドアを開けると、側近の一人がいた。
今日の戦いで、殿下に言われてわたしを守り、わたしたちの宿屋の手配をしていた人。
戦いを中心にしている側近と、ここにいる身の回りの世話をする側近。
どちらも二十台後半のようだが、優秀な人たちのようだ。
「お嬢様、お食事の時間です」
側近はそう伝えてくる。
「ありがとうございます」
「ご準備ができているようでしたら、お食事のお席にご案内いたします」
「申し訳ありませんが、少しだけお待ちください」
わたしは、一回部屋の中へ行き、身だしなみをもう一度整えると部屋の外に出た。
「ではお願いします」
「かしこまりました」
わたしたちは、食事する場所へ向かっていく。
殿下といい食事をして、仲良くなっていくことができますように。
わたしはそう願った。
先程風呂に行き、体を洗った。
そして、湯船の中で体の疲れを癒してきた。
少し疲れがとれた気がする。
これから殿下と二人で食事をする。
殿下に失礼のないように、体を念入りに洗ったつもりだ。
殿下に好きになってもらえるように。
いつでも、殿下のお求めに応えられるように。
誰もが経験するお父様との触れ合いは別として、異性とは、手をつなぐことまでしかしたことのないわたし。
殿下とも、まだ手をつないだだけだ。
それより先の世界に進んで行きたいという気持ちは強いが、経験が全くないので、怖いところもある。
しかし、わたしは、殿下に心がどんどん傾いてきている。
殿下がお求めになれば、この身を捧げていきたいと思っている。
こう思ってきて、わたしは、恥ずかしい気持ちになってきた。
いや、何を期待しているのだろう。
まだ出会ったばかりなのに、殿下がわたしをいきなり求めるわけはない。
これは、女性としての身だしなみだ。
とはいっても、ついつい期待をしてしまう。
それとともに、だんだん緊張してきてきた。
わたしは、お父様以外の異性と面と向かってきちんと話すことは、経験がある方ではない。
ルアンソワ様は、わたしと話すことが好きではなかったので、そういう機会はそれほど多くはなかった。
話がうまくできなくて嫌われたらどうしょう。
話のリード自体は殿下がしてくれると思う。
でもそれに甘えていると、
「あなたと話をしていてもつまらない。もう話をしたくないし、会いたくない」
と言われてしまうかもしれない。
そして、わたしは着替えをしたものの。今まできていた旅行用の服と種類は同じだ。
殿下と食事をするのに、この服では失礼になると思う。
とは言っても、わたしはドレスを持っていない。
リランテーヌ家を追放されたわたしには用がないものだと思っていたし、荷物としても多くなるので、持ってこなかった。
ドレスを着て殿下と食事をしたかった。残念だ。
でも服で嫌われることはないとは思うのだけど……。
わたしは、ルアンソワ様に婚約を破棄されてしまった。
その為だろう。
殿下についても、わたしのことを嫌ってしまうのではないか、と思ってしまう。
しかし、殿下はそういう人ではないという気持ちも強くなってきていた。
あれだけわたしに気配りをしてくれた人だ。
話がつまらないから、服がドレスではないからと言って、すぐ嫌いになることはないとはないと思うのだけど……。
とにかく一生懸命話そう。
それでも嫌われるのであればあきらめるしかないと思う。
いろいろ悩んでもしょうがない。前に進むだけだ。
そう思っていると、ドアがノックされた。
わたしがドアを開けると、側近の一人がいた。
今日の戦いで、殿下に言われてわたしを守り、わたしたちの宿屋の手配をしていた人。
戦いを中心にしている側近と、ここにいる身の回りの世話をする側近。
どちらも二十台後半のようだが、優秀な人たちのようだ。
「お嬢様、お食事の時間です」
側近はそう伝えてくる。
「ありがとうございます」
「ご準備ができているようでしたら、お食事のお席にご案内いたします」
「申し訳ありませんが、少しだけお待ちください」
わたしは、一回部屋の中へ行き、身だしなみをもう一度整えると部屋の外に出た。
「ではお願いします」
「かしこまりました」
わたしたちは、食事する場所へ向かっていく。
殿下といい食事をして、仲良くなっていくことができますように。
わたしはそう願った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
86
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる