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第二十章
第四話 コーウ! いったいどうした! クッ俺まで
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~レオ視点~
俺ことレオは、襲ってくる敵兵を次々と倒す。
「今日は調子が良いぜ!」
「やるな、レオ。さすが俺を倒した男だぜ」
俺と同じバーサーク部隊にいるコーウが、俺を褒める。
当たり前だ。いつまでもシロウに差をつけられてたまるかよ。あいつに敗北して以来、俺は親父から地獄のような特訓を受けた。
今の俺は、あのときの俺を凌駕している。
俺は強くなったんだ!
「食らえ! 一閃突き!」
技を放つと、敵兵たちは次々と吹き飛ばれていく。
「俺も負けていられない。おりゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
コーウは義手に魔力を送ったようで、腕から四本の刃が現れる。
彼が前方に走る度に、敵兵は次々と斬られていった。
コーウも中々やるじゃないか。面白くなってきた。
「コーウ、どっちが多くの敵を倒せるか、勝負をしないか」
「おう良いぜ。どうせ俺が勝つだろうがな」
「それはどうかな」
俺は剣を水平に構えると、一閃突きを放つ。
「俺に倒されたいやつは前に出て来い! このレオが相手になってやる」
「へぇーなら、あたしの相手をしてくれるかしら」
この声は女か? 女が相手だと本気になれそうもないが、まぁいい。すぐに倒して俺のスコアに加算させてやる。
女の声が聞こえ、声がした方に顔を向ける。
嘘だろう。どうしてお前が戦場にいるんだよ。
俺の前に現れたのは、金髪ロングで手には鞭を握っている女だった。
「どうして、ここに女王メイがいやがる!」
「どうしてって、別に良いじゃない。大将が戦場に出てはダメという決まりはないわ」
女王メイがニヤリと笑みを浮かべると、足を下げて一歩交代する。
落ち着け、あまりにも意外だったせいで驚いてしまったが、考え方によっては大手柄を上げることができる。
この女を倒せば、シロウの活躍を奪うことができる。あいつにちょっとしたざまぁができるというわけだ。
そう考えれば、俄然やる気が出てくる。だけど、相手はまともに護衛をつけないで俺たちバーサーク部隊に立ち向かおうとしている。油断は決してできない。
「コーウ、お前も手伝え! 二人でこの女を倒すぞ」
「分かった。俺たちのコンビネーションを見せようではないか」
「あら、二対一で足りるの? あたしを倒そうとするなら、もっと必要なんじゃないの?」
女王メイの言葉に、イラッとした。
「俺たちをバカにするな! お前なんか、俺とコーウがいれば瞬殺だ!」
「そう、なら宣言して上げるわ。瞬殺されるのはあなたたちの方よ」
「その言葉そのまま返してやるぜ!」
俺とコーウは同じタイミングで地を蹴り、跳躍して剣を振り下ろす。
さぁ、これで終わりだ! くっ、こんなタイミングで目にゴミが入りやがった。
急に目に痛みを感じ、瞼を閉じる。
「女王を見たものは、いかなるものでも下僕になる。くらいなさい。メイちゃんビーム!」
くそう。あの女は何かしやがった。
地面に着地した俺は、目が痛いのを我慢して瞼を開ける。
俺の攻撃は目測を誤っていたが、コーウの腕から生えた刃は、彼女の首に触れようとしていた。
しかし、彼はそこから腕を振って、彼女の首を刎ねようとはしなかった。
「おい、コーウ! どうしてそのまま首を刎ねない!」
声を上げて彼に問い詰めると、コーウはメイ女王の首から刃は離し、一歩下がった。
「メイ女王最高! 萌え萌え!」
はぁ?
「メイ女王に踊りを捧げます」
突然コーウは奇妙な踊りを始めた。腕を左右に動かしたり、首を左右に動かしたりなど、動きが激しい。
「本当にいい子ね。コーウと言ったかしら? あなたはあたしの何?」
「俺は、女王メイ様の忠実なる下僕であります」
「おい、コーウ! ふざけるなよ!」
「その言葉は俺のセリフだ! 女王メイ様の御前であるぞ。頭が高い!」
本当にどうしてしまったんだよ。
「お前! 俺たちを裏切る気なのか!」
「裏切るも何も、俺は最初から女王メイ様の忠実なる下僕なのだが!」
「ふざけやがって! 最初から俺を騙していたのかよ!」
ライバルであり、唯一腕を競え合える仲間だと思っていたのに、最初から女王メイの手下だったってわけか。
「もういい! お前もろとも女王メイを斬ってやる。食らえ! 大切斬!」
地を蹴って跳躍をすると、剣を振り下ろした。
しかし、俺の技はコーウの腕から生えた刃に防がれてしまう。
「あたしを守ってくれるなんて、なんていい子なのかしら。気に入ったわ。そっちのレオもなかなか使えそうだし、そのまま押さえつけていてね」
「仰せのままに、女王メイ様!」
くそう。このままやられてたまるか!
コーウの刃を弾き、後方に跳躍して距離を開ける。
「離れてもムダよ! 女王を見たものは、いかなるものでも下僕になる。くらいなさい。メイちゃんビーム!」
女王メイが右手をチョキにして目元に持ってくるとウインクをした。しかし、ビームと言っておきながら、俺の身体はどこも痛むところはなかった。
外した……のか?
そう思った瞬間、どこからか甘い匂いが漂ってくる。
なんだこの匂いは!
急に匂ってきた香りの正体を探っていると、俺の視界に女王メイの姿が映った。彼女を見た瞬間、心臓の鼓動が激しくなる。
この胸の高鳴るドキドキ感はまさか!
「メイ女王最高! 萌え萌え!」
気が付くと、コーウが言っていたことと同じことを口走る。
今の俺なら、どうしてコーウが女王メイ様の下僕になったのかが分かる。
女王メイ様は、とても魅力的な女じゃないか。
俺は彼女を守る騎士となる。
「女王メイ様をお守りするぞ!」
俺は女王メイの軍団に寝返り、ブリタニア、デンバー連合軍の兵士を次々と斬って行く。
さぁ、シロウ! この戦争でリベンジマッチと行こうじゃないか。
俺ことレオは、襲ってくる敵兵を次々と倒す。
「今日は調子が良いぜ!」
「やるな、レオ。さすが俺を倒した男だぜ」
俺と同じバーサーク部隊にいるコーウが、俺を褒める。
当たり前だ。いつまでもシロウに差をつけられてたまるかよ。あいつに敗北して以来、俺は親父から地獄のような特訓を受けた。
今の俺は、あのときの俺を凌駕している。
俺は強くなったんだ!
「食らえ! 一閃突き!」
技を放つと、敵兵たちは次々と吹き飛ばれていく。
「俺も負けていられない。おりゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
コーウは義手に魔力を送ったようで、腕から四本の刃が現れる。
彼が前方に走る度に、敵兵は次々と斬られていった。
コーウも中々やるじゃないか。面白くなってきた。
「コーウ、どっちが多くの敵を倒せるか、勝負をしないか」
「おう良いぜ。どうせ俺が勝つだろうがな」
「それはどうかな」
俺は剣を水平に構えると、一閃突きを放つ。
「俺に倒されたいやつは前に出て来い! このレオが相手になってやる」
「へぇーなら、あたしの相手をしてくれるかしら」
この声は女か? 女が相手だと本気になれそうもないが、まぁいい。すぐに倒して俺のスコアに加算させてやる。
女の声が聞こえ、声がした方に顔を向ける。
嘘だろう。どうしてお前が戦場にいるんだよ。
俺の前に現れたのは、金髪ロングで手には鞭を握っている女だった。
「どうして、ここに女王メイがいやがる!」
「どうしてって、別に良いじゃない。大将が戦場に出てはダメという決まりはないわ」
女王メイがニヤリと笑みを浮かべると、足を下げて一歩交代する。
落ち着け、あまりにも意外だったせいで驚いてしまったが、考え方によっては大手柄を上げることができる。
この女を倒せば、シロウの活躍を奪うことができる。あいつにちょっとしたざまぁができるというわけだ。
そう考えれば、俄然やる気が出てくる。だけど、相手はまともに護衛をつけないで俺たちバーサーク部隊に立ち向かおうとしている。油断は決してできない。
「コーウ、お前も手伝え! 二人でこの女を倒すぞ」
「分かった。俺たちのコンビネーションを見せようではないか」
「あら、二対一で足りるの? あたしを倒そうとするなら、もっと必要なんじゃないの?」
女王メイの言葉に、イラッとした。
「俺たちをバカにするな! お前なんか、俺とコーウがいれば瞬殺だ!」
「そう、なら宣言して上げるわ。瞬殺されるのはあなたたちの方よ」
「その言葉そのまま返してやるぜ!」
俺とコーウは同じタイミングで地を蹴り、跳躍して剣を振り下ろす。
さぁ、これで終わりだ! くっ、こんなタイミングで目にゴミが入りやがった。
急に目に痛みを感じ、瞼を閉じる。
「女王を見たものは、いかなるものでも下僕になる。くらいなさい。メイちゃんビーム!」
くそう。あの女は何かしやがった。
地面に着地した俺は、目が痛いのを我慢して瞼を開ける。
俺の攻撃は目測を誤っていたが、コーウの腕から生えた刃は、彼女の首に触れようとしていた。
しかし、彼はそこから腕を振って、彼女の首を刎ねようとはしなかった。
「おい、コーウ! どうしてそのまま首を刎ねない!」
声を上げて彼に問い詰めると、コーウはメイ女王の首から刃は離し、一歩下がった。
「メイ女王最高! 萌え萌え!」
はぁ?
「メイ女王に踊りを捧げます」
突然コーウは奇妙な踊りを始めた。腕を左右に動かしたり、首を左右に動かしたりなど、動きが激しい。
「本当にいい子ね。コーウと言ったかしら? あなたはあたしの何?」
「俺は、女王メイ様の忠実なる下僕であります」
「おい、コーウ! ふざけるなよ!」
「その言葉は俺のセリフだ! 女王メイ様の御前であるぞ。頭が高い!」
本当にどうしてしまったんだよ。
「お前! 俺たちを裏切る気なのか!」
「裏切るも何も、俺は最初から女王メイ様の忠実なる下僕なのだが!」
「ふざけやがって! 最初から俺を騙していたのかよ!」
ライバルであり、唯一腕を競え合える仲間だと思っていたのに、最初から女王メイの手下だったってわけか。
「もういい! お前もろとも女王メイを斬ってやる。食らえ! 大切斬!」
地を蹴って跳躍をすると、剣を振り下ろした。
しかし、俺の技はコーウの腕から生えた刃に防がれてしまう。
「あたしを守ってくれるなんて、なんていい子なのかしら。気に入ったわ。そっちのレオもなかなか使えそうだし、そのまま押さえつけていてね」
「仰せのままに、女王メイ様!」
くそう。このままやられてたまるか!
コーウの刃を弾き、後方に跳躍して距離を開ける。
「離れてもムダよ! 女王を見たものは、いかなるものでも下僕になる。くらいなさい。メイちゃんビーム!」
女王メイが右手をチョキにして目元に持ってくるとウインクをした。しかし、ビームと言っておきながら、俺の身体はどこも痛むところはなかった。
外した……のか?
そう思った瞬間、どこからか甘い匂いが漂ってくる。
なんだこの匂いは!
急に匂ってきた香りの正体を探っていると、俺の視界に女王メイの姿が映った。彼女を見た瞬間、心臓の鼓動が激しくなる。
この胸の高鳴るドキドキ感はまさか!
「メイ女王最高! 萌え萌え!」
気が付くと、コーウが言っていたことと同じことを口走る。
今の俺なら、どうしてコーウが女王メイ様の下僕になったのかが分かる。
女王メイ様は、とても魅力的な女じゃないか。
俺は彼女を守る騎士となる。
「女王メイ様をお守りするぞ!」
俺は女王メイの軍団に寝返り、ブリタニア、デンバー連合軍の兵士を次々と斬って行く。
さぁ、シロウ! この戦争でリベンジマッチと行こうじゃないか。
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