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第2章 ADAGIO
op.06 小さな旦那様、小さな奥様(4)
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元気だという自己申告はあったものの、倒れたばかりであるアルの体調を考慮して、こまめに休憩を挟みながら行くことになった。
アルは温和な人柄だったが、元々話をするのは好きな性分なのかよく話した。イタリアから来たらしく、リチェル達とは逆にオーストリアへ向かう途中だったらしい。地図はあったが迷ってしまって倒れたところを、ヴィオ達に助けられたのだ。
「え⁉︎ ヴィオさんって僕より年下なの⁉︎ 大人びてるからてっきり年上だと……」
道中自分のことを話してくれたアルが、ヴィオの年齢に驚きの声を上げたのはちょうど半時間ほど歩いて休憩を挟んだ時だった。
「じゃあ呼び方はヴィオ君でいいかな? 僕は次の冬で二十歳なんだ」
言葉少ないヴィオの事を特に気にするでもなく、リチェルの隣に腰を下ろすヴィオに楽しそうに話しかける。
「ということはソルヴェーグさんは二人の保護者みたいなもの?」
ヴィオがチラリと少し離れて座るソルヴェーグと目を合わせて、軽く頷く。
「……まぁ、そんなものだ」
「で、リチェルさんとヴィオ君は──兄妹、って訳でもないよね? えっとまさか……」
アルの眉間に皺がよる。キョトンとするリチェルをちらりと見て、アルは微かに頬を赤らめた。
「……えっと、恋人、とか?」
「!」
それこそまさかの言葉にリチェルがパッと頬を染めた。違います! と慌てて首を振る。それは流石にヴィオに失礼だ。ソルヴェーグにも申し訳ない。
「リチェルは事情があって知人から預かっているだけだ」
落ち着いてはいるが、珍しく呆れた様子でヴィオが返す。アルはアルで『そ、そっか。そうだよね!』と何故か安心したように胸を撫で下ろしている。
「リチェルさんは、歌を歌うんだよね」
「はい。どうしてそれを?」
「起きた時に歌っていたのが聞こえたんだ」
アルがどこか照れたように続ける。
「とても美しい歌声だったし、起きた時に目の前にいたのがとても綺麗な人だったから、僕てっきり天使様がいるのかと思っちゃって」
聞き慣れない直球の褒め言葉に、リチェルは慌てた。ルーデンドルフ夫妻の屋敷にいた時も使用人の方達に歌を褒められたことはあった。だけどアルの褒め言葉はそれとはまた別種のもののようで大いに戸惑ってしまう。
「あ、ありがとうございます……」
あたふたとうろたえながら、何とかリチェルはお礼を口にする。頬が熱い。
「でもわたしには勿体無い言葉です……」
「そんな事ないよ! え? まさか言われた事ないの⁉︎」
アルが反射的にヴィオの顔を見たのが分かって、リチェルはますますいたたまれなくなる。そんな事を言われたらヴィオもきっと困ってしまう。
「ヴィオ様も私もリチェル殿の事はとても可愛らしい方だと思っていますよ」
と、助け舟を出すように三人の様子を見守っていたソルヴェーグが穏やかに口にした。恐縮してリチェルが頭を下げると、ソルヴェーグは問題ないと言うように笑みを返してくれる。
ただあまり容姿のことを口にするのも不作法ですからな、と続けられた言葉にアルがキョトンとする。
「あ、そっか。こっちの国の人たちはあまり大っぴらに女性を褒めたりしないんだって聞いたことがあるような気が……。リチェルさんも戸惑わせたならごめん」
「いえ、こちらこそごめんなさい! でもそんな風に言ってくださってとても嬉しいです」
すっかりしょげてしまったアルの様子に、ようやく肩の力が抜けてリチェルは笑う。きっと根が素直な人なのだろうと分かる。悪い印象は抱けない。
「あとリチェルさん。別に僕には敬語使わなくても良いよ。僕も使わないし、普通に話してくれた方が嬉しいな」
「え? それじゃあ……うん」
リチェルが戸惑いながら頷くと、アルは嬉しそうに笑う。不思議とヴィオに敬語は使わなくていいと言われた時ほどの緊張はなかった。アル自身が人好きのする印象だからだろうか。
リチェルの様子に満足したのか、ところで、とアルがヴィオの方を見る。
「ずっと気になってたんだけど、ヴィオ君が背負っているのってヴァイオリン?」
「ああ」
短くヴィオが答えるとパッとアルが顔を輝かせた。
「やっぱり! じゃあヴィオ君は音楽家を目指しているのかな? それとももうプロだったりとか……」
「いや。音楽院には通っているが、今は休学中なんだ。アルフォンソは年齢からするともう卒業しているのか? 君も奏者だろう?」
当たり前のようにヴィオが口にした『奏者』と言う言葉に、リチェルは目を丸くした。確かにアルは元々荷物を二つ持っていて、その一つは鞄だというには不思議な形をしていると思っていた。
「アルさんの持っているのは楽器なの?」
リチェルが尋ねるとアルはうん、と頷いた。
「と言っても、僕は音楽院には通っていないんだけど。稼業は別にあって通わせてもらえなかったというか何というか。師事していた先生はいたんだけど、ほとんど独学なんだ」
ちょっと待ってね、と言うとアルは隣に置いている荷物の片方に手をかけると蓋を開けてくれる。
「わぁ……!」
中から出てきた楽器を見て、思わずリチェルは感嘆の声を上げた。
それはリチェルにとって初めて見る楽器だった。オルガンのような鍵盤とふいごのような部品が一体化している。
「アコーディオンって言うんだよ」
そう言って、アルがアコーディオンと呼ばれた楽器を持ち上げる。
「実際弾いてる楽器はピアノなんだけど持ち歩けないからね。でも何だか弾けるものがそばにないと落ち着かなくてさ」
はにかむように笑って、アルはふっくらとした指を鍵盤に走らせた。
途端に軽やかに弾むメロディーが流れ出す。
魔法みたいに鍵盤の上を走る指が軽快な音を奏でて、細かな粒が跳ねて踊る。
コロコロと転がる可愛らしいメロディー。
鍵盤楽器というのは、多数の音を同時に奏でることで音に重さや深みを出すことが出来る。一つ一つの音は軽く、よく言えばシンプルだけど悪く言えば片手だけの演奏では物足りない。
だけどアルの奏でる音は片手だけでも十分に音に厚みがあって、その軽やかな音は羽が生えているみたいだった。
隣で聴いていたヴィオも目を丸くして、アルの演奏を聴いている。
少し弾いて見せてくれるだけのつもりだったのだろう。アルの演奏はメロディーの一部だけを弾いて終わった。
思わずリチェルが拍手をすると、アルが照れ臭そうに笑う。
「とっても素敵でした。それにとても可愛らしい曲」
「ショパンだよ。ワルツの第六番。『子犬のワルツ』とも呼ばれてるんだ。子犬が自分の尻尾を追いかけてくるくる回っている様子を見て作られた曲らしいよ」
「まぁ」
先ほどの音を思い出すと情景が目に浮かぶようで、リチェルがクスクスと笑う。
どうかな? とアルがヴィオに目を向けると、黙っていたヴィオが『あぁ、上手いな』と素直に感心の声を上げる。
「独学と言っていたから正直驚いた。アコーディオンで弾くように編曲してるのか?」
「あはは、即興だけどね。これだとどうしても片手になっちゃうし、メロディーをただなぞるだけじゃ音が心細いでしょ? あ、もしかしてヴィオ君ってその辺厳しい人だったりする?」
「いや、編曲に関しては俺も良くするから」
ヴィオの言葉に、良かった、とアルが安堵の息をこぼした。
「その辺り気を遣うんだ。ほら、決まりを大事にする人に当たると怒られるから。ヴィオ君はそっちじゃなくて安心したよ」
「あぁ。だけど技法を駆使した構成はその良さがあるし、どちらかに寄っているというわけではないな」
「え? そうなんだ? ヴィオ君って自由なんだね。ウィーンの人なんかは割とキッパリ白黒分かれているもんだと思っていたよ」
「言いたいことは分かるが、お前のそれは大分偏見が入ってるぞ」
「そうなの? 実際はそんな事ないの?」
食い下がるアルに、ヴィオがそうだな……と音楽院での話をし始める。
アルと音楽の話をしているヴィオは普段よりも饒舌で、笑いはしないもののどこか楽しそうだった。その様子に知らず知らずのうちにリチェルの口元が緩んだ。
ふと後ろを振り返ると、ソルヴェーグもどこか微笑ましい物を見るように主人の姿を見ていた。もしかしたらリチェルと同じように感じたのかもしれない。
何だかそれも嬉しくて、リチェルは二人の話の邪魔にならないようにと少し後ろに下がった。
ヴィオとアルの話は途中から半分くらい分からなくなってしまったけれども、いつか同じように話せるようになったら楽しいだろうな、とリチェルはふんわりと思った。
アルは温和な人柄だったが、元々話をするのは好きな性分なのかよく話した。イタリアから来たらしく、リチェル達とは逆にオーストリアへ向かう途中だったらしい。地図はあったが迷ってしまって倒れたところを、ヴィオ達に助けられたのだ。
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道中自分のことを話してくれたアルが、ヴィオの年齢に驚きの声を上げたのはちょうど半時間ほど歩いて休憩を挟んだ時だった。
「じゃあ呼び方はヴィオ君でいいかな? 僕は次の冬で二十歳なんだ」
言葉少ないヴィオの事を特に気にするでもなく、リチェルの隣に腰を下ろすヴィオに楽しそうに話しかける。
「ということはソルヴェーグさんは二人の保護者みたいなもの?」
ヴィオがチラリと少し離れて座るソルヴェーグと目を合わせて、軽く頷く。
「……まぁ、そんなものだ」
「で、リチェルさんとヴィオ君は──兄妹、って訳でもないよね? えっとまさか……」
アルの眉間に皺がよる。キョトンとするリチェルをちらりと見て、アルは微かに頬を赤らめた。
「……えっと、恋人、とか?」
「!」
それこそまさかの言葉にリチェルがパッと頬を染めた。違います! と慌てて首を振る。それは流石にヴィオに失礼だ。ソルヴェーグにも申し訳ない。
「リチェルは事情があって知人から預かっているだけだ」
落ち着いてはいるが、珍しく呆れた様子でヴィオが返す。アルはアルで『そ、そっか。そうだよね!』と何故か安心したように胸を撫で下ろしている。
「リチェルさんは、歌を歌うんだよね」
「はい。どうしてそれを?」
「起きた時に歌っていたのが聞こえたんだ」
アルがどこか照れたように続ける。
「とても美しい歌声だったし、起きた時に目の前にいたのがとても綺麗な人だったから、僕てっきり天使様がいるのかと思っちゃって」
聞き慣れない直球の褒め言葉に、リチェルは慌てた。ルーデンドルフ夫妻の屋敷にいた時も使用人の方達に歌を褒められたことはあった。だけどアルの褒め言葉はそれとはまた別種のもののようで大いに戸惑ってしまう。
「あ、ありがとうございます……」
あたふたとうろたえながら、何とかリチェルはお礼を口にする。頬が熱い。
「でもわたしには勿体無い言葉です……」
「そんな事ないよ! え? まさか言われた事ないの⁉︎」
アルが反射的にヴィオの顔を見たのが分かって、リチェルはますますいたたまれなくなる。そんな事を言われたらヴィオもきっと困ってしまう。
「ヴィオ様も私もリチェル殿の事はとても可愛らしい方だと思っていますよ」
と、助け舟を出すように三人の様子を見守っていたソルヴェーグが穏やかに口にした。恐縮してリチェルが頭を下げると、ソルヴェーグは問題ないと言うように笑みを返してくれる。
ただあまり容姿のことを口にするのも不作法ですからな、と続けられた言葉にアルがキョトンとする。
「あ、そっか。こっちの国の人たちはあまり大っぴらに女性を褒めたりしないんだって聞いたことがあるような気が……。リチェルさんも戸惑わせたならごめん」
「いえ、こちらこそごめんなさい! でもそんな風に言ってくださってとても嬉しいです」
すっかりしょげてしまったアルの様子に、ようやく肩の力が抜けてリチェルは笑う。きっと根が素直な人なのだろうと分かる。悪い印象は抱けない。
「あとリチェルさん。別に僕には敬語使わなくても良いよ。僕も使わないし、普通に話してくれた方が嬉しいな」
「え? それじゃあ……うん」
リチェルが戸惑いながら頷くと、アルは嬉しそうに笑う。不思議とヴィオに敬語は使わなくていいと言われた時ほどの緊張はなかった。アル自身が人好きのする印象だからだろうか。
リチェルの様子に満足したのか、ところで、とアルがヴィオの方を見る。
「ずっと気になってたんだけど、ヴィオ君が背負っているのってヴァイオリン?」
「ああ」
短くヴィオが答えるとパッとアルが顔を輝かせた。
「やっぱり! じゃあヴィオ君は音楽家を目指しているのかな? それとももうプロだったりとか……」
「いや。音楽院には通っているが、今は休学中なんだ。アルフォンソは年齢からするともう卒業しているのか? 君も奏者だろう?」
当たり前のようにヴィオが口にした『奏者』と言う言葉に、リチェルは目を丸くした。確かにアルは元々荷物を二つ持っていて、その一つは鞄だというには不思議な形をしていると思っていた。
「アルさんの持っているのは楽器なの?」
リチェルが尋ねるとアルはうん、と頷いた。
「と言っても、僕は音楽院には通っていないんだけど。稼業は別にあって通わせてもらえなかったというか何というか。師事していた先生はいたんだけど、ほとんど独学なんだ」
ちょっと待ってね、と言うとアルは隣に置いている荷物の片方に手をかけると蓋を開けてくれる。
「わぁ……!」
中から出てきた楽器を見て、思わずリチェルは感嘆の声を上げた。
それはリチェルにとって初めて見る楽器だった。オルガンのような鍵盤とふいごのような部品が一体化している。
「アコーディオンって言うんだよ」
そう言って、アルがアコーディオンと呼ばれた楽器を持ち上げる。
「実際弾いてる楽器はピアノなんだけど持ち歩けないからね。でも何だか弾けるものがそばにないと落ち着かなくてさ」
はにかむように笑って、アルはふっくらとした指を鍵盤に走らせた。
途端に軽やかに弾むメロディーが流れ出す。
魔法みたいに鍵盤の上を走る指が軽快な音を奏でて、細かな粒が跳ねて踊る。
コロコロと転がる可愛らしいメロディー。
鍵盤楽器というのは、多数の音を同時に奏でることで音に重さや深みを出すことが出来る。一つ一つの音は軽く、よく言えばシンプルだけど悪く言えば片手だけの演奏では物足りない。
だけどアルの奏でる音は片手だけでも十分に音に厚みがあって、その軽やかな音は羽が生えているみたいだった。
隣で聴いていたヴィオも目を丸くして、アルの演奏を聴いている。
少し弾いて見せてくれるだけのつもりだったのだろう。アルの演奏はメロディーの一部だけを弾いて終わった。
思わずリチェルが拍手をすると、アルが照れ臭そうに笑う。
「とっても素敵でした。それにとても可愛らしい曲」
「ショパンだよ。ワルツの第六番。『子犬のワルツ』とも呼ばれてるんだ。子犬が自分の尻尾を追いかけてくるくる回っている様子を見て作られた曲らしいよ」
「まぁ」
先ほどの音を思い出すと情景が目に浮かぶようで、リチェルがクスクスと笑う。
どうかな? とアルがヴィオに目を向けると、黙っていたヴィオが『あぁ、上手いな』と素直に感心の声を上げる。
「独学と言っていたから正直驚いた。アコーディオンで弾くように編曲してるのか?」
「あはは、即興だけどね。これだとどうしても片手になっちゃうし、メロディーをただなぞるだけじゃ音が心細いでしょ? あ、もしかしてヴィオ君ってその辺厳しい人だったりする?」
「いや、編曲に関しては俺も良くするから」
ヴィオの言葉に、良かった、とアルが安堵の息をこぼした。
「その辺り気を遣うんだ。ほら、決まりを大事にする人に当たると怒られるから。ヴィオ君はそっちじゃなくて安心したよ」
「あぁ。だけど技法を駆使した構成はその良さがあるし、どちらかに寄っているというわけではないな」
「え? そうなんだ? ヴィオ君って自由なんだね。ウィーンの人なんかは割とキッパリ白黒分かれているもんだと思っていたよ」
「言いたいことは分かるが、お前のそれは大分偏見が入ってるぞ」
「そうなの? 実際はそんな事ないの?」
食い下がるアルに、ヴィオがそうだな……と音楽院での話をし始める。
アルと音楽の話をしているヴィオは普段よりも饒舌で、笑いはしないもののどこか楽しそうだった。その様子に知らず知らずのうちにリチェルの口元が緩んだ。
ふと後ろを振り返ると、ソルヴェーグもどこか微笑ましい物を見るように主人の姿を見ていた。もしかしたらリチェルと同じように感じたのかもしれない。
何だかそれも嬉しくて、リチェルは二人の話の邪魔にならないようにと少し後ろに下がった。
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