オレンジ色の空
四十歳のバツイチ、岩関は年に一度だけ息子の則宏と会うことができる。
今年は則宏と、高尾山に登山に行く約束をしていた。
そして、岩関は密かに考えていることがある。
元妻である真紀子の状況次第では、もう一度やり直したいと考えていたのだった。
則宏に真紀子の現状を探りながら、淡々と高尾山を登っていく。
雨が降る中でも、則宏に聞き出そうとしているが、則宏は思春期真っ只中。歯切れよく答えてはくれなかった。
円滑な会話ができないことに手を焼きながら、それでも話をしようと頑張る岩関だったが……。
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