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第2章
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「私にも魔法を教えていただけるんですか?」
フィオナが意外そうに尋ね返す。
「光魔法も根本は同じだからね。シェリアが僕のものになってくれて気分が良いし。いいよ。教えてあげる。」
そう言って私に背中から抱きつくゼノ。
「ちょ、ちょっと。私あなたのものになんかなったつもりないんだけど!」
慌てて否定する。いつそんな事になった。
やめろ、引っ付くな。フィオナに誤解されてしまう。
「僕の所に来た。という事は必然的に僕のものになるという事だよ。君がフィオナと離れたくないなら、彼女がそばにいる事も許してあげるよ。……君にとってフィオナは大切だろう?」
最後の言葉は私にしか聞こえないように耳元でそっと囁く。ゼノは私とフィオナが双子の事を知っているはずだ。恐らくそれを暗に含ませているのだろう。
「えーと、シェリアとゼノさんは恋人同士という事でしょうか……?」
フィオナがゼノの言葉を間に受けたのか、うーんと悩む。そしてふと思いついたのかそんな言葉を口にする。
「恋人……。そんな甘っちょろい関係じゃないさ。もっと深い……んぐっ」
「ち、ちがうわ。そんなんじゃないのよ。誤解しないで。」
ゼノが何か変な事を言う前に彼の口をふさぐ。
フィオナにだけはそんな誤解されたくない!
「?」
フィオナはますます訝しげに首をかしげていた。
ーーーー
ゼノに連れられた屋敷は外観と中の広さが一致しなかった。どういう事かというと。ゼノが魔法で空間同士を繋げているらしく、中がとてつもなく広いのだ。
そして、フィオナと私はその繋がっている空間の一つである大浴場に来ていた。
「すごい広いね!」
フィオナが体にタオルを巻きつけ、先に風呂場へと足を踏み入れる。
ゼノが今日は疲れているだろうからと風呂でゆっくりしてと案内してくれたのだ。
「確かに、とっても広いわね。」
私もタオルを巻きつけ中に入り辺りを見渡す。大理石っぽい石で床は覆われ、浴槽に流れる湯は少し白く前世の温泉みたいだ。そういえば、ゼノがお湯に美肌効果があるとかいっていた。本当に温泉なのかもしれない。
私達は体を洗い湯船に浸かった。
何だか疲れが取れる気がする。最近立て続けにいろんな事があったもんなあ。ふと、私はフィオナの方を見た。
「……胸って浮くんだ……。」
ぽそりと呟く。自分の貧相な胸を見てがっくしと肩を落とす。
「どうしたの、シェリア?」
フィオナが私の視線に気づいたのか訝しげに首をかしげた。
「いえ、何でもないのよ。ちょっとね……。」
「?」
私は胸があまりない。というか、ほぼ平ら……。ひんぬーである。
フィオナがとても羨ましい。双子なのになぜこんなに差が出てしまったのか。摩訶不思議である。前世の私なら貧乳はステータスとか言いそうだが。現実ではないよりあるほうがいい。
「何を食べたらそんなに大きくなるのよ……。」
「さっきからどうしたの? 身長のことかな? シェリアも私もそんなに変わらないと思うけど……?」
大きいという事を身長の話だと思ったのだろうか。彼女は純粋だ。
「フィオナは気にしないで……。」
フィオナは訳が分からないという顔をしている。何だかここに来てから困り顔しかさせてないなぁ。楽しい話題を振らねば。
「あっ、そうだ。フィオナ、会長との仲はどうなの?」
「へあっ!?」
なんだか、前世の某ヒーローみたいな声を出すフィオナ。顔を真っ赤にしている。
「ど、どうって!?」
「いや、どこまでいったのかなあって? キスはしたの?」
「き、ききききききす!?」
ちょっと面白い。
「そ、そんなことするわけないよ。ありえないよ。私達はそんな仲じゃないよ!?」
フィオナが顔の前で手を激しくふる。水しぶきがこちらにかかってくる。
「いや、でも明らかに通常の先輩後輩関係より仲が良さそうだから。まだ、恋人じゃないの?」
「こ、こいびと!? そんなのなれるわけないよ……。私、魔法もうまく使えない劣等生だし。先輩にはもっと完璧で綺麗な人がお似合いなんだよ。」
そう言って顔を半分お湯に沈めるフィオナ。
どうやら、劣等感で会長との仲は進展していないようだ。ゲームと同じ感じだな。この二人の恋愛はくっついたり離れたり、じわじわと進んでいく。ホッとしたような、残念なような。
「そ、そそそそんなことより。シェリアはどうなのかな? 好きな人、いるの?」
話題を変えようとするフィオナ。
好きな人……。うーん。考えたことなかったなあ。
「いないかな。」
「えー! てっきり私はキリト先生が好きなんだと思ってたよ。」
「はぁ!?」
思わず声を上げてしまった。ルイスにもそんな事を言われた気がする。いつの間にそんな事になっているのだろうか。
「いやいやいや。監禁してくるような人を好きになるわけないでしょ。」
そうだ、忘れてはいけない。なんとか脱出できたが、監禁されそうになったのだ。
「でも、校長先生の命令だったんだよね。キリト先生が自ら行ったわけじゃないし……。」
……他の人にはキリトにされた事、行為を告げられた事は一切話していない。
私自身整理がついていない事もあるし、他人においそれと話せるような内容じゃなかったから。フィオナ達にはキリトがただ校長の命令に従っただけに思えるだろう。
「え、ええ。まあ、そうね……。」
私は曖昧な返事をするしかなかった。
「じゃあ、先生じゃないなら……。やっぱりゼノという人と仲が良いの?」
「それもないわ。」
ゼノはただ自分の同胞が欲しいだけだ。
私じゃなくても闇を持つもの、孤独を持つものに執着する。きっと、自分を受け入れてくれる何かが欲しいんだろう。
「うーん……。じゃあ、シェリアは誰が好きなの?」
「好きな人がいる前提なの?」
思わず苦笑する。フィオナは私が誰かに恋してると思っているのだろうか?
「そうねぇ、あえて言うなら……」
答えるまで問い続けられそうだし、適当に答えようかと考え始める。ああ、でも私の好きな人なんて元から決まってる。私はフィオナの肩に手を置く。
「私はフィオナが一番好きかな。」
途端にフィオナが顔を真っ赤にする。とても可愛らしい反応。
「え、えと。友達としてだよね? あ、ありがとう……。」
「友達として……? 本当にそう思ってるの?」
目が泳いでいる。とても可愛い。
もっと照れさせてみたいけど、少し可哀想かな。
「わ、私。のぼせちゃったみたい。先に上がってるね!」
慌てて浴槽から出ていくフィオナ。
全身真っ赤だ。本当にのぼせたのかもしれない。からかいすぎたかな。
「やっぱりフィオナは可愛いな。」
一人湯船につかりながらそう呟く。
ああ、私も男だったらなあ。フィオナを真っ先に攻略するのに。
「僕はシェリアの方が可愛いと思うけどな。」
「!?」
不意に背後から聞こえた声に驚き振り返る。
そこには大人姿のゼノが浴槽に浸かっていた。髪を浴槽につけないようにか頭の上の方でまとめている。妙に色っぽくて腹がたつ。
「な、なんでここにいるのよ!?」
「僕の家だ。どこにいても僕の自由だよ。」
そう言って私の方へ近づくゼノ。
私はゼノが近づいた分だけ、後ろに下がった。
「なんで逃げるのさ?」
「そりゃ、逃げるわよ!」
「逃げられると追いかけたくなるよね。」
「こっち来ないで!」
どんどん近づいてくるゼノ。後ろへ下がる私。
だが、逃げるのにも限界があった。
「あっ!」
背中が何かにぶつかり、振り返る。浴槽の端に来てしまったようだ。
「捕まえた。」
前を見るとゼノの顔が目の前に。ゼノの腕が私の横を通り抜けて浴槽の縁石にかかっている。彼の腕に閉じ込められる。
「これから楽しい事、する?」
ゼノが悪戯っぽい笑顔で言った。
フィオナが意外そうに尋ね返す。
「光魔法も根本は同じだからね。シェリアが僕のものになってくれて気分が良いし。いいよ。教えてあげる。」
そう言って私に背中から抱きつくゼノ。
「ちょ、ちょっと。私あなたのものになんかなったつもりないんだけど!」
慌てて否定する。いつそんな事になった。
やめろ、引っ付くな。フィオナに誤解されてしまう。
「僕の所に来た。という事は必然的に僕のものになるという事だよ。君がフィオナと離れたくないなら、彼女がそばにいる事も許してあげるよ。……君にとってフィオナは大切だろう?」
最後の言葉は私にしか聞こえないように耳元でそっと囁く。ゼノは私とフィオナが双子の事を知っているはずだ。恐らくそれを暗に含ませているのだろう。
「えーと、シェリアとゼノさんは恋人同士という事でしょうか……?」
フィオナがゼノの言葉を間に受けたのか、うーんと悩む。そしてふと思いついたのかそんな言葉を口にする。
「恋人……。そんな甘っちょろい関係じゃないさ。もっと深い……んぐっ」
「ち、ちがうわ。そんなんじゃないのよ。誤解しないで。」
ゼノが何か変な事を言う前に彼の口をふさぐ。
フィオナにだけはそんな誤解されたくない!
「?」
フィオナはますます訝しげに首をかしげていた。
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ゼノに連れられた屋敷は外観と中の広さが一致しなかった。どういう事かというと。ゼノが魔法で空間同士を繋げているらしく、中がとてつもなく広いのだ。
そして、フィオナと私はその繋がっている空間の一つである大浴場に来ていた。
「すごい広いね!」
フィオナが体にタオルを巻きつけ、先に風呂場へと足を踏み入れる。
ゼノが今日は疲れているだろうからと風呂でゆっくりしてと案内してくれたのだ。
「確かに、とっても広いわね。」
私もタオルを巻きつけ中に入り辺りを見渡す。大理石っぽい石で床は覆われ、浴槽に流れる湯は少し白く前世の温泉みたいだ。そういえば、ゼノがお湯に美肌効果があるとかいっていた。本当に温泉なのかもしれない。
私達は体を洗い湯船に浸かった。
何だか疲れが取れる気がする。最近立て続けにいろんな事があったもんなあ。ふと、私はフィオナの方を見た。
「……胸って浮くんだ……。」
ぽそりと呟く。自分の貧相な胸を見てがっくしと肩を落とす。
「どうしたの、シェリア?」
フィオナが私の視線に気づいたのか訝しげに首をかしげた。
「いえ、何でもないのよ。ちょっとね……。」
「?」
私は胸があまりない。というか、ほぼ平ら……。ひんぬーである。
フィオナがとても羨ましい。双子なのになぜこんなに差が出てしまったのか。摩訶不思議である。前世の私なら貧乳はステータスとか言いそうだが。現実ではないよりあるほうがいい。
「何を食べたらそんなに大きくなるのよ……。」
「さっきからどうしたの? 身長のことかな? シェリアも私もそんなに変わらないと思うけど……?」
大きいという事を身長の話だと思ったのだろうか。彼女は純粋だ。
「フィオナは気にしないで……。」
フィオナは訳が分からないという顔をしている。何だかここに来てから困り顔しかさせてないなぁ。楽しい話題を振らねば。
「あっ、そうだ。フィオナ、会長との仲はどうなの?」
「へあっ!?」
なんだか、前世の某ヒーローみたいな声を出すフィオナ。顔を真っ赤にしている。
「ど、どうって!?」
「いや、どこまでいったのかなあって? キスはしたの?」
「き、ききききききす!?」
ちょっと面白い。
「そ、そんなことするわけないよ。ありえないよ。私達はそんな仲じゃないよ!?」
フィオナが顔の前で手を激しくふる。水しぶきがこちらにかかってくる。
「いや、でも明らかに通常の先輩後輩関係より仲が良さそうだから。まだ、恋人じゃないの?」
「こ、こいびと!? そんなのなれるわけないよ……。私、魔法もうまく使えない劣等生だし。先輩にはもっと完璧で綺麗な人がお似合いなんだよ。」
そう言って顔を半分お湯に沈めるフィオナ。
どうやら、劣等感で会長との仲は進展していないようだ。ゲームと同じ感じだな。この二人の恋愛はくっついたり離れたり、じわじわと進んでいく。ホッとしたような、残念なような。
「そ、そそそそんなことより。シェリアはどうなのかな? 好きな人、いるの?」
話題を変えようとするフィオナ。
好きな人……。うーん。考えたことなかったなあ。
「いないかな。」
「えー! てっきり私はキリト先生が好きなんだと思ってたよ。」
「はぁ!?」
思わず声を上げてしまった。ルイスにもそんな事を言われた気がする。いつの間にそんな事になっているのだろうか。
「いやいやいや。監禁してくるような人を好きになるわけないでしょ。」
そうだ、忘れてはいけない。なんとか脱出できたが、監禁されそうになったのだ。
「でも、校長先生の命令だったんだよね。キリト先生が自ら行ったわけじゃないし……。」
……他の人にはキリトにされた事、行為を告げられた事は一切話していない。
私自身整理がついていない事もあるし、他人においそれと話せるような内容じゃなかったから。フィオナ達にはキリトがただ校長の命令に従っただけに思えるだろう。
「え、ええ。まあ、そうね……。」
私は曖昧な返事をするしかなかった。
「じゃあ、先生じゃないなら……。やっぱりゼノという人と仲が良いの?」
「それもないわ。」
ゼノはただ自分の同胞が欲しいだけだ。
私じゃなくても闇を持つもの、孤独を持つものに執着する。きっと、自分を受け入れてくれる何かが欲しいんだろう。
「うーん……。じゃあ、シェリアは誰が好きなの?」
「好きな人がいる前提なの?」
思わず苦笑する。フィオナは私が誰かに恋してると思っているのだろうか?
「そうねぇ、あえて言うなら……」
答えるまで問い続けられそうだし、適当に答えようかと考え始める。ああ、でも私の好きな人なんて元から決まってる。私はフィオナの肩に手を置く。
「私はフィオナが一番好きかな。」
途端にフィオナが顔を真っ赤にする。とても可愛らしい反応。
「え、えと。友達としてだよね? あ、ありがとう……。」
「友達として……? 本当にそう思ってるの?」
目が泳いでいる。とても可愛い。
もっと照れさせてみたいけど、少し可哀想かな。
「わ、私。のぼせちゃったみたい。先に上がってるね!」
慌てて浴槽から出ていくフィオナ。
全身真っ赤だ。本当にのぼせたのかもしれない。からかいすぎたかな。
「やっぱりフィオナは可愛いな。」
一人湯船につかりながらそう呟く。
ああ、私も男だったらなあ。フィオナを真っ先に攻略するのに。
「僕はシェリアの方が可愛いと思うけどな。」
「!?」
不意に背後から聞こえた声に驚き振り返る。
そこには大人姿のゼノが浴槽に浸かっていた。髪を浴槽につけないようにか頭の上の方でまとめている。妙に色っぽくて腹がたつ。
「な、なんでここにいるのよ!?」
「僕の家だ。どこにいても僕の自由だよ。」
そう言って私の方へ近づくゼノ。
私はゼノが近づいた分だけ、後ろに下がった。
「なんで逃げるのさ?」
「そりゃ、逃げるわよ!」
「逃げられると追いかけたくなるよね。」
「こっち来ないで!」
どんどん近づいてくるゼノ。後ろへ下がる私。
だが、逃げるのにも限界があった。
「あっ!」
背中が何かにぶつかり、振り返る。浴槽の端に来てしまったようだ。
「捕まえた。」
前を見るとゼノの顔が目の前に。ゼノの腕が私の横を通り抜けて浴槽の縁石にかかっている。彼の腕に閉じ込められる。
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