この恋は運命

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 早朝、まだ日が昇りきる前に、麻衣は白い砂浜を訪れていた。

 飛鳥家のプライベートビーチであるこの海は、漂着ゴミも毎日片づけられて綺麗だ。

 しかし、まだ清掃の行われていない早朝は、わずかながら打ち上げられた物がある。

 麻衣は、美しい貝殻を探しながら、それらのゴミも拾っていた。

「そんなペットボトルなど、清掃スタッフに任せておけばいいのに」

「でも僕、一週間お世話になったこの海に、恩返しがしたいんです」

 今日は、この地を立ち去る日。

 楽しい思い出をたくさんくれた海に、麻衣は心から感謝していた。

「麻衣らしい考えだな。また一つ、君の素敵な一面を見せてもらったよ」

「いいえ。響也さんこそ、僕をここへ連れてきてくださって、ありがとうございます」

 そんな優しい会話を交わしながら、二人は静かな浜辺を歩いていた。

「それにしても、様々な種類のゴミがあるな」

「そうですね」
 
 ペットボトルに、レジ袋。

 ライターに、食品トレーに、ビーチサンダル。

 そして麻衣は、ガラス瓶を見つけた。
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