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しおりを挟む「ごめんなさい。僕、デートの途中で眠っちゃうなんて」
「仕方がないよ。クラゲドームは、癒しの空間だから」
水族館から出て、章と志乃はショッピングモールへと戻ってきていた。
先ほどまでは、章の方が一方的に自分を責めていたが、今は志乃が自分で自分を責めていた。
(僕ったらバカ! デートで寝ちゃうなんて、初めて!)
これをクレームとして事務所に訴えられたら、もう先はないだろう。
解雇されて、放り出される。
それを志乃は一番に恐れていたが、章に怒った様子は見られない。
「まだ時間はあるね。ショッピング、しようか」
「え?」
「何か好きなもの、買ってあげる」
「いいの?」
信じられない。
失敗した僕に冷たく当たるどころか、プレゼントまでしてくれるなんて。
(あ、でも。章さん、あんまりお金持ちじゃないから、安いお店に……)
しかし、その章が選んだのは、高級ブランドのブティックだった。
「ここに入ろう」
「え? えぇっ!?」
ホントにもう、どういう人なの!?
志乃は慌てて、さっさと店内に入る彼の後を追った。
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