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しおりを挟む「私、速水 郷は、一人の少年に執着した末、誘拐・監禁しました。もう二度と、彼には近づきません。ここに、固く誓います」
そして、郷は土下座した。
一連の模様は、加瀬がしっかりと録画した。
「これで、良し。いいかい? 章さん」
「はい」
章は腰を落とすと、まだ土下座している郷にハッキリと告げた。
「約束を破れば、この動画をあなたの家族はおろか、会社、取引先にまで拡散します」
「そ、それだけは……!」
「だったら、誓いを守ることですね」
うずくまったまま動けない郷を置いて、章と志乃は。そして加瀬たちはマンションの外に出た。
「今日は、よく働いてくれた。では、引き揚げだ」
加瀬がそう言うと、若衆たちは一斉に頭を下げ、それぞれに散って行った。
章と志乃は加瀬の車に乗り込み、彼の事務所へと向かった。
そこには、章の車が置いてある。
車内では、志乃は無言だった。
ただ、章の手をしっかりと握って離さなかった。
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