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20話『レオニスの渇愛』
しおりを挟む触れてはならないと、
嫌われていると、そう思っていた。
だがセレーネを前に欲情が止まらなかった。
香りをかぐと自制できなくて、横たわるセレーネの背後から射精してしまった。
吐き出せば熱が冷めると思った。
だが、その熱は冷める事はなかった。
拒絶されていたと思っていたセレーネと繋がる唇、絡まる舌先。
静まる部屋に響く絡まる音。
挙げ句。嫌なのかと問えば、「嫌じゃない」と返す。
その言葉を耳にした瞬間、抑制していた気持ちのタガが外れた。
セレーネから甘い香りがして意識が遠くに飛びそうになる。
指で肌に触れれば驚くほど、なめらかで。
陶器のように冷たくも、絹のように柔らかくもない、もっと、滑らかな質感。
体温と呼吸が混ざりあって、触れたところだけがわずかに呼吸しているような感覚になる。
目の前の蜜に溢れる蕾を指先で擦り上げるたびに、セレーネが身体をよじる。
胸の膨らみの中心が硬くなり、同時に口の中で転がせば甘い吐息が聞こえる。
「嫌じゃない」ならなんなのか。
興奮しすぎたせいで、自分の下半身は汁が垂れて腫れ上がったままだ。
身体を交えるなど、汚らしい行為だと思っていた。
己の欲望のままに、女の身体に吐き出すこの行為を。
だが、セレーネを前にすると、その汚らしいと思っていた行為に興奮してしまう。
あの嵐の日の夜。
彼女の中を俺で埋め尽くした。
「やめて」と逃げる身体を引き寄せ、無我夢中で何度も中に出した。
セレーネを抱いたあの時の記憶は、ほとんど残っていない。
だが今、セレーネを目の前にすると、その熱が蘇ってきた。
早く入りたいのを我慢して、耐える。
目の前で恍惚とした瞳が俺を見るとそれだけで満たされる。
セレーネが快楽に歪む顔が見たくて、何度も濡れた指先で中を撫でては出し入れする。
指先と同時に口でその膨らみに舌をはわすと、ひくつき、そして痙攣と同時に潮を吹いた。
その度、セレーネが切なそうに声を漏らす。
その声が耳をかすめた瞬間、胸の奥がひどく熱くなった。
理性と本能の境が、ひと息でかき混ぜられる。
「ここがいいのか」
もっと、セレーネの淫らな姿が見たい。
もっと、俺の手で狂わせたい。
理性が焼き切れたように、ただセレーネを求め続けた。
肉体を貪るほど、頭の中は空っぽになっていく。
何度か"お願い"をされたが、なぶればなぶるほど吹く潮を見るとやめられない。
ああ、もっと俺に翻弄されるおまえが見たい。
「もうやだ、入れて欲しい」
そう言って涙を浮かべ、セレーネが俺の膝の上に上がってきた。
唇を重ねて舌を絡ませると、セレーネが一生懸命に腰を擦りつける。
セレーネはどうやらこの突起が気持ち良いのか。
胸にかじりつき、親指を濡れた股に差し込みその膨らみをつまむ。
そうするとセレーネが声をあげてこしを
「嫌だったのではないのか?」
そう問いかけると、首を振り気持ちいいといってすがりついてくる。
感じた事のない支配欲で身体中の血が煮えたぎるようだった。
ああ、可愛い。
俺の、セレーネ。
その崩れた可愛い顔を何度も見たくて、「お願いレオニス」と、俺を飲み込もうとする腰を持ち上げる。
「おまえが夜伽は要らないと言ったんだろう」
セレーネの汁か己の汁かもはやわからぬその部分は洪水のように溢れかえっている。
もっと俺を求めてくれ。
どのくらいの時刻がたっただろう。
項垂れたセレーネがあまりにも懇願してくるので、俺はやっとセレーネの中に入った。
その瞬間に、またセレーネが可愛い声を出して鳴いた。
ああ、気持ちいい。
溶けてしまいそうなほどに、セレーネの中は気持ちがいい。
その快楽に腰が止まらなくて、射精しながら執拗に続ける。
「俺の子を孕みたいと言っていただろう?」
愛しいセレーネ。
俺の子を孕むまで、何度もおまえの中で果てよう。
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