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第三章 〜魔力覚醒 / 陰謀〜

49. 弟子入り

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「鑑定魔法を教わりたい?」



エイダンに宿に呼び出されたレオンハルトは、ヴィオラに思いがけないお願いをされた。


「何でまた急に?」

「鑑定魔法ができるようになれば、患者さんの容態がすぐにわかるからです。父に聞いたらバレンシア王国ではまだ魔法陣を用いた魔術は浸透していなくて、教えられる者がいないそうなので」



この世界では、どうやら魔法と魔術は違うらしい。


魔法は自然界に宿る属性の魔素を体内に取り込み、魔力で魔法に変換して体外に排出する。

なので基本無詠唱で、自分の属性と能力内であれば魔力操作で自在に変化させられるらしい。


だから父は水属性の特性である治癒魔法が使えたり、水の温度を自在に変化させたり出来るのだとか。


そして魔術は魔素ではなく、魔法陣を用いてそこに魔力を乗せ、人為的に魔法を作り出す。

なのでこちらは詠唱して魔法陣を発動させる必要があり、高度な魔力操作も必要とする。


そしてこちらに関しては属性魔法の他に、無属性魔法も使う事ができるのだとか。

 

その一つが鑑定魔法。



無属性魔法は、自分の属性魔法を使うよりも高度な魔力操作と魔力量を有するので、限られた人間しか使えない。


何故なら自分より高い魔力を持つ人間の鑑定は弾かれて出来ないから。という理由らしい。


レオンハルトがヴィオラ達の鑑定が出来たのは、呪いで魔力を封印された状態だったから出来ただけで、解呪された今、試しに鑑定してみたら弾いてしまったらしい。


『10歳の子供に弾かれた・・・』



と、床に膝と手をついてショックを受けていた。







「俺にも教えてくれ。仕事で使う」


ヴィオラの話を聞いてエイダンも名乗り出た。

「いやいやいや、簡単に言うけど、鑑定魔法って結構難しいよ?魔力操作に長けてるエイダンならすぐ出来そうだけど。最近魔力に目覚めたヴィオラちゃんには難しいし、時間かかると思うよ?」


心配するレオンハルトにケンウッドがフォローを入れてくれる。


「それに関しては、何とかなるかもしれませんよ?この数日、私が2人に魔力操作のやり方を教えていましたが、驚異のスピードで習得していってこっちがドン引きしたくらいなので・・・」


「ええっ、何それ!まさか上級精霊と契約してるからってチートでも働いてる!?そんなのズルい!」


ケンウッドの話を聞いてジルが地団駄を踏んで悔しがった。


(ズルいと言われても・・・)



「まあ、それなら教えてもいいか。陛下との謁見が終わったらバレンシアに帰るんだよな?その時はジルが例の魔道具持って同行するから、もしここにいる間に習得出来なかったらその後はジルに習ってくれ」

「僕はジル様に闇魔法を教えてもらいたいです」

「いいよ!医療に使える奴いくつかあるから」



そうして、私達の魔術特訓が始まった。

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