私の愛する人は、私ではない人を愛しています

代々王宮医師を輩出しているオルディアン伯爵家の双子の妹として生まれたヴィオラ。

物心ついた頃から病弱の双子の兄を溺愛する母に冷遇されていた。王族の専属侍医である父は王宮に常駐し、領地の邸には不在がちなため、誰も夫人によるヴィオラへの仕打ちを諫められる者はいなかった。

母に拒絶され続け、冷たい日々の中でヴィオラを支えたのは幼き頃の初恋の相手であり、婚約者であるフォルスター侯爵家嫡男ルカディオとの約束だった。


『俺が騎士になったらすぐにヴィオを迎えに行くから待っていて。ヴィオの事は俺が一生守るから』


だが、その約束は守られる事はなかった。

15歳の時、愛するルカディオと再会したヴィオラは残酷な現実を知り、心が壊れていく。

そんなヴィオラに、1人の青年が近づき、やがて国を巻き込む運命が廻り出す。


『約束する。お前の心も身体も、俺が守るから。だからもう頑張らなくていい』


それは誰の声だったか。
でもヴィオラの壊れた心にその声は届かない。
もうヴィオラは約束なんてしない。

信じたって最後には裏切られるのだ。
だってこれは既に決まっているシナリオだから。

そう。『悪役令嬢』の私は、破滅する為だけに生まれてきた、ただの当て馬なのだから。

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