35 / 232
第二部 第0章 天啓子
1
しおりを挟む
※ファーマ視点
ファーマが、グレイズさんのパーティーに拾われてからは世界が一気に変わったみたいだった。
それまでのファーマは、みんなから『バカ』、『頭悪い』、『出来そこない』、『アホの子』って言われて怒られてて、いつも何でみんなが怒っているのか、分からなくて泣いて過ごしてた。
両親がいなかったファーマを育ててくれた村長も、いつも怒っていたし、できないと叩いてきたりもしていた。
育った村では、色々とみんなのためにと思って、嫌だなと思う仕事も頑張ってたけど、それでもやっぱりみんなは怒ってて、ファーマにはみんなが怒る理由が分からなくて、ずっと苦しんで一人で泣いてた。
そんな、怖い世界でファーマはずっとビクビクして、人の顔色を窺って生きてきていたのを、今でも夜寝るときに思い出して、怖くて寝られなくて、カーラさんとかアウリースさんとかメリーさんにお願いして一緒に寝てもらってる。
グレイズさんのパーティーに所属するメンバーのお姉さんたちはみんな優しい。
ファーマが分からないことがあると、分かりやすく、丁寧に、実際に一緒にやってくれたり、分かるまで根気よく教えてくれて、嫌そうな顔をまったくしないし、怒らないし、叩かない。
カーラさんはファーマの苦手な計算と文字を教えてくれるし、アウリースさんはお店の使い方とか、お買い物の仕方とか教えてくれるし、メリーさんはお洗濯とか掃除の仕方をファーマに教えてくれる。
みんなが優しく教えてくれるから、ファーマも泣いて謝りながら、怒られるのを怖がらずに色々とおべんきょーできて、ちょっとはみんなに近づけてきたかなって思えてきた。
それもこれも、グレイズさんが、前の仲間に棄てられたファーマをパーティーに誘ってくれたおかげだと思う。
グレイズさんが、あの時ファーマを受け入れてくれなかったら、きっと今頃はご飯も食べられなくて、ダンジョンでゾンビさんの仲間入りしてたかも。
そんなグレイズさんや仲間のみんなと一緒にいると、心の奥がポカポカして、とっても嬉しい気持ちがずっと続くし、毎日がわくわくして楽しいって感じられる。
グレイズさんは他の子には居たおとーさんみたいな絶対的に信用をして甘えたりできる存在だし、カーラさん、アウリースさん、メリーさんたちはファーマのことを心配してくれる優しいお姉さんって思えて、ファーマにとってこの追放者のパーティーは家族って思える。
生まれて物心が付いてから、ずっとひとりぼっちだったファーマだけど、今は家族って呼べる存在ができて、とっても嬉しいし、それと同時にこの大事なファーマの家族を馬鹿にする子は絶対に許さないって決めてるんだ。
グレイズさんも、カーラさんも、アウリースさんも、メリーさんも、そしてハクちゃんも大事な家族の一員。
お金も、両親も、友達も、何も一つ持ってなかったひとりぼっちのファーマが手にした大事な家族なんだ。
だから、みんなに甘えると同時にもっともっとファーマは賢く、強く、家族のみんなから頼ってもらえる子になりたいって思ってる。
そのためにファーマは今日も頑張るんだ。
※カーラ視点
世界に数多ある色々な知識を収集したい欲に駆られ、生まれ育った辺境のエルフの村を飛び出して、外の世界にでてきた私だったが、外の世界は知性の欠片もない無能な者が多くて、苛立ちばかりが募っていた。
エルフの村でも神童と称され、村の書物をわずか数年で読破した私には、幼稚すぎる言語である人間の世界の言葉は実に使いにくく、そのことを知り合った人族たちは嘲弄していたが、まったくもって納得がいかない。
エルフの言語を相手が理解するのであったならば、言論戦に持ち込み、コテンパンにしてやれる自信はあったが、生憎と外の世界の人間は高等なエルフ語を理解できる者は少ない。
そして、私は人間の言葉を上手く喋れない、言いたいこと、伝えたいことの九割はエルフ語を人間の言葉に翻訳しているが、未だ語彙が足りず、発声の仕方も異なるので、訥々とした物言いになってしまうのが、更なる苛立ちを増していた。
外界に出た私は人族とのコミュニケーションの齟齬を感じながらも、知識を収集するための資金集めをするため、冒険者として、このブラックミルズに住んでいたが、やはりこの街でも冒険者という奴ら相手に、私のおぼつかない人間の言葉の語彙はトラブルを招いていた。
そんな最中、グレイズに出会い、彼のパーティーに入ったからは、感じていたコミュニケーションの齟齬を感じなくなっている。
リーダーであるグレイズは、私の少ない言葉からも意図を汲み取り、痒いところに手が届く感じの理解力を見せ、さりげなくトラブルになりそうな、私の物言いを察すると、進んで会話の仲介に入ってくれるのだ。
おかげで、コミュニケーションの齟齬から発するトラブルはパーティー入りから激減し、一部の商店街の店主としか、喋らなかった私が、今では初見の冒険者に話しかけるまでに成長していた。
人間の言葉は未だ発声が慣れず、勉強中であるが、以前に比べれば、通じるようになっているし、相手の言葉の意味も深く感じ取れるようになったと自分では感じている。
それも、これもグレイズやパーティーの仲間のみんなが、私の未熟な人間の言葉の中に含まれた意図を察してくれて、私が苛立ちを感じずに済むからだ。
エルフの村にいた時でも、これほどまでに私の意図を察してくれる者たちはいなかった。
おかげで、私もみんなの言いたいことが、推量できるようになり、それがまた言葉によるコミュニケーションの齟齬を無くしてくれていた。
グレイズを始め、みんなと生活していると、コミュニケーションの心地よさまで感じることができる。
物心付いてから、私にとっては対人コミュニケーションが苦手な部類のことだった。けど、みんなのおかげで今は言葉によるコミュニケーションの心地よさや楽しさを感じ取れるのだ。
だから、この心地よい空間を私に提供してくれる仲間たちを誹謗中傷しようとする輩は絶対に許す気はないし、馬鹿にする奴らを許す気はない。
ファーマも、アウリースも、メリーも、グレイズも、そしてハクも、私の大事な、大事な仲間である。
知識を収集する中で、紙の本の中でしか出会えなかった『真の仲間』という存在に、私は幸運にも出会えたと思っている。
世界で一番大事な仲間。そんなみんなと共に、私はもっと成長していつかは『賢者』と称される世界一級の知恵者になって、グレイズのお世話をするつもりだ。
これでもエルフなので、寿命は驚くほど長い。長い分、無為に過ごす同族も多いが、私は知識の収集とグレイズのお世話という目標をすでに得たことに感謝せねばなるまい。
ファーマが、グレイズさんのパーティーに拾われてからは世界が一気に変わったみたいだった。
それまでのファーマは、みんなから『バカ』、『頭悪い』、『出来そこない』、『アホの子』って言われて怒られてて、いつも何でみんなが怒っているのか、分からなくて泣いて過ごしてた。
両親がいなかったファーマを育ててくれた村長も、いつも怒っていたし、できないと叩いてきたりもしていた。
育った村では、色々とみんなのためにと思って、嫌だなと思う仕事も頑張ってたけど、それでもやっぱりみんなは怒ってて、ファーマにはみんなが怒る理由が分からなくて、ずっと苦しんで一人で泣いてた。
そんな、怖い世界でファーマはずっとビクビクして、人の顔色を窺って生きてきていたのを、今でも夜寝るときに思い出して、怖くて寝られなくて、カーラさんとかアウリースさんとかメリーさんにお願いして一緒に寝てもらってる。
グレイズさんのパーティーに所属するメンバーのお姉さんたちはみんな優しい。
ファーマが分からないことがあると、分かりやすく、丁寧に、実際に一緒にやってくれたり、分かるまで根気よく教えてくれて、嫌そうな顔をまったくしないし、怒らないし、叩かない。
カーラさんはファーマの苦手な計算と文字を教えてくれるし、アウリースさんはお店の使い方とか、お買い物の仕方とか教えてくれるし、メリーさんはお洗濯とか掃除の仕方をファーマに教えてくれる。
みんなが優しく教えてくれるから、ファーマも泣いて謝りながら、怒られるのを怖がらずに色々とおべんきょーできて、ちょっとはみんなに近づけてきたかなって思えてきた。
それもこれも、グレイズさんが、前の仲間に棄てられたファーマをパーティーに誘ってくれたおかげだと思う。
グレイズさんが、あの時ファーマを受け入れてくれなかったら、きっと今頃はご飯も食べられなくて、ダンジョンでゾンビさんの仲間入りしてたかも。
そんなグレイズさんや仲間のみんなと一緒にいると、心の奥がポカポカして、とっても嬉しい気持ちがずっと続くし、毎日がわくわくして楽しいって感じられる。
グレイズさんは他の子には居たおとーさんみたいな絶対的に信用をして甘えたりできる存在だし、カーラさん、アウリースさん、メリーさんたちはファーマのことを心配してくれる優しいお姉さんって思えて、ファーマにとってこの追放者のパーティーは家族って思える。
生まれて物心が付いてから、ずっとひとりぼっちだったファーマだけど、今は家族って呼べる存在ができて、とっても嬉しいし、それと同時にこの大事なファーマの家族を馬鹿にする子は絶対に許さないって決めてるんだ。
グレイズさんも、カーラさんも、アウリースさんも、メリーさんも、そしてハクちゃんも大事な家族の一員。
お金も、両親も、友達も、何も一つ持ってなかったひとりぼっちのファーマが手にした大事な家族なんだ。
だから、みんなに甘えると同時にもっともっとファーマは賢く、強く、家族のみんなから頼ってもらえる子になりたいって思ってる。
そのためにファーマは今日も頑張るんだ。
※カーラ視点
世界に数多ある色々な知識を収集したい欲に駆られ、生まれ育った辺境のエルフの村を飛び出して、外の世界にでてきた私だったが、外の世界は知性の欠片もない無能な者が多くて、苛立ちばかりが募っていた。
エルフの村でも神童と称され、村の書物をわずか数年で読破した私には、幼稚すぎる言語である人間の世界の言葉は実に使いにくく、そのことを知り合った人族たちは嘲弄していたが、まったくもって納得がいかない。
エルフの言語を相手が理解するのであったならば、言論戦に持ち込み、コテンパンにしてやれる自信はあったが、生憎と外の世界の人間は高等なエルフ語を理解できる者は少ない。
そして、私は人間の言葉を上手く喋れない、言いたいこと、伝えたいことの九割はエルフ語を人間の言葉に翻訳しているが、未だ語彙が足りず、発声の仕方も異なるので、訥々とした物言いになってしまうのが、更なる苛立ちを増していた。
外界に出た私は人族とのコミュニケーションの齟齬を感じながらも、知識を収集するための資金集めをするため、冒険者として、このブラックミルズに住んでいたが、やはりこの街でも冒険者という奴ら相手に、私のおぼつかない人間の言葉の語彙はトラブルを招いていた。
そんな最中、グレイズに出会い、彼のパーティーに入ったからは、感じていたコミュニケーションの齟齬を感じなくなっている。
リーダーであるグレイズは、私の少ない言葉からも意図を汲み取り、痒いところに手が届く感じの理解力を見せ、さりげなくトラブルになりそうな、私の物言いを察すると、進んで会話の仲介に入ってくれるのだ。
おかげで、コミュニケーションの齟齬から発するトラブルはパーティー入りから激減し、一部の商店街の店主としか、喋らなかった私が、今では初見の冒険者に話しかけるまでに成長していた。
人間の言葉は未だ発声が慣れず、勉強中であるが、以前に比べれば、通じるようになっているし、相手の言葉の意味も深く感じ取れるようになったと自分では感じている。
それも、これもグレイズやパーティーの仲間のみんなが、私の未熟な人間の言葉の中に含まれた意図を察してくれて、私が苛立ちを感じずに済むからだ。
エルフの村にいた時でも、これほどまでに私の意図を察してくれる者たちはいなかった。
おかげで、私もみんなの言いたいことが、推量できるようになり、それがまた言葉によるコミュニケーションの齟齬を無くしてくれていた。
グレイズを始め、みんなと生活していると、コミュニケーションの心地よさまで感じることができる。
物心付いてから、私にとっては対人コミュニケーションが苦手な部類のことだった。けど、みんなのおかげで今は言葉によるコミュニケーションの心地よさや楽しさを感じ取れるのだ。
だから、この心地よい空間を私に提供してくれる仲間たちを誹謗中傷しようとする輩は絶対に許す気はないし、馬鹿にする奴らを許す気はない。
ファーマも、アウリースも、メリーも、グレイズも、そしてハクも、私の大事な、大事な仲間である。
知識を収集する中で、紙の本の中でしか出会えなかった『真の仲間』という存在に、私は幸運にも出会えたと思っている。
世界で一番大事な仲間。そんなみんなと共に、私はもっと成長していつかは『賢者』と称される世界一級の知恵者になって、グレイズのお世話をするつもりだ。
これでもエルフなので、寿命は驚くほど長い。長い分、無為に過ごす同族も多いが、私は知識の収集とグレイズのお世話という目標をすでに得たことに感謝せねばなるまい。
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。