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がっこうにいこう!
115話「振動、回転、千磨」
「どうしましたか、アリューシャ様。撃ってこられないのですか?」
リヴィアーネが余裕の表情でこちらを煽ってくる。
並大抵の魔法なら水盾の魔法で防げるという自信の表れであり、実際今までそうしてきたのであろう。
「それとも、剣の方がお得意なのでしょうか?」
腰に下げた細身の剣を抜き、切っ先をこちらへ向ける。
その動作は洗練されており、お高そうな剣もただの飾りというわけではないようだ。
だが、それだけである。
「では、お言葉に甘えさせていただきますね。」
すでにリヴィアーネを囲んでいる無数の触手から一本を使い、剣を握っている腕を捻り上げた。
いきなりの事に目を白黒させながら、剣をその手から零してしまう。
「痛っ・・・・・・! い、一体何ですの!?」
気丈な目で周囲に視線を走らせる彼女だが、その瞳には視えていないだろう。
自身を取り囲んだ蠢く触手たちが。
「は・・・・・・放しなさいっ!! 貴女が何かしたのですね!? ですが、こんな事で私は・・・・・・っ!」
リヴィアーネはまだ絡め取っていない方の手をこちらへ向け、魔法を唱える。
「≪水弾≫!!」
当然それはこちらも読んでいる。
掌に集まった魔力が形を為す前に触手で霧散させ、魔法を潰した。
・・・・・・のだが、ポンッとビー玉ほどの水の球が現われ、地面に落ちてパシャンと割れた。
「そ、そんな・・・・・・どうしてっ!?」
驚いたのはこちらも同じだ。
水芸程度とはいえ、まさかあの状態から魔法を発動させるとは。
やはり始祖様の力とやらは侮れない。
まぁ、さっさと両手を拘束してしまえばいいんだけど。
相手の心を折るのに中々有効なのだ、コレが。
魔法を得意としている相手には効果抜群なのである。
特に今回の相手は”水の民”の末裔であるアストリア家の娘。その心中は如何ほどだろうか。
「・・・・・・っ≪水弾≫!!」
今度は放たれた魔法を完璧に潰す。
「リヴィアーネさんはもう魔法を使う事が出来ませんよ。これから先もずっと。」
「ぅ、嘘よっ! 嘘! 嘘! 嘘!」
まぁ、嘘なんだけど。それも作戦の内である。
リヴィアーネが発動させようとした魔法を悉く潰していく。
「私の魔法・・・・・・そんな・・・・・・。」
そろそろ良いだろうと、自由にしていた方の腕も触手で縛り上げる。
「ぅぐ・・・・・・っ!」
後はちょっとサンドバッグにしてから治癒して終わりなのだが・・・・・・流石に女の子をサンドバッグには出来ないしな、うん、仕方ない。
触手でリヴィアーネの両足も絡め、大の字に宙に張りつけた。
「や・・・・・・っ! お、降ろしなさい!」
「ふふふっ、今度はこちらの攻撃です。しっかり受けて下さいね。」
リヴィアーネの身体に細い触手を這わせ、制服の隙間から侵入させる。
「な、何か服の中にっ・・・・・・!」
触手が肌に触れる感覚に身を捩って抵抗するも、それは侵略の妨げには全くならない。
そして、侵略を終えた触手達は静かにその時を待つ。
「配置はこんなところかな・・・・・・よし、攻撃!」
合図とともにスタンバイしていた触手を一斉に蠢かせた。
腋、脇腹、内腿、足の裏など・・・・・・いわゆるくすぐりスポットへ触手が撫で、突き、刺激を与える。
「あっ・・・・・・! あぅ・・・・・・っ! ひぁっ・・・・・・!」
刺激が走るたびに身体を躍らせるリヴィアーネ。
しかし、ガッチリと拘束している触手はちょっとやそっとでは緩まない。
「ちょ、ちょっと・・・・・・ふ、ふざけるのは、あんっ・・・・・・やめ、なさい! こん、なのは・・・・・・んっ・・・・・・平気、ですわっ!」
「そう? 結構効いてるみたいだけど?」
「ぜ、全然・・・・・・痛くなんて・・・・・・ひゃんっ!!」
「そこが弱点かな?」
ビクンと身体が一際大きな反応を示した場所を執拗に攻め立てる。
「くっ・・・・・・! んぁ・・・・・・っ! ひぅっ!」
「降参は・・・・・・まだしませんよね?」
「あぅっ、当たり前・・・・・・でしょう!?」
「ですよねー。それじゃあもうちょっと遊びましょうか。」
リヴィアーネの口に触手を突っ込んで塞ぎ、制服の中へ新たな触手を追加する。
そして、くすぐり攻撃はさらに加速していくのだった。
*****
五分ほど弄び、リヴィアーネの口を塞いでいた触手を抜くと、ツーッと糸を引き、垂れた雫が地面を濡らした。
彼女の呼吸が整うのを待ち、声を掛ける。
「もう降参します?」
「ひぐっ・・・・・・も、もうやぁ・・・・・・許してくださいまし・・・・・・ぐすっ。」
「ふふっ、ならそろそろ本番――って・・・・・・ぇ、もう終わり? い、いや・・・・・・もうちょっと頑張りません?」
項垂れ、虚ろになった瞳からしくしくと涙を流し続けるリヴィアーネ。
「ぇ、えーと・・・・・・。」
フラムが俺の袖を掴む。
「も、もう・・・・・・止めてあげて?」
「フラムはそれで良いの? その・・・・・・仲は良くないんだよね?」
「ぅ、うん・・・・・・いいの。」
「分かったよ、フラムがそう言うなら。」
結局、くすぐっただけで終わってしまった。
まさかこんなに打たれ弱かったとは・・・・・・とんだ誤算である。
研究に研究を重ねて編み出した、1分間に3000回振動するバイブ触手とか、鬼のように回転するドリル触手とか、毛先の一本一本まで拘ったブラシ触手とかまだ一個も試してねぇ!
はぁ・・・・・・こいつらは次の機会までお預けだな。
リヴィアーネの拘束を解き、ゆっくりと地面へ降ろした。
フラフラとよろけた彼女にフラムが駆け寄って肩を支える。
「だ、大丈夫・・・・・・? ぁゎゎ・・・・・・!」
しかし、力無く崩れるリヴィアーネを支えきれずに尻もちをついてしまった。
「へ、平気なわけ・・・・・・ないでしょう!? 私の・・・・・・魔法が・・・・・・魔法が・・・・・・。」
あの嘘が随分効いていたらしい。
あんなのでずっと落ち込まれていても面倒なので、さっさとバラしてしまう事にする。
「あれは嘘なので、普通に魔法は使えますよ。」
「う、嘘・・・・・・!? でも・・・・・・先程は・・・・・・。」
「ちょっとした細工で魔法が発動しないようにしていただけです。何なら今使ってみてはいかがですか?」
「・・・・・・≪水≫。」
俺に疑いの目を向けながら魔法を使ったリヴィアーネの掌の上に不定形な水の塊がふよふよと現れた。
リヴィアーネがほっと胸を撫で下ろす。
「良かった・・・・・・私の魔法・・・・・・。」
それも束の間、今度はキッと俺を睨みつける。
「卑怯な真似を・・・・・・!」
「いや・・・・・・卑怯も何も、戦闘中に相手の戯言に惑わされる方が悪いでしょう?」
「うぐっ・・・・・・。」
冒険者であれば十中八九の人間がそう言うであろう。
敗北イコール死なのだから当然であるが。
勝てば官軍、というわけだ。
プライドの高い騎士や貴族であれば変わってくるだろうが、実力が伴わなければそれこそ戯言と言われるだけだろう。
返す言葉も無いのか、リヴィアーネは唇を噛みしめたままサッとこちらへ掌を向けた。
「だ、だめっ・・・・・・!」
その手をグッとフラムが掴む。
「も・・・・・・もぉ止めよ、リヴィ?」
二人の視線が混じり、リヴィアーネがゆっくりと腕を下ろした。
「貴女は・・・・・・変わりませんのね、フラムベーゼ様。・・・・・・私の敗けです、アリューシャ様。如何様なりと。」
「いや、何か賭けてた訳でもないし別に・・・・・・あぁ、そうだ。もうフラムの事を”落ちこぼれ”なんて呼ばないで頂けますか?」
「承知・・・・・・致しましたわ。」
「それと、手を出してくれますか?」
「こう・・・・・・でしょうか?」
リヴィアーネがおずおずと差し出してきた手を握手の形で握り返し、そのまま立ち上がらせる。
「ぁ・・・・・・。」
「はい、この話はこれで終わりです。それじゃあ、そろそろ野営の準備をしましょうか。」
俺の言葉に可愛く小首を傾げるフラム。
「ぇ・・・・・・で、でもまだお昼過ぎ、だよ・・・・・・アリス?」
「今日は初日だし、リヴィアーネさんもしばらく動くのは辛いだろうからね。」
魔法は発動させなかったが、その分の魔力はきっちり消費しているので、少し休ませる必要がある。
その後に次の野営地へ行く時間を考えると、ここでしっかりと準備をした方が良いのだ。
「まずは天幕からかな。とりあえず、この子達のお手並み拝見といこうか。」
俺は残った三人の後輩たちに目を向けた。
リヴィアーネが余裕の表情でこちらを煽ってくる。
並大抵の魔法なら水盾の魔法で防げるという自信の表れであり、実際今までそうしてきたのであろう。
「それとも、剣の方がお得意なのでしょうか?」
腰に下げた細身の剣を抜き、切っ先をこちらへ向ける。
その動作は洗練されており、お高そうな剣もただの飾りというわけではないようだ。
だが、それだけである。
「では、お言葉に甘えさせていただきますね。」
すでにリヴィアーネを囲んでいる無数の触手から一本を使い、剣を握っている腕を捻り上げた。
いきなりの事に目を白黒させながら、剣をその手から零してしまう。
「痛っ・・・・・・! い、一体何ですの!?」
気丈な目で周囲に視線を走らせる彼女だが、その瞳には視えていないだろう。
自身を取り囲んだ蠢く触手たちが。
「は・・・・・・放しなさいっ!! 貴女が何かしたのですね!? ですが、こんな事で私は・・・・・・っ!」
リヴィアーネはまだ絡め取っていない方の手をこちらへ向け、魔法を唱える。
「≪水弾≫!!」
当然それはこちらも読んでいる。
掌に集まった魔力が形を為す前に触手で霧散させ、魔法を潰した。
・・・・・・のだが、ポンッとビー玉ほどの水の球が現われ、地面に落ちてパシャンと割れた。
「そ、そんな・・・・・・どうしてっ!?」
驚いたのはこちらも同じだ。
水芸程度とはいえ、まさかあの状態から魔法を発動させるとは。
やはり始祖様の力とやらは侮れない。
まぁ、さっさと両手を拘束してしまえばいいんだけど。
相手の心を折るのに中々有効なのだ、コレが。
魔法を得意としている相手には効果抜群なのである。
特に今回の相手は”水の民”の末裔であるアストリア家の娘。その心中は如何ほどだろうか。
「・・・・・・っ≪水弾≫!!」
今度は放たれた魔法を完璧に潰す。
「リヴィアーネさんはもう魔法を使う事が出来ませんよ。これから先もずっと。」
「ぅ、嘘よっ! 嘘! 嘘! 嘘!」
まぁ、嘘なんだけど。それも作戦の内である。
リヴィアーネが発動させようとした魔法を悉く潰していく。
「私の魔法・・・・・・そんな・・・・・・。」
そろそろ良いだろうと、自由にしていた方の腕も触手で縛り上げる。
「ぅぐ・・・・・・っ!」
後はちょっとサンドバッグにしてから治癒して終わりなのだが・・・・・・流石に女の子をサンドバッグには出来ないしな、うん、仕方ない。
触手でリヴィアーネの両足も絡め、大の字に宙に張りつけた。
「や・・・・・・っ! お、降ろしなさい!」
「ふふふっ、今度はこちらの攻撃です。しっかり受けて下さいね。」
リヴィアーネの身体に細い触手を這わせ、制服の隙間から侵入させる。
「な、何か服の中にっ・・・・・・!」
触手が肌に触れる感覚に身を捩って抵抗するも、それは侵略の妨げには全くならない。
そして、侵略を終えた触手達は静かにその時を待つ。
「配置はこんなところかな・・・・・・よし、攻撃!」
合図とともにスタンバイしていた触手を一斉に蠢かせた。
腋、脇腹、内腿、足の裏など・・・・・・いわゆるくすぐりスポットへ触手が撫で、突き、刺激を与える。
「あっ・・・・・・! あぅ・・・・・・っ! ひぁっ・・・・・・!」
刺激が走るたびに身体を躍らせるリヴィアーネ。
しかし、ガッチリと拘束している触手はちょっとやそっとでは緩まない。
「ちょ、ちょっと・・・・・・ふ、ふざけるのは、あんっ・・・・・・やめ、なさい! こん、なのは・・・・・・んっ・・・・・・平気、ですわっ!」
「そう? 結構効いてるみたいだけど?」
「ぜ、全然・・・・・・痛くなんて・・・・・・ひゃんっ!!」
「そこが弱点かな?」
ビクンと身体が一際大きな反応を示した場所を執拗に攻め立てる。
「くっ・・・・・・! んぁ・・・・・・っ! ひぅっ!」
「降参は・・・・・・まだしませんよね?」
「あぅっ、当たり前・・・・・・でしょう!?」
「ですよねー。それじゃあもうちょっと遊びましょうか。」
リヴィアーネの口に触手を突っ込んで塞ぎ、制服の中へ新たな触手を追加する。
そして、くすぐり攻撃はさらに加速していくのだった。
*****
五分ほど弄び、リヴィアーネの口を塞いでいた触手を抜くと、ツーッと糸を引き、垂れた雫が地面を濡らした。
彼女の呼吸が整うのを待ち、声を掛ける。
「もう降参します?」
「ひぐっ・・・・・・も、もうやぁ・・・・・・許してくださいまし・・・・・・ぐすっ。」
「ふふっ、ならそろそろ本番――って・・・・・・ぇ、もう終わり? い、いや・・・・・・もうちょっと頑張りません?」
項垂れ、虚ろになった瞳からしくしくと涙を流し続けるリヴィアーネ。
「ぇ、えーと・・・・・・。」
フラムが俺の袖を掴む。
「も、もう・・・・・・止めてあげて?」
「フラムはそれで良いの? その・・・・・・仲は良くないんだよね?」
「ぅ、うん・・・・・・いいの。」
「分かったよ、フラムがそう言うなら。」
結局、くすぐっただけで終わってしまった。
まさかこんなに打たれ弱かったとは・・・・・・とんだ誤算である。
研究に研究を重ねて編み出した、1分間に3000回振動するバイブ触手とか、鬼のように回転するドリル触手とか、毛先の一本一本まで拘ったブラシ触手とかまだ一個も試してねぇ!
はぁ・・・・・・こいつらは次の機会までお預けだな。
リヴィアーネの拘束を解き、ゆっくりと地面へ降ろした。
フラフラとよろけた彼女にフラムが駆け寄って肩を支える。
「だ、大丈夫・・・・・・? ぁゎゎ・・・・・・!」
しかし、力無く崩れるリヴィアーネを支えきれずに尻もちをついてしまった。
「へ、平気なわけ・・・・・・ないでしょう!? 私の・・・・・・魔法が・・・・・・魔法が・・・・・・。」
あの嘘が随分効いていたらしい。
あんなのでずっと落ち込まれていても面倒なので、さっさとバラしてしまう事にする。
「あれは嘘なので、普通に魔法は使えますよ。」
「う、嘘・・・・・・!? でも・・・・・・先程は・・・・・・。」
「ちょっとした細工で魔法が発動しないようにしていただけです。何なら今使ってみてはいかがですか?」
「・・・・・・≪水≫。」
俺に疑いの目を向けながら魔法を使ったリヴィアーネの掌の上に不定形な水の塊がふよふよと現れた。
リヴィアーネがほっと胸を撫で下ろす。
「良かった・・・・・・私の魔法・・・・・・。」
それも束の間、今度はキッと俺を睨みつける。
「卑怯な真似を・・・・・・!」
「いや・・・・・・卑怯も何も、戦闘中に相手の戯言に惑わされる方が悪いでしょう?」
「うぐっ・・・・・・。」
冒険者であれば十中八九の人間がそう言うであろう。
敗北イコール死なのだから当然であるが。
勝てば官軍、というわけだ。
プライドの高い騎士や貴族であれば変わってくるだろうが、実力が伴わなければそれこそ戯言と言われるだけだろう。
返す言葉も無いのか、リヴィアーネは唇を噛みしめたままサッとこちらへ掌を向けた。
「だ、だめっ・・・・・・!」
その手をグッとフラムが掴む。
「も・・・・・・もぉ止めよ、リヴィ?」
二人の視線が混じり、リヴィアーネがゆっくりと腕を下ろした。
「貴女は・・・・・・変わりませんのね、フラムベーゼ様。・・・・・・私の敗けです、アリューシャ様。如何様なりと。」
「いや、何か賭けてた訳でもないし別に・・・・・・あぁ、そうだ。もうフラムの事を”落ちこぼれ”なんて呼ばないで頂けますか?」
「承知・・・・・・致しましたわ。」
「それと、手を出してくれますか?」
「こう・・・・・・でしょうか?」
リヴィアーネがおずおずと差し出してきた手を握手の形で握り返し、そのまま立ち上がらせる。
「ぁ・・・・・・。」
「はい、この話はこれで終わりです。それじゃあ、そろそろ野営の準備をしましょうか。」
俺の言葉に可愛く小首を傾げるフラム。
「ぇ・・・・・・で、でもまだお昼過ぎ、だよ・・・・・・アリス?」
「今日は初日だし、リヴィアーネさんもしばらく動くのは辛いだろうからね。」
魔法は発動させなかったが、その分の魔力はきっちり消費しているので、少し休ませる必要がある。
その後に次の野営地へ行く時間を考えると、ここでしっかりと準備をした方が良いのだ。
「まずは天幕からかな。とりあえず、この子達のお手並み拝見といこうか。」
俺は残った三人の後輩たちに目を向けた。
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