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絶対不可侵中立国アルカンと第一次勇者戦争
勇者と戦争の兆し
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前回のあらすじ
ノア:え?今回私達の出番がない?
作者:そういう回なんだ察して
イン:前回のあらすじとは?(哲学)
※三人称で書いてます。時間軸は勇者召喚されてから2週間後辺りです。
「クソが!!」
ダン!!と机を乱暴に叩く。
「どう致しますか?国王」
絶対不可侵中立国アルカン国王、ユリウス。
彼は、ある一通の手紙に頭を抱えていた。
グラトニアルス王国からの手紙だ。
内容は勇者召喚をした為の金欠。
それを解消する為に、支援を要請する手紙だ。
「お前はこの手紙を読んでどう思った?」
秘書である男に聞く。
「え?そのままの意味ではないのですか?」
「んなわけないだろ。この国はどこにも干渉しない国だ。それを承知でわざわざ支援を求める手紙は書かねぇよ」
絶対不可侵中立国アルカン、200年以上どの国とも協定を結ばず、中立としての立場をとってきた国だ。
豊富な資源がアルカンにはあるため、それを狙って攻めてきた国も多々あった。
しかし全て返り討ち。
海と山に囲まれた地形は防衛に適していた。
「ではなぜ?」
答えが分からない秘書はユリウスに答えを聞く。
「勇者はこの世界の希望だ。そこに支援をしないって事は、世界の敵として捉える事ができるんだよ。余程資源が欲しいみたいだな。恐らく、『勇者を支援しないとは、お前達は魔王の手先だな?!』とか言って戦争を仕掛けてくるぞ。勇者を連れてな」
「....神託はなかったんですよね?」
「無かったな」
神託とは、正教会国にいる聖女が女神からお告げを聞くというものだ。
過去3回勇者召喚が行われた時は女神からの神託があった。
神託があった場合、どのような内容でも各国に知らせなければならない。
過去に『この国を潰せ』という神託もあったのだが、その潰される国にも神託の内容を知らせたことがある。
「勇者召喚って神託がなければやってはいけない。恐らく、正教会国も支援はしないな。だがそのほかの国は支援すると思うぞ。勇者は全員で約1100人程度、過去の勇者から見て弱いなんて事はないだろう。この国はまだしも、防衛がしにくい帝国や評議国は敵に回したくないだろうな」
「正教会国は狙われないのですか?」
「んな事知らん」
ドヤ顔で言い切る。
「えぇ....」
「だが、この国が1番最初に狙われるのは間違いない。王国に隣接してるからな」
「支援はしないのですか?」
支援をすれば攻められる事がないのなら、支援すればいい。
そう思った秘書がユリウスに質問する。
「ダメなんだよ。理由は言えないがそれをやると、どのみちこの国が終わる。あっ、これ返事の手紙。なるべく遅らせて送るぞ」
「分かりました」
部屋から出ていった秘書を見送り、ユリウスはぽつりと呟いた。
「戦争かぁ。あーめんどくせぇ。あの豚とその娘早く死ななねぇかなぁ....」
※次回はノアの視点に戻ります。
ノア:え?今回私達の出番がない?
作者:そういう回なんだ察して
イン:前回のあらすじとは?(哲学)
※三人称で書いてます。時間軸は勇者召喚されてから2週間後辺りです。
「クソが!!」
ダン!!と机を乱暴に叩く。
「どう致しますか?国王」
絶対不可侵中立国アルカン国王、ユリウス。
彼は、ある一通の手紙に頭を抱えていた。
グラトニアルス王国からの手紙だ。
内容は勇者召喚をした為の金欠。
それを解消する為に、支援を要請する手紙だ。
「お前はこの手紙を読んでどう思った?」
秘書である男に聞く。
「え?そのままの意味ではないのですか?」
「んなわけないだろ。この国はどこにも干渉しない国だ。それを承知でわざわざ支援を求める手紙は書かねぇよ」
絶対不可侵中立国アルカン、200年以上どの国とも協定を結ばず、中立としての立場をとってきた国だ。
豊富な資源がアルカンにはあるため、それを狙って攻めてきた国も多々あった。
しかし全て返り討ち。
海と山に囲まれた地形は防衛に適していた。
「ではなぜ?」
答えが分からない秘書はユリウスに答えを聞く。
「勇者はこの世界の希望だ。そこに支援をしないって事は、世界の敵として捉える事ができるんだよ。余程資源が欲しいみたいだな。恐らく、『勇者を支援しないとは、お前達は魔王の手先だな?!』とか言って戦争を仕掛けてくるぞ。勇者を連れてな」
「....神託はなかったんですよね?」
「無かったな」
神託とは、正教会国にいる聖女が女神からお告げを聞くというものだ。
過去3回勇者召喚が行われた時は女神からの神託があった。
神託があった場合、どのような内容でも各国に知らせなければならない。
過去に『この国を潰せ』という神託もあったのだが、その潰される国にも神託の内容を知らせたことがある。
「勇者召喚って神託がなければやってはいけない。恐らく、正教会国も支援はしないな。だがそのほかの国は支援すると思うぞ。勇者は全員で約1100人程度、過去の勇者から見て弱いなんて事はないだろう。この国はまだしも、防衛がしにくい帝国や評議国は敵に回したくないだろうな」
「正教会国は狙われないのですか?」
「んな事知らん」
ドヤ顔で言い切る。
「えぇ....」
「だが、この国が1番最初に狙われるのは間違いない。王国に隣接してるからな」
「支援はしないのですか?」
支援をすれば攻められる事がないのなら、支援すればいい。
そう思った秘書がユリウスに質問する。
「ダメなんだよ。理由は言えないがそれをやると、どのみちこの国が終わる。あっ、これ返事の手紙。なるべく遅らせて送るぞ」
「分かりました」
部屋から出ていった秘書を見送り、ユリウスはぽつりと呟いた。
「戦争かぁ。あーめんどくせぇ。あの豚とその娘早く死ななねぇかなぁ....」
※次回はノアの視点に戻ります。
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