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なに・・・?
しおりを挟むあの乗り物から降りて、すぐ近くにあったお店に入った。
なんかすごくいい匂いがするから、多分ご飯屋さん。
座ってる人達はみんな美味しそうに何かを食べてて、床にいる人間はすごく・・・その・・・食べ散らかすかのように食べてた。
あの勢いで食べてるってことは、美味しいんだよね?
でも、床に座って素手でご飯食べてるって・・・箸とか使わないのかな?
手で触ったら熱いし汚れると思うんだけど・・・大丈夫なの?
りゅるに椅子に座らせてもらい、お水を貰った。
こういう食べ物屋さんに連れてきてもらうの初めてだから、オレは、その、どうすればいいの?
見てればいい?
それともあの人間達のように床にいた方がいい?
とりあえず、りゅるに何か言われるまで大人しく座ってた方がいいよね?
そうこう思っているうちに、あっという間に机の上は色んな食べ物で埋め尽くされた。
すごい・・・普通の人は、こんなの食べれるんだ!
わぁ、オレにも少しくれないかな・・・一口だけでも食べてみたい。
口の中が唾でいっぱいになって、ゴクリと飲み込む。
大きなお皿から小さなお皿へりゅるが料理を移し始めた。
何してるんだろ?
家でなら、そのまま食べてたのに・・・お店だとそういう決まりがあるの?
色々なものが乗った小さなお皿がオレの前に置かれた。
その隣にはスプーンとフォークがあって、頭を傾げる。
さらに皿を近付けられ、りゅるの顔を見る。
こくりと頷いたりゅるは、いつもの様に顔の前で手を組んで息を吐いた。
いただきます、の代わりか何かなのかな・・・?
オレもそれに習って手を組んで息を吐く。
その後にまたりゅるを見ると、また頷いてご飯を食べ始めた。
これ、食べていいんだよね?
頷いたって、そういう事だよね?
まぁ、ダメだったら叱られよう、うん。
フォークを持って、皿に盛られた物を刺して食べる。
美味しい・・・!
良く噛んで味わいながら、少しずつ食べていく。
ああ、美味しい、こんな美味しいもの食べれるなんて、ここ天国かな?
あー、幸せ。
皿に盛られたご飯を全て食べ、お腹を撫でる。
美味しかったー、お腹いっぱい。
「%#%###@??」
少し笑いながら、何かを問われた。
よく分からないけど、多分美味しかったか?って聞かれたと思うから、笑い返した。
ご飯の後はよく分からないお店に来た。
ここ何屋さんなのかな?
りゅるが犬みたいな人から渡された紙をパラパラと捲って、何度か手が止まったりしながら真剣に見ていた。
わぁ、色んな子が載ってる。
ウサギみたいな子に、猫みたいな子。
あ、この髪型りゅるに似てる!
バシバシとりゅるが持っている紙を叩き指を指す。
りゅる、見て、これりゅるみたい。
頷いたから伝わったのかな?
次りゅるが渡された紙には、なんかよくわからない絵が書かれていた。
指・・・?
これ何?と、一番右端の絵を指さす。
何か言われたけどよく分からないからもう一度指さすと、りゅるは紙を犬みたいな人に渡してしまった。
・・・え、あれ、何だったの?
クロと呼ばれ、りゅるが椅子を叩いたからそこに座る。
何か犬みたいな人と話したりゅるは、またさっきまで座っていた椅子に戻ってしまった。
ここに座ってたらいいの?
チラチラと鏡に映るりゅるを見ながら、ジッと動かずに居ると、犬みたいな人がハサミでオレの髪を切った。
・・・あれ、ここ、髪切るとこ?
どんな髪型になるのか、楽しみだなー。
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