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ルームメイトのやつってば、オレのクッキーを……
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「何これ、すんげえうまぃ! どこの店のやつ、キャメロン?」
オレがシャワールームを出てくると、ルームメイトのダニエルが、口をモゴモゴさせながら話しかけてきた。
「えっ! おま……く、食ったの……?」
愕然として、オレは立っていた。言葉を無くしたまま……。ダニエルのやつは、オレの様子が普通じゃないのに気づいて噛むのをやめ、目をパチクリさせる。
「どしたん? 食っちゃだめだった? てっきり、車を貸したお礼に買って来てくれたんだと思ったぜ」
配達から帰り、寮のダイニング「ランデブー」で夕飯を食べて部屋に戻ったオレは、彼女のことを悶々と考えながらシャワーを浴びていた。考えごとに夢中だったせいで、大事なクッキーを、共有の棚の上に袋ごと置いたままにしてたらしい。後で二人で分けるつもりだったからさ。まさかバスルームに入ってる間に、ルームメイトが帰ってくるとは思わなかったんだ。だってオレのシャワータイムは、こいつの半分の時間もかかんないんだからね。
「あ……うん。いや、もともとお前にもやるつもりだった。でも……その前に全部食われちまったのかと心配しただけ」
袋の中にまだ残っているのを、オレは半分ずつに分けた。
なんでそんな大事なクッキーのことを忘れてしまうほどぼーっとしてたのかわかんないけど、いずれにしろオレにとって大切なのは、実物そのものよりも、彼女がオレにくれたっていう事実なんだからってことを思い出した。ダニエルはクイっとメガネを押し上げ宣告する。
「俺たちの法律、第二条『平等』……、決めてからまだ三か月ぐらいしかたってないんだけど、もう忘れた?」
そうなんだよ。こいつの言うとおりなんだ。
オレたち共有のコーヒーコーナーの棚に置きっぱなしにしてある食べ物は、ルームメイトが勝手につまんでもいいってのがこの部屋のルール。それがスナックやなんかだったら特にね。要するにサンドイッチみたいに「食事」じゃないかぎり、相手に許可を得ないで食べていいことになっている。未開封のものなんかは別の場所にしまっておけばいいわけだし。これが新学年の始まった九月に、新しくルームメイトになったオレたちの間で決めた法律。
もっとも第二条は、食いしん坊のダニエルに有利なルールなんだが。だけどこいつは、どっちかっていうと食べ過ぎに気をつけなくちゃいけないほうだ。あと少しで「ぽっちゃり」の域に足を踏み入れちゃうからさ。いちおう平均体重の範囲内なんだけど……早い話が、彼がどんなにハンサムで女の子に人気があっても、たぶんスリムだとは思われてないってことね。
ほんとメガネの奥のグレイの瞳がしっとりとしてて、ブロンドヘアをきらめかせたダニエルに見つめられると、女の子なら誰でも舞い上がってしまうらしいんだけどね。なのに彼女たちからは「ブルイン・ベア」って呼ばれてる。いや面と向かってじゃない、こっそりとだよ。別にけなされてるんじゃなくて、可愛いくまさんって思われてるだけ。確かに、キャンパスの本屋で売ってるマスコットのブルイン・ベアのぬいぐるみはすごくかわいくて、女の子に大人気なんだけどさ。
ダニエルってば、身長は一応一七八センチだって自己申告してるけど、正直なところちょっとサバ読んでるような気がする。体重なんか絶対言わないんだ。そんなもん隠すことないじゃん。
あのさ、いちおうこいつの名誉のために言っておくと、見た目では全然太ってないんだよ。まさに平均って感じ。なのに一八三センチのオレと一緒にいると、どうしてもジーンズをローライズで履いた時なんかに、並んだ後ろ姿の差が出てしまうらしいんだ。ダークヘアのオレのほうが引き締まって見えちゃうのは、しかたないんだけど、顔だけで言えば……ダニエルのほうがルックスがいいのは事実なんだ。いやオレだってぜんぜん不細工ってことはないけど。まあ普通ってとこ。
だからこいつも、体型なんて気にしてないみたいだけどね。ま、要するにオレたちあんまりお互いコンプレックスを持ってないんだよ、二人とも。それってルームメイトとうまくやっていくのに、ほんとに大事なことだと思うよ。
「ど、どこの店のやつって……、これは買ったんじゃない……」
「へえぇ、ん? もしかして手作り?」
「ああ」
「お、そーなんだ。俺も一緒にやればよかったなぁ、クリスマス・ツリーの配達の仕事。だって届けるだけじゃなくて組み立てまでするんだもんな。心優しいばあさんとかが、こういう焼き菓子をくれちゃったりするんだ? まさに、おいしい仕事だぜ」
口に頬張ったクッキーを飲み込んで、ピースサインをオレに向ける。
「ばあさんじゃねえよ」
「お、若いの? マダム? 美人か?」
「……たぶん、オレより年下」
「え?」
そこでダニエルは、次のクッキーに手を伸ばそうとしていた動きを、はたと止めた。
「そりゃ? えっと、なんて言ったらいいか……悪かった……な」
後ろ向きに椅子にまたがり、背もたれの部分に腕を組んで、その上に思案顔をのせオレを見上げる。
「そんなこと……、あの子は食べて欲しいと思って持たせてくれたんだ。その情熱を尊重して、食おうぜ!」
いや、さすがに初対面で、「情熱」まではオレにいだいてないとは思う。
「あ、ぅん。……んでさぁ、その子ってどんな子?」
「知らない子だ。もう二度と会うことはないだろう……決してな」
家の住所だけは、知ってるけどな。
憂(うれい)がかった声でつぶやいて、オレは窓の外を見た。
落葉して裸になった木の小枝が風で揺れている。
日が暮れてなければ、そしてもっと上階の部屋なら、ダウンタウンのほうまで見渡せるんだけど。キャンパスは高台にあっても、木立が多いこの階では枝に遮られて絶景というわけにはいかない。冬枯れの枝は、風景に少し霞みをかけている。いくら温暖なロスアンジェルスとはいえ、さすがに今夜だけはちょっぴり寒そうだ。昼間はみんな戸外でアイスクリーム食べてるくらいだけど。でも冬の日中に半袖Tシャツで過ごしてるやつは、たいていオレみたいな現地人。
ダニエルは同じカリフォルニア州でも、車で五時間北へ行ったところにあるシリコンバレーの出身。いや普通の車なら五時間だけど、あの中古ピックアップ・トラックで帰ったら六時間以上かかるかもな。環境保護のためには、帰省には公共交通機関をおすすめするよ。
ちなみにうちの両親はLA北西の方に住んでて、まあ飛ばせば車で片道三十分ぐらいだからUCLAまで通えなくもないんだけど、自立心を養うために寮に住んでるんだ。
自分で言うのも僭越(せんえつ)ながら、そんなに甘やかされてないほうだと思うよ。車は持ってないし、授業料や食費は親の世話になってるが、ほら来年イタリアまで行く費用だってこうして自分で稼いでるしね。ツリーの配達以外にも、期末試験が終わってからビバリーヒルズのデパートでトランペットの演奏をするパートタイム・ジョブもやってるんだ。
おかげで女の子とデートする時間がない。モテないわけじゃないよ。ほんとだってば。
何回か交際はしたことある。でもずっと前の彼女は、オレの専攻がミュージックだから、ビジネス・スクールを目指してる三年生(ジュニア)に乗り換えられてしまったってこともあったな。まあオレのルックスとか性格とかが原因じゃないんだから気にするなって、友達は慰めてくれたけどさ。そういう打算的な女の子とは別の次元にいるつもりでいろって。
だけどだよ、そんなこと言うならダニエルなんか、アート専攻なのにいつも女の子に人気があるのはなぜなんだろ? うーん、顔か、やっぱ顔なのか? それにミュージックよりアートのほうが就職先ちょっと多いかもな? ちょっとじゃなくて、かなりだな。何しろLAは映画や舞台関係の仕事がたくさんあるからね。パラマウントやユニバーサルのあるハリウッド以外にも、バーバンクシティーのワーナー・ブラザーズや、カルバーシティーのソニー・ピクチャーズやらあちこちに、映画スタジオがあるからね。でもさ、ってことはつまりさ、映画や舞台がらみのミュージシャンが必要になってくるわけだよ。ロスアンゼルス交響楽団で演奏したいとかって、いかにもかないそうにない夢を抱いてるわけじゃないんだから、よっぽど現実性のある将来の目標だと思うよ。
だいたいさ、学生のうちから、将来の仕事まで考えてボーイフレンドを選ばなくってもいいじゃん。大学時代に付き合ってた相手と結婚するなんてありえないだろ。だいたいArtificial Intelligenceが、どう発展するかわからないんだから。
オレは溜息をついて、ルームメイトを見た。
とりあえず、例のダンディな男のことはダニエルに話すつもりはない。だってあの子って、そういういわくありげなイメージじゃなくて、「清楚」そのものだし。
あーあ。今日の出会いもさ……、オレじゃなくてダニエルだったら、あの子の名前や連絡先を聞き出していたんだろうか。そうかな……、いや、やっぱ違うな。初めは誠実さを示したり、シャイだったりしたほうが、好印象を得たりする。
それに最初から強引にアプローチしたところで、そんなのに軽々と乗ってくる女の子なんて、ガールフレンドにしたくないよ。あの子のほうから積極的に自己主張してくる姿は、それ以上に想像したくない。見ず知らずのオレにクッキーをくれたのだってさ、きっと……、きっと……
う、うっわぁ、やっべえ!! やっぱ腹減ってたのが、わかっちゃったからなんだ。Aw, gee!
「よくわからんが、なんか、ま、そういうことなんだ……」
ぽつりと呟いて立ち上がり、オレの肩に腕を回したダニエルは――こっちの背のほうが高すぎて反対側まで回りきってなかったけど――
「何も言うな、任せておけ、俺がなんとかしてやるから」
と優しく手のひらでタップしてくれた。
オレがシャワールームを出てくると、ルームメイトのダニエルが、口をモゴモゴさせながら話しかけてきた。
「えっ! おま……く、食ったの……?」
愕然として、オレは立っていた。言葉を無くしたまま……。ダニエルのやつは、オレの様子が普通じゃないのに気づいて噛むのをやめ、目をパチクリさせる。
「どしたん? 食っちゃだめだった? てっきり、車を貸したお礼に買って来てくれたんだと思ったぜ」
配達から帰り、寮のダイニング「ランデブー」で夕飯を食べて部屋に戻ったオレは、彼女のことを悶々と考えながらシャワーを浴びていた。考えごとに夢中だったせいで、大事なクッキーを、共有の棚の上に袋ごと置いたままにしてたらしい。後で二人で分けるつもりだったからさ。まさかバスルームに入ってる間に、ルームメイトが帰ってくるとは思わなかったんだ。だってオレのシャワータイムは、こいつの半分の時間もかかんないんだからね。
「あ……うん。いや、もともとお前にもやるつもりだった。でも……その前に全部食われちまったのかと心配しただけ」
袋の中にまだ残っているのを、オレは半分ずつに分けた。
なんでそんな大事なクッキーのことを忘れてしまうほどぼーっとしてたのかわかんないけど、いずれにしろオレにとって大切なのは、実物そのものよりも、彼女がオレにくれたっていう事実なんだからってことを思い出した。ダニエルはクイっとメガネを押し上げ宣告する。
「俺たちの法律、第二条『平等』……、決めてからまだ三か月ぐらいしかたってないんだけど、もう忘れた?」
そうなんだよ。こいつの言うとおりなんだ。
オレたち共有のコーヒーコーナーの棚に置きっぱなしにしてある食べ物は、ルームメイトが勝手につまんでもいいってのがこの部屋のルール。それがスナックやなんかだったら特にね。要するにサンドイッチみたいに「食事」じゃないかぎり、相手に許可を得ないで食べていいことになっている。未開封のものなんかは別の場所にしまっておけばいいわけだし。これが新学年の始まった九月に、新しくルームメイトになったオレたちの間で決めた法律。
もっとも第二条は、食いしん坊のダニエルに有利なルールなんだが。だけどこいつは、どっちかっていうと食べ過ぎに気をつけなくちゃいけないほうだ。あと少しで「ぽっちゃり」の域に足を踏み入れちゃうからさ。いちおう平均体重の範囲内なんだけど……早い話が、彼がどんなにハンサムで女の子に人気があっても、たぶんスリムだとは思われてないってことね。
ほんとメガネの奥のグレイの瞳がしっとりとしてて、ブロンドヘアをきらめかせたダニエルに見つめられると、女の子なら誰でも舞い上がってしまうらしいんだけどね。なのに彼女たちからは「ブルイン・ベア」って呼ばれてる。いや面と向かってじゃない、こっそりとだよ。別にけなされてるんじゃなくて、可愛いくまさんって思われてるだけ。確かに、キャンパスの本屋で売ってるマスコットのブルイン・ベアのぬいぐるみはすごくかわいくて、女の子に大人気なんだけどさ。
ダニエルってば、身長は一応一七八センチだって自己申告してるけど、正直なところちょっとサバ読んでるような気がする。体重なんか絶対言わないんだ。そんなもん隠すことないじゃん。
あのさ、いちおうこいつの名誉のために言っておくと、見た目では全然太ってないんだよ。まさに平均って感じ。なのに一八三センチのオレと一緒にいると、どうしてもジーンズをローライズで履いた時なんかに、並んだ後ろ姿の差が出てしまうらしいんだ。ダークヘアのオレのほうが引き締まって見えちゃうのは、しかたないんだけど、顔だけで言えば……ダニエルのほうがルックスがいいのは事実なんだ。いやオレだってぜんぜん不細工ってことはないけど。まあ普通ってとこ。
だからこいつも、体型なんて気にしてないみたいだけどね。ま、要するにオレたちあんまりお互いコンプレックスを持ってないんだよ、二人とも。それってルームメイトとうまくやっていくのに、ほんとに大事なことだと思うよ。
「ど、どこの店のやつって……、これは買ったんじゃない……」
「へえぇ、ん? もしかして手作り?」
「ああ」
「お、そーなんだ。俺も一緒にやればよかったなぁ、クリスマス・ツリーの配達の仕事。だって届けるだけじゃなくて組み立てまでするんだもんな。心優しいばあさんとかが、こういう焼き菓子をくれちゃったりするんだ? まさに、おいしい仕事だぜ」
口に頬張ったクッキーを飲み込んで、ピースサインをオレに向ける。
「ばあさんじゃねえよ」
「お、若いの? マダム? 美人か?」
「……たぶん、オレより年下」
「え?」
そこでダニエルは、次のクッキーに手を伸ばそうとしていた動きを、はたと止めた。
「そりゃ? えっと、なんて言ったらいいか……悪かった……な」
後ろ向きに椅子にまたがり、背もたれの部分に腕を組んで、その上に思案顔をのせオレを見上げる。
「そんなこと……、あの子は食べて欲しいと思って持たせてくれたんだ。その情熱を尊重して、食おうぜ!」
いや、さすがに初対面で、「情熱」まではオレにいだいてないとは思う。
「あ、ぅん。……んでさぁ、その子ってどんな子?」
「知らない子だ。もう二度と会うことはないだろう……決してな」
家の住所だけは、知ってるけどな。
憂(うれい)がかった声でつぶやいて、オレは窓の外を見た。
落葉して裸になった木の小枝が風で揺れている。
日が暮れてなければ、そしてもっと上階の部屋なら、ダウンタウンのほうまで見渡せるんだけど。キャンパスは高台にあっても、木立が多いこの階では枝に遮られて絶景というわけにはいかない。冬枯れの枝は、風景に少し霞みをかけている。いくら温暖なロスアンジェルスとはいえ、さすがに今夜だけはちょっぴり寒そうだ。昼間はみんな戸外でアイスクリーム食べてるくらいだけど。でも冬の日中に半袖Tシャツで過ごしてるやつは、たいていオレみたいな現地人。
ダニエルは同じカリフォルニア州でも、車で五時間北へ行ったところにあるシリコンバレーの出身。いや普通の車なら五時間だけど、あの中古ピックアップ・トラックで帰ったら六時間以上かかるかもな。環境保護のためには、帰省には公共交通機関をおすすめするよ。
ちなみにうちの両親はLA北西の方に住んでて、まあ飛ばせば車で片道三十分ぐらいだからUCLAまで通えなくもないんだけど、自立心を養うために寮に住んでるんだ。
自分で言うのも僭越(せんえつ)ながら、そんなに甘やかされてないほうだと思うよ。車は持ってないし、授業料や食費は親の世話になってるが、ほら来年イタリアまで行く費用だってこうして自分で稼いでるしね。ツリーの配達以外にも、期末試験が終わってからビバリーヒルズのデパートでトランペットの演奏をするパートタイム・ジョブもやってるんだ。
おかげで女の子とデートする時間がない。モテないわけじゃないよ。ほんとだってば。
何回か交際はしたことある。でもずっと前の彼女は、オレの専攻がミュージックだから、ビジネス・スクールを目指してる三年生(ジュニア)に乗り換えられてしまったってこともあったな。まあオレのルックスとか性格とかが原因じゃないんだから気にするなって、友達は慰めてくれたけどさ。そういう打算的な女の子とは別の次元にいるつもりでいろって。
だけどだよ、そんなこと言うならダニエルなんか、アート専攻なのにいつも女の子に人気があるのはなぜなんだろ? うーん、顔か、やっぱ顔なのか? それにミュージックよりアートのほうが就職先ちょっと多いかもな? ちょっとじゃなくて、かなりだな。何しろLAは映画や舞台関係の仕事がたくさんあるからね。パラマウントやユニバーサルのあるハリウッド以外にも、バーバンクシティーのワーナー・ブラザーズや、カルバーシティーのソニー・ピクチャーズやらあちこちに、映画スタジオがあるからね。でもさ、ってことはつまりさ、映画や舞台がらみのミュージシャンが必要になってくるわけだよ。ロスアンゼルス交響楽団で演奏したいとかって、いかにもかないそうにない夢を抱いてるわけじゃないんだから、よっぽど現実性のある将来の目標だと思うよ。
だいたいさ、学生のうちから、将来の仕事まで考えてボーイフレンドを選ばなくってもいいじゃん。大学時代に付き合ってた相手と結婚するなんてありえないだろ。だいたいArtificial Intelligenceが、どう発展するかわからないんだから。
オレは溜息をついて、ルームメイトを見た。
とりあえず、例のダンディな男のことはダニエルに話すつもりはない。だってあの子って、そういういわくありげなイメージじゃなくて、「清楚」そのものだし。
あーあ。今日の出会いもさ……、オレじゃなくてダニエルだったら、あの子の名前や連絡先を聞き出していたんだろうか。そうかな……、いや、やっぱ違うな。初めは誠実さを示したり、シャイだったりしたほうが、好印象を得たりする。
それに最初から強引にアプローチしたところで、そんなのに軽々と乗ってくる女の子なんて、ガールフレンドにしたくないよ。あの子のほうから積極的に自己主張してくる姿は、それ以上に想像したくない。見ず知らずのオレにクッキーをくれたのだってさ、きっと……、きっと……
う、うっわぁ、やっべえ!! やっぱ腹減ってたのが、わかっちゃったからなんだ。Aw, gee!
「よくわからんが、なんか、ま、そういうことなんだ……」
ぽつりと呟いて立ち上がり、オレの肩に腕を回したダニエルは――こっちの背のほうが高すぎて反対側まで回りきってなかったけど――
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