U C LAでつかまえて

H・カザーン

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ハッピー・ニュー・イヤー@ユニバーサルスタジオ・ハリウッド 1

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 十二月二十五日の朝、オレは家族と一緒に、マリブの丘に立っていた。
 全員で太陽が昇るのを眺めるのが、我が家のクリスマスの恒例行事なんだよね。別にさ、「日の出が神の誕生を象徴してて……」とか、そんなすごい信心深いからやってるわけじゃないよ。それよりも、家族みんなの繋がりが深まるのが感じられるからっていうか……、そんな理由で、夜明け前の暗い道を一緒に歩いてる、みたいな?
 この習慣を始めたのは、母さんと親父で、姉ちゃんが生まれた後も、ベィビィ・ビヨルンで抱っこして行事を継続してたんだって。確かにマリブ海岸は岩とか崖とか多いんだけど、リッチな邸宅も建ってるわけで、そんな本格的に登ったりはしないんだ。っていうか、トレイルをはずれると、足場がすべりやすくて危ないからね。
 日の出の瞬間の光景は、オレも小さいときから覚えてる。丘の上で、夜のしじまがバラ色の光でだんだん薄められ、ロスアンゼルスの街を浮かび上がらせてくる、魔法みたいな現象なんだよ。濃紺が朝の空に変わるにつれ、西側にある丘の向こうに、マリブのビーチが光りを帯びながら姿を見せる。わぁお、あそこが海だったんだ……って感じ。
 自然の力とか、ありがたみとか……、そういうので心がリフレッシュされて、神聖な気持ちで帰途につく。
 ……で、わが家に帰ってくると、暖炉のそばのクリスマス・ツリーの下には、プレゼントの包みが置かれてた。家族みんなへの、たくさんのラッピングの数々。
 今年のオレへの贈り物は……、開けた後しばらく声が出てこなかった。
 姉ちゃんがスマホをオレに向けて、その瞬間を撮影してる。
「どうして……?」
 両親に対して、お礼より先にそんな言葉が溢れてきた。
 ケースの中にあったのは――ずっと、ずっと憧れていた、モネ(Monette)社製のトランペット。
 学生にはもったいない、職人による手作りの逸品。それを手にして、顔をうっすら上気させてるオレの写真を、姉ちゃんに見せられた。
「あ、ありがとう、母さん、親父」
 どうしてオレが欲しがってたのを、知ってたんだろう?
 うーん……、まあそういうのは、どこの家でも似たようなものだと思うけど、家族にはわかってしまうものなんだよね。寮からたびたび家に帰ってくる、オレみたいな場合は、特にね。
 これって、もしかしてオレの音楽専攻を、全面的に応援してくれるって意味かな――とはチラッと思ったけど、両親のほうからそういう話を切り出してこなかったんで、こっちもその点には触れないことにした。オレの将来の方向性については、とうぶん様子見ってことなんだろう。
 姉ちゃんが「来年は、さらに楽しいことが起こりそうだね」って笑いかけた。
 あ、この人って意外とお茶目で、「楽しいこと」って意地悪い意味だったりもするんだよね。中学生の頃が、一番いたずら盛りでさぁ……。小学生のオレへのクリスマスギフトだって、ものすごい大きな箱をくれてさ。すんげえ期待してラッピングを開けたら、中身はなんとクロゼットからこっそり持ち出した、オレの愛用のオーバーコートだったりとかね。んで、文句を言ってやったら、笑い転げながら、ポケットの中を見ろって言うんだ。そこにはスクービードゥーの、ペンケースが入ってたんだ。
 絶対いつか、仕返ししてやる。待ってろよ、アネキ!



 ユニバーサル・スタジオ――まだよく知らない相手とでも、テンション高めに騒ぎたかったら、やっぱここだよねっていうLAのテーマパーク。こういう楽しい場所って、ガールフレンドと訪れればいっそう魅力的な所になるしね。この広い敷地内には、ほんとに映画を撮影してるスタジオがあるんだ。
 その日シャーリーンとオレの二人は、ハリウッドの丘の上にやってきていた。一月に入ると、もう冬休みなんてほぼないようなUCLAだから、短い暇を利用して、なんとかここへ遊びに来る機会を得た。ほんとクオーター制の大学って、過酷なスケジュールだぜ。
 オレたちの乗ったトラムが、一周して出発地点に戻ってくると、シャーリーンはオレと隣同士で腕が触れ合ってたのに気づいて、座り直した。え、どっちの方向にかって? うん、彼女はシャイなんで、残念ながら体を離したんだけど。
 池でジョーズが出てきたときから……、いやもっと前の3Dキング・コングが、みんなの乗ったトラムを揺らしたあたりからかな? 隣の席に座っていた彼女はすごく嬉しそうで、時おり二人の互いの肩が触れ合ってた。
 何しろトラムに乗っている人が全員叫びながら喜んでいるから、彼女が吹き付けてくる炎を指差したりしてるだけで、肩に腕を回してるみたいに思えたりするんだよね。別にそれが目的でここにきたんだろ、とか思わないでほしい。うん……、あ、やっぱりそれも嬉しいのは、正直に認める。
 本当のこというと、トラムが止まった後、オレはまだちょっと緊張していたんだ。
 高所恐怖症ってわけじゃないよ。そんな高いとこ行かないし。揺れるのも大丈夫。ジェットコースターなんかも恐竜も平気。オレが苦手なのは、つまり……はっきり言うと「ゴースト系」のやつなんだ。
 結論から言うと、このトラムツアーには、幽霊の類(たぐい)は出てこなかった。ああ、サイコの家のセットもコースにあるんだけど、まぁあれは要するに、精神の病んだ人の犯罪だったということで、お化けとはちょっと違うしね。ノーマン・ベイツ役の人がトラムを追っかけてくるのを、ガイドのお姉さんが大げさに怖がってみせて、ツアーを興奮させるんだ。ちょっと背中に、ゾクッと何か走ったかもしれない。オリジナルのノーマン・ベイツを演じた、アンソニー・パーキンスの亡霊がほんとに追いかけてきたら、もっと怖いだろうけどさ。ヒッチコックの霊が、観客を驚かせようと出てきたら……、とか想像しちゃう性格だから、オレ。仮にその亡霊ってのが、正面から出てこないで、後ろから肩をトントンって叩いたら……。あーだめ、妄想で自ら自分を怖がらせちゃってるし。
 トラム最後のアトラクション「ディズアスター!」の大地震の場面で、地下鉄の駅で燃え盛る炎に包まれていくのは、平気だったんだけど、そのすぐ後で水が押し寄せてきて、ついでに別の何かも追いかけてきそうな予感に襲われたのも、きっとまだ、ヒッチコックの亡霊のことを引きずってたんだろう。
 対してシャーリーンはと言えば、トラムを降りた後も、まだツアーの興奮から抜けきれていないように、頬を上気させていた。
「ねえ、ほんとは苦手なの?」
 うぉっと、彼女にずばり核心を突かれそうになったオレは、「あー、なんか腹減ってきたな」とごまかしてみせる。
「時どき震えてたみたい、キャメロンの肩」
「え? そう……かな」
「うん」
 彼女は立ち止まって、オレの顔を見上げた。
 ん? なんか変? オレ……。
「だっていつも、眉間に皺とか寄せないでしょ、キャメロン」
 そう言って、彼女は歩きだす。
 空は雲ひとつないいい天気。ラード・ラド・ドーナツの甘い香りが、ここまで漂ってくる。
「そういえば、私だったもんね、ユニバーサル・スタジオに来たいって言いだしたの」
 もちろんシャーリーンもオレも、ロスアンジェルスで生まれ育ったから、遠足とか家族なんかとここにきたことは何度もあった。でも数回来たぐらいじゃテーマパークを全部見てまわれるわけじゃないし、アトラクションだってその時の流行りに応じて変わる。人気のアトラクションがオープンした時や、自分の好きなやつが閉鎖されちゃう時など、そのためだけに訪れるファンはいる。 
「いや、オレも来たかったからここに決めたんだよ」
「本当に?」
「うん、ほんとに」
「ふふふっ」って頷いたシャーリーン。そのあとで「かわいい」って彼女がつぶやいた。
 えっ? いや「かわいい」とか言われちゃったら、オレの立場というもんがさ……。あ、別に、オレのこと言ってるわけじゃないのか。
「でも、素直さを人に見せられるかどうかって、大事でしょ! だって私、気取ってる人きらいだもん」
 あ、それって誰のことか、すぐにわかっちゃった。
 でもさ、あの嫌味な男の他にもう一人いるんじゃないか? もっとずっと君の近く……、たとえば同じ屋根の下なんかに。しかもシャーリーンは、気取ってるとか全く思ってない人がさぁ……。
 今日ここへ彼女を誘うのに、その人から許可をもらわなくちゃならなくて、すっげえ大変だったんだぜ。しかも門限が八時半だとか、中学生じゃないんですけどぉ、オレたち。まあ、しかたないか。大切な一人娘を守ってるんだもんね。そういう意味では責任感のある人ってことだよね、あの人は、ハーバード・ロースクールの奴みたいにただの見せかけじゃないんだ。
 ふいに通りを、ルーシーとエセルの格好をした二人が「ハッピー・ニュー・イヤー!」と手を振りながら横切り、ロウワー・ロットへ降りるエスカレーターに向かって歩いていった。五〇年代(フィフティーズ)に流行った、藤で編んだ籠みたいなバッグを肩にかけ、めいっぱいギャザーの寄ったスカート姿で、まさに「アイ・ラブ・ルーシー」のテレビ番組から抜け出てきたような二人の女性は、スタジオで働いてる人たちなのかもしれないし、ただ単にそういうコスチュームでテーマパークを歩く、一般の人かもしれない。何しろここLAだから、コスプレを楽しんでる人とか、街でもよくいるんだ。ヘアスタイルも五〇年代そのままに、細かいカールのパーマをかけていた。なかなか凝ってるよね。
 ハッピー・ニューイヤー……か、そうなんだよ。まだ今年は明けたばかり。両親と一緒に旅行に行っていたシャーリーンの冬休みは、もうこの週末しか残ってないから、会えるのは今日だけなんだ。
 そんなふうに学校のスケジュールは絶え間なくオレたちを勉学に励むよう追い立てるので、UCLAの学生はいつも忙しくしている。その陽気な笑顔の下には、結構ストレスがたまっていたりするんだ。けれど、常にある一定のストレスの下(もと)に自分を慣らしておくのも大切なことだよね。卒業して社会に出たら、もっと責任とストレスが降りかかって来るんだからさ。で、学生たちは課題の他になんやかんや手を出して、自分を更に多忙な状態にしつつも、その勢いで全部やり遂げちゃおうとするわけだよ。ほら今目の前にいる人みたいに、デバイスを使ってYouTubeビデオを作ったりなんかもそのひとつで、うちのキャンパスでもよく見られる光景だ。
 スマートフォンで自分の動画を撮っていた若い女性客は、ルーシーとエセルを追いかけて行って、インタビューしている。「アイ・ラブ・ルーシー」が最初に放映されたのは、一九五一年だけど、CBSが今でもあのレトロなショーをほとんど毎日再放送しているので、アメリカに住んでいれば誰でも一度は見たことがあるだろう。シャーリーンもしばし彼女らを目で追っていたけど、視線をオレに戻した。
 彼女の頬を包み込むように、風がハニーブロンドをふわふわと揺らす。小さな女の子みたいに……っていうか不思議の国のアリスみたいに、後ろで両手を組んで足元を見つめた後、ふと顔を上げて明るい声でオレに問いかけてきた。
「お昼ご飯、なに食べる?」 
「君はなにが食べたいの?」
「ぅ……んとね、フィッシュ・アンド・チップス好き?」
「うん、好きだよ」
「じゃハリー・ポッターの、『スリー・ブルームスティック』に行きたいな」
 
 それまで観光客にあふれた、現実性のある街並みを歩いていたはずなのに、ふと気がつくとオレたちはハリー・ポッターの世界に迷い込んでいた。いや、まあそこが目的地なんだけどね。
 地面は石畳、目の前には雪の飾りをつけた急傾斜の屋根、そして曲がった煙突……、まるで魔法にかけられたみたいに、ホグズミード村そのものの風景に足を踏み入れてたんだ。
 レストラン「スリー・ブルームスティック」の入り口をくぐり抜けると、薄暗い高い天井からひんやりとした空気がするりと降りてくる。それと入れ替わるように、みんなの話し声が天井に集められて、不気味な空気をすっごい醸し出してた。
 映画の世界そのままに、再現された二階のバルコニー、大きな鉄の輪にキャンドルを取り付けた、シンプルなシャンデリア、壁には鹿の角(つの)がたくさん飾られてて……、それらの雰囲気ある空間を通り抜けて、人びとの話し声すら魔女の会話のように耳に響いてくる。
「すぐに、揚げたてをお持ちします」
 オーダーして料金を払うと、順番待ちの番号をキャンドル・スタンドに立てたトレイを渡され、オレたちは先に席について待っていた。そう、このトレイまでレトロで、ハリー・ポッターの映画を再現してあるんだよね。
「見てあそこ」
 店の名前の由来となった、三本の箒が壁に立てかけてあるのを見つけて、シャーリーンが嬉しそうな声をあげた。
「あ、ドビー!」
 その壁の上のほうの片隅に、ドビーの影が、ほんの短い間だけ映った。
 あれ、いま何かを舐めたよね、ドビー?
「あのね、これ……」
 料理を待ってる間に、シャーリーンがショルダーバッグの中からリボンのついたラッピングを取り出して、オレの前に置いた。
「え、オレに?」
「そう。……っとね、ここへ連れてきてもらったお礼……」
 恥ずかしそうに首をちょこんとかしげて、ひたむきな眼差しを向けてくる。
 包みを開けると、中には綺麗なマフラーが入っていた。コットン製で、深いブラウンをベースに、青やグリーン系の糸が縦に織り込んであった。
「わ……ありがとう」
「そのエメラルドグリーン、あなたの瞳の色に合うと思って」
 タグのついたまま、さっそく試してみる。
 ダーク・ブラウンの部分もオレの髪にマッチして、すごくおしゃれだ。これは首に巻いて暖をとるためっていうより、どっちかというとコートの襟の外にあしらって、楽しむマフラーだね。主たる目的は、ファッションっていう。
 あ、そっか、これって……、
 シャーリーンは、お礼にって言ったけど、これはクリスマス・プレゼントのために、用意していたものなんじゃないかという気がしてきた。
 あの時……、クリスマス前に、オレが街頭でトランペットを吹く仕事をしてた時……、ウィルシャー・フォー・シーズンズ・ホテルから君とパパが出てきたあの日、シャーリーンがこの店のショッピングバッグを持ってたかどうか――
 うーん、そんな詳細は、残念ながらオレ覚えてない。でも今オレの頭ん中で、「ビバリーヒルズで、クリスマスのお買い物」っていうあの日の返信メッセージと、結びついちゃったんだよね、なぜか。
 だってこの前のパーティーの席では、渡しにくかったんじゃないかな、きっと。ほとんどいつも四人一緒だったし、気を使ったっていうかさ……。だから、今日のデート代のお礼ってこともあるけど。なんか、思いっきり都合のいいように、考えたいわけだよ、オレとしては。
「エンジョーイ!」
 その時ちょうど、待っていたフィッシュ・アンド・チップスがテーブルに届けられ、ウェイトレスは注文の待ち札番号を回収していった。熱々のフィッシュ・アンド・チップスは、ソースがちょっと甘かったけど、付け合わせのレモンをフライに振りかけて、さらにタルタルソースの中に思いっ切り絞ったらちょうどいい味加減になった感じ。
 シャーリーンも魚好きなんだ。食べ物の好みが同じで、嬉しい。
 窓の外、遠くにそびえるホグワーツの城を見ながら、フレーキーなフライド・フィッシュを、フォークで口に運ぶたびに、シャーリーンは幸せそうに味わっている。彼女が使うと手の中でくるくる可愛らしく動くフォークから、オレはなんだか目が離せなかった。
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