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冒険しましょう
冒険者ギルドに登録しました
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※説明回です。すみません。
チロ・・・。
チラッ・・・。
あれから迫力美女の案内で、冒険者ギルドの2階に上がりギルドマスターの部屋へと来た私たち。
ギルマスの部屋が広いよ、3間ぐらいブチ拭いて広げたような部屋だよ!
奥にドデーンとデカイ執務机が置いてあり、真ん中にバーンとソファセットがあり、隅に・・・。
「なに、あれ?」
思わず2度見しちゃったよ。
ベッドが置いてあるんだけどさ・・・、仮眠用なんだろうけど・・・、サイズもデカイけど・・・リネン類が真っ赤で、天蓋からのレースが黒って・・・エロいんだけど?
咄嗟に、ルネとリオネルの目を塞いだわっ!
そして、部屋の主のアンティーブ国アラスの街の冒険者ギルドマスター、ヴァネッサさん。
何度も言いますが、迫力美女です。
ボンキュッボン、プラス筋肉です。
しかも背が高い!私たちの中ではリュシアンの背が一番高いんだけど、履いているハイヒールを抜かしても、そのリュシアンと変わらないぐらい背が高い!
あと、気になるのは赤い豊かな髪に黒い角がチョコンとふたつ覗いているんです。
え?某テーマパークのキャラクターカチューシャじゃないですよね?
本物ですか?それ、何ですか?
鬼だったら、ガクブルです。
「ほら、手続きを先に済ますから、ギルドカードを出しな」
「はいはい」
アルベールは、自分のギルドカードを出して彼女に渡す。
ギルドカードは金色です。
「ほら、アンタたちはこの用紙に記入するんだよ」
ぺらりと茶色の紙を貰いました。
冒険者ギルド登録用紙と書かれていて、名前や年齢を書く欄がありますね。
羽ペンを借りて書きかき。
「ヴィー、リオネル。出身地とか分からない所は書かなくても平気ですよ」
「はーい」
頼まれても書かないわっ!
他には、得意な武器や魔法、使える生活魔法の種類、ん?緊急連絡先って何よ?
「死んだり、怪我で動けなくなったときの連絡先ですよ。家族とかですね。なければ無しって書いてください」
・・・ないってことにしよう。
他のみんなも、全員無しって書いてるし。
リュシアンとルネとリオネルは孤児、セヴランも世話になった恩人には連絡ができない身の上。
「ほら、エルフ野郎。カード返すよ。なんだい、ずいぶん長い間サボってたんだね?弟に会いに行くって言ってたと思うけど、故郷はそんなに楽しかったかい?」
「そうですね・・・。思いかけず長居をしてしまいました」
戻ってきたギルドカードを切なく眺めるアルベール。
「あと、そこの犬っころ」
「・・・俺か?」
リュシアンがギリッと目尻を吊り上げる。
犬じゃないよ?狼だよ?・・・てツッコめない私。
「アンタ、元々はBランク冒険者じゃないか。再登録扱いにしてやろうか?」
「いい。俺は新しい名前でFランク冒険者としてやり直す」
「へー」
ん?再登録できるなら、Bランク冒険者としてカード発行してもらえばいいじゃない?
「ヴィー。再登録も楽ではないですよ?お金もかかりますが、Bランク冒険者として相応しいか試験があります」
「試験?」
「同ランク冒険者との試合です」
冒険者って、どいつもこいつもバトルジャンキーばっかりだな!
しかも負けたら1つ下のランク冒険者として登録じゃなくて、新規登録扱いって損ばっかりじゃねぇか!
おおー、怖い怖い、冒険者って。
しかも試験・・・やりたかったんだろうなぁ、このギルマス。
分かりやすく両頬をぶうっと膨らませて拗ねてるよ。
「ほら、書けたら紙を寄こしな。ふんふん。じゃ、犬っころからこの水晶に手を当てて、反対の手の指をここにブスッと差して血をカードに垂らしな」
順番に言われた通りにして、ひとりひとり青銅色のカードをもらう。
私もブスッと指から血を出して、カードに垂らす。
青銅色のカードに黒い文字で、自分の名前とFランク冒険者(仮)が浮かび上がる。
「仮?」
「そうだよ。犬っころ以外のアンタたちは、条件を満たさないと冒険者資格が無効になるから気を付けな」
バサッと何枚かの紙を綴った冊子を、顔にぶつけられる。
『初心者冒険者用説明書』
マジかー。
ペラペラと紙を捲ると・・・。
「つまり、1ヶ月以内にここに載っている依頼を10個達成しないと、正規のFランク冒険者としては認められないのね」
薬草採取と街のお手伝い、指示された場所の清掃、孤児院の手伝い、ギルドのお遣い・・・か。
難しくは無さそうだけど・・・。
「真面目にこなせば、1ヶ月で達成できますよ」
ふむふむ。
Fランク冒険者になったとしても、今度は半年以内に20個の指定依頼達成が課せられて、Eランク冒険者やDランク冒険者にもそれぞれ条件がある、と。
Cランク冒険者にならないと、資格無効のルールは無くならないのね・・・。
え?私ってば冒険者登録して身分証代わりにしようと思ってて、マジな冒険者稼業をするつもりなかったんですけど・・・。
内心、冷や汗がダラダラしていたのは私とセヴランだけで、リュシアンやルネとリオネルはやる気MAXで、ウキウキわくわくしてました。
マジかー。
「おや?皆さんファミリーネームを足したんですね?」
「ほえ?」
ファミリーネームなんかあったけ?
「ヴァネッサ。私のカードの名前も変えてください。アルベール・シルヴィーと」
「え?ええーっ!」
何?みんな、シルヴィーって登録したの?
いやいや、それは私の名前でしょ?
おたおたする私に、リュシアンが悪戯っ子な顔でニヤリと笑って。
「俺たちは家族だからな」
・・・そういえば、私の鑑定で「シルヴィーの家族」って出たけど・・・。
「ほら、ヴィーもカードにヴィー・シルヴィーと入れてもらいましょう」
「・・・・・・。うん」
ちょっと恥ずかしいけど、お願いします。
「あいよ」
ヴァネッサギルマスは、そんな私にニカッと気持ちよく笑ったのだった。
・・・そういえば、貴方様はうちのアルベールとどんな関係なんでしょうか?
チロ・・・。
チラッ・・・。
あれから迫力美女の案内で、冒険者ギルドの2階に上がりギルドマスターの部屋へと来た私たち。
ギルマスの部屋が広いよ、3間ぐらいブチ拭いて広げたような部屋だよ!
奥にドデーンとデカイ執務机が置いてあり、真ん中にバーンとソファセットがあり、隅に・・・。
「なに、あれ?」
思わず2度見しちゃったよ。
ベッドが置いてあるんだけどさ・・・、仮眠用なんだろうけど・・・、サイズもデカイけど・・・リネン類が真っ赤で、天蓋からのレースが黒って・・・エロいんだけど?
咄嗟に、ルネとリオネルの目を塞いだわっ!
そして、部屋の主のアンティーブ国アラスの街の冒険者ギルドマスター、ヴァネッサさん。
何度も言いますが、迫力美女です。
ボンキュッボン、プラス筋肉です。
しかも背が高い!私たちの中ではリュシアンの背が一番高いんだけど、履いているハイヒールを抜かしても、そのリュシアンと変わらないぐらい背が高い!
あと、気になるのは赤い豊かな髪に黒い角がチョコンとふたつ覗いているんです。
え?某テーマパークのキャラクターカチューシャじゃないですよね?
本物ですか?それ、何ですか?
鬼だったら、ガクブルです。
「ほら、手続きを先に済ますから、ギルドカードを出しな」
「はいはい」
アルベールは、自分のギルドカードを出して彼女に渡す。
ギルドカードは金色です。
「ほら、アンタたちはこの用紙に記入するんだよ」
ぺらりと茶色の紙を貰いました。
冒険者ギルド登録用紙と書かれていて、名前や年齢を書く欄がありますね。
羽ペンを借りて書きかき。
「ヴィー、リオネル。出身地とか分からない所は書かなくても平気ですよ」
「はーい」
頼まれても書かないわっ!
他には、得意な武器や魔法、使える生活魔法の種類、ん?緊急連絡先って何よ?
「死んだり、怪我で動けなくなったときの連絡先ですよ。家族とかですね。なければ無しって書いてください」
・・・ないってことにしよう。
他のみんなも、全員無しって書いてるし。
リュシアンとルネとリオネルは孤児、セヴランも世話になった恩人には連絡ができない身の上。
「ほら、エルフ野郎。カード返すよ。なんだい、ずいぶん長い間サボってたんだね?弟に会いに行くって言ってたと思うけど、故郷はそんなに楽しかったかい?」
「そうですね・・・。思いかけず長居をしてしまいました」
戻ってきたギルドカードを切なく眺めるアルベール。
「あと、そこの犬っころ」
「・・・俺か?」
リュシアンがギリッと目尻を吊り上げる。
犬じゃないよ?狼だよ?・・・てツッコめない私。
「アンタ、元々はBランク冒険者じゃないか。再登録扱いにしてやろうか?」
「いい。俺は新しい名前でFランク冒険者としてやり直す」
「へー」
ん?再登録できるなら、Bランク冒険者としてカード発行してもらえばいいじゃない?
「ヴィー。再登録も楽ではないですよ?お金もかかりますが、Bランク冒険者として相応しいか試験があります」
「試験?」
「同ランク冒険者との試合です」
冒険者って、どいつもこいつもバトルジャンキーばっかりだな!
しかも負けたら1つ下のランク冒険者として登録じゃなくて、新規登録扱いって損ばっかりじゃねぇか!
おおー、怖い怖い、冒険者って。
しかも試験・・・やりたかったんだろうなぁ、このギルマス。
分かりやすく両頬をぶうっと膨らませて拗ねてるよ。
「ほら、書けたら紙を寄こしな。ふんふん。じゃ、犬っころからこの水晶に手を当てて、反対の手の指をここにブスッと差して血をカードに垂らしな」
順番に言われた通りにして、ひとりひとり青銅色のカードをもらう。
私もブスッと指から血を出して、カードに垂らす。
青銅色のカードに黒い文字で、自分の名前とFランク冒険者(仮)が浮かび上がる。
「仮?」
「そうだよ。犬っころ以外のアンタたちは、条件を満たさないと冒険者資格が無効になるから気を付けな」
バサッと何枚かの紙を綴った冊子を、顔にぶつけられる。
『初心者冒険者用説明書』
マジかー。
ペラペラと紙を捲ると・・・。
「つまり、1ヶ月以内にここに載っている依頼を10個達成しないと、正規のFランク冒険者としては認められないのね」
薬草採取と街のお手伝い、指示された場所の清掃、孤児院の手伝い、ギルドのお遣い・・・か。
難しくは無さそうだけど・・・。
「真面目にこなせば、1ヶ月で達成できますよ」
ふむふむ。
Fランク冒険者になったとしても、今度は半年以内に20個の指定依頼達成が課せられて、Eランク冒険者やDランク冒険者にもそれぞれ条件がある、と。
Cランク冒険者にならないと、資格無効のルールは無くならないのね・・・。
え?私ってば冒険者登録して身分証代わりにしようと思ってて、マジな冒険者稼業をするつもりなかったんですけど・・・。
内心、冷や汗がダラダラしていたのは私とセヴランだけで、リュシアンやルネとリオネルはやる気MAXで、ウキウキわくわくしてました。
マジかー。
「おや?皆さんファミリーネームを足したんですね?」
「ほえ?」
ファミリーネームなんかあったけ?
「ヴァネッサ。私のカードの名前も変えてください。アルベール・シルヴィーと」
「え?ええーっ!」
何?みんな、シルヴィーって登録したの?
いやいや、それは私の名前でしょ?
おたおたする私に、リュシアンが悪戯っ子な顔でニヤリと笑って。
「俺たちは家族だからな」
・・・そういえば、私の鑑定で「シルヴィーの家族」って出たけど・・・。
「ほら、ヴィーもカードにヴィー・シルヴィーと入れてもらいましょう」
「・・・・・・。うん」
ちょっと恥ずかしいけど、お願いします。
「あいよ」
ヴァネッサギルマスは、そんな私にニカッと気持ちよく笑ったのだった。
・・・そういえば、貴方様はうちのアルベールとどんな関係なんでしょうか?
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