悪役令嬢は男装して、魔法騎士として生きる。

金田のん

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第3章 入団までの1年間(2)、帝国の陰謀とグラナダ迷宮

40:勇者の過去(1)光輝という男

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召喚された勇者でもあり、ルナリア帝国帝王の奴隷でもあるオレの本名は、仲河光輝ナカガワコウキという。

元々は日本の大学生だ。

現役で、難関と言われる都内の私立校に進学した理工学部1年生の18歳。

父親がオランダ人・母親が日本人のため、2つの国籍を持つハーフ。
母親に似て黒目黒髪ではあるのだが、陽の光があたると、父の色が少し出て、目はうっすらとエメラルドグリーンに輝き、髪も少し茶色く見える。

そして肌の色も白人に近く、179cmと身長が平均より少し高め。

そんなオレは昔からモテていた。
だけど、彼女はずっと作らなかった。

中学生のころから憧れていた女性がいたからだ。オレのほうが、7歳も年下のため、全く見向きもされていなかったのだが・・・・。

大学に入ってから徐々に距離を詰め、少し意識をしてもらえるようになり・・・ついに彼女になってくれた。

・・・・・・その喜びの日、念願の思いが成就したその日の夜に、それはおきた。

帰宅後、自宅の部屋でさっそく彼女に電話をかけている途中・・・足元にゲームの中でしか見たことのない魔法陣が現れたのだ。


「うわっ・・・なんだ、急に?・・・・・・気持ち悪っっ・・・・・」


思わずオレが呟いた瞬間、目の前の空間がゆがんだ。
車酔いの時のような三半規管がイカれたよう状態になり、本当に吐きそうな気分になる。

そうして、吐き気を抑えながら立ちつくすこと数十秒。

気づくとオレは何もない空間の中に1人立っていた。
いや・・・1人ではない、目の前には・・・・まばゆい光を放つなにか・・・がいた。

なにか・・・は自分を、異世界の女神である<カトレア>と名乗った。
オレは呆然としていたが、<カトレア>はかまわず、オレに話しかけた。


「私の世界を救ってほしい、異世界の勇者」


・・・と。

当然、その言葉をうけて、オレは思う。


(ああ・・・これ、<異世界転移物>、しかも<勇者召喚物>じゃないか・・・)


・・・・・と。

こういう展開を夢見る人もいるだろうが、オレはいまそんな展開、望んじゃいなかった。
VRMMOのアクションゲームは好きだから、少しだけ<勇者>という言葉に魅力は感じる。

でも・・・これから彼女<理奈>と思う存分、いちゃつく生活を送る予定だったのだ。

当然、異世界を救うことになど、全く興味はない。早く帰してほしい。
電話の途中だったのだ。

思わずうなり、尋ねる。・・・・まぶしいから、目を細めながら・・・・。


「やりたくないので、他の人に頼んでくれませんか?」

「ここに呼んだ時点で、悪いけど、召喚は決定しているんだ」


その答えに、オレはまたうなる。・・・先ほどより少し低くなった声で。


「役目が終わったら、すぐ帰してくれるのでしょうか?」

「帰せる・・・けど、残念なことに同じ時間軸には帰せないんだ。

こっちでの1年はあっちでの1か月になるの。だから、もし5年こっちで過ごしたら、あっちは5か月後に戻ることになるんだよ。

・・・・5年経った姿のまま・・・・」


カトレアの言葉にオレは思わず、無言になる。

(そこまで悪い条件ではない・・・)と思ってしまったのだ。
彼女とは7歳差。・・・つまり異世界で7年経って戻ってくれば、同い年ということだ。

もちろん戸籍上は違うかもしれない。

でも、長い間抱えていた彼女より<精神的にも肉体的にも年下>という劣等感をこれ以上感じなくて済むかもしれないのは、かなり魅力的だった。

オレが前向きになったのが分かったのだろう。
カトレアの声は、少し弾んだ声になった。

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<説明回なので簡単な要約>
・光輝は、大学生。憧れだった人→理奈(レティシアの前世か?)と付き合えたばかりで浮かれている
・そんな中、光輝は女神に勇者召喚された。行きたくなかったが、異世界に行けば7歳年上の彼女・理奈と<精神的にも肉体的にも>同い年になれるかもしれないと言われ、前向きになる
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