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番外編
引越
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あれから十数年経ち、幼かった姉の息子のカイルも成人を迎え、伯爵家を継ぐこととなった。
僕が伯爵家に在籍することで王家より『公妾の夫に対する手当金』が入るから、代替わりしても僕は伯爵家に籍が残ったままだ。
とはいっても流石に甥が花嫁を迎え、新婚生活を送るのに叔父が敷地内にいるのはよろしくない。
なので僕とオニキスは別邸を離れ、領地内にある別の屋敷に引っ越すことになった。
そのため数日前から僕とオニキスは荷造りの準備を始めていた。
「オニキス、荷造りは終わったかい?」
大まかな荷物は使用人が纏めてくれるので、僕達は個人的な私物を纏めていた。
「うーん、もうちょっと……。昔貰ったラウロからのプレゼントを見ていたら遅くなっちゃって……」
どうやら僕が昔贈った宝飾品や服を見ていたら懐かしくなり、そのまま手が止まってしまったらしい。
ちなみにそれは僕も同じだ。オニキスが初めて刺繍したハンカチや、押し花で作った栞を見ていたらそうなった。
「コレとかコレとか……あの頃を思い出して懐かしくなっちゃったの、ふふ」
ふわりと微笑むオニキスはあの頃と変わらず可愛らしい。
変わったといえば発音が滑らかになったな。だが、あの頃のたどたどしい言い方も可愛くてよかった。
僕が伯爵家に在籍することで王家より『公妾の夫に対する手当金』が入るから、代替わりしても僕は伯爵家に籍が残ったままだ。
とはいっても流石に甥が花嫁を迎え、新婚生活を送るのに叔父が敷地内にいるのはよろしくない。
なので僕とオニキスは別邸を離れ、領地内にある別の屋敷に引っ越すことになった。
そのため数日前から僕とオニキスは荷造りの準備を始めていた。
「オニキス、荷造りは終わったかい?」
大まかな荷物は使用人が纏めてくれるので、僕達は個人的な私物を纏めていた。
「うーん、もうちょっと……。昔貰ったラウロからのプレゼントを見ていたら遅くなっちゃって……」
どうやら僕が昔贈った宝飾品や服を見ていたら懐かしくなり、そのまま手が止まってしまったらしい。
ちなみにそれは僕も同じだ。オニキスが初めて刺繍したハンカチや、押し花で作った栞を見ていたらそうなった。
「コレとかコレとか……あの頃を思い出して懐かしくなっちゃったの、ふふ」
ふわりと微笑むオニキスはあの頃と変わらず可愛らしい。
変わったといえば発音が滑らかになったな。だが、あの頃のたどたどしい言い方も可愛くてよかった。
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