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雨降って

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 「チョココロネウイルスのスパイクタンパク質の設計図となるmRNA(メッセンジャーRNA)を脂質の膜に包んだワクチン… このワクチンを接種し、mRNAが人の細胞内に取り込まれると、細胞内でスパイクタンパク質が作られ、その後、免疫の仕組みが働き、ウイルスを攻撃する抗体を作るよう促します…世の中の人は何でこれだけで理解出来るんだ…順番にいこう。mRNAはDNAに保持されている遺伝情報のコピーであり、リボソームで翻訳されタンパク質が合成されます…タンパク質って人体に必要だよな…リボソームは、タンパク質複合体…。
 釈っ迦が、RNAってどういうことなんだ?タンパク質を作ってたってこと?それが、何だって梵っ字の力が必要だったんだ?分からんのだが。」
 
 「済まん。間違ったようだ。」
 「…」
 ふざけんなよ!
 何だ、こいつ。
 確信が無いなら言うなよ。
 格好ばっかりつけて、無責任な奴って本当に嫌いだ。
 こういう、無神経、無自覚な奴が世の中に蔓延るんだよな。
 憎まれっ子世にはばかる。
 だから、梵っ字が蔓延って世の中がめちゃくちゃなんだろ。
 何千年前に死んだくせに、何時まで迷惑かけるんだ。
 死んだよな。
 今も、分体とかになって生きてるんじゃないだろうな。

 「済まん。」
 「悪いとも思ってないくせに謝るな。行動で示せよ。それで?」
 「生きてる…それで、また暗示にかかって敵に利用されて、貴方に迷惑をかけています…!」
 謝れば済むと思ってる態度がムカつく。

 「免疫機能の方だと思います!今度は本当に!」

 免疫…
 「…免疫システムは、基本的に2つの仕組みから成り立つ…1つは「自然免疫」。常に体内を監視し、侵入者に対していち早く攻撃態勢を整え、異物が侵入した初期段階の防衛線。2つ目の「獲得免疫」は、高度な生命体のみに備わったシステム。強い破壊力を持ち、がんなどの強力な敵に対抗します。特定の病気に対して抗体を持つのもこのシステムのお蔭…この、獲得免疫の方?」
 「合っているわ!今度こそ、それで良いはずよ!」
 「…免疫システムは、がん細胞などを異物だと認識することで起動…その“認識”という重要な役目を担っているのが「樹状細胞」。樹状細胞は免疫の総司令官といわれるほど優秀な細胞で…この感じなら、細かくて、強い梵っ字の特性を活かせそうではあるけど…雅魔藻流は、何か分からないか?俺と入れ替えをしていたって…」
 …反応が無い。
 くそ。
 突飛もないことして、思わせぶりなことやら、思いつきで無責任なこと言って話を混ぜっ返して、それっきりとか、分体だから何してもいいと思いやがって…

 「苦しめて、核を抜いて、性行為をして入れ替えるのだわ!」
 おお。
 流石ヨーデルの人!
 かろうじて、協力はしてくれる。
 一人じゃどうしようもない。
 有り難い。
 
 ーん?
 苦しめて、核を抜いて、性行為をして入れ替える…?

 「フラッシュバックと、アディクション…?」
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