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何、してくれてますのん?

王様達よ。

魔術の練習場にと

そんな簡単にダンジョンを…

……えっ?

私がおかしいの?

この世界じゃぁ

魔術の練習はダンジョンで

するものなの?

ダンジョンってそんな簡単に作れるものなの?



いや、違うよね?


だって私達しか入れないって言ってたし…


皆さん?


何で目を逸らすのかな?


「火の王?」

ん?

みたいな顔してても

目を合わせないのは

何故ですか?

「水の王?」

「えっ?
えっとですね?」

誰に助けを求めてるんですか?

そして皆下を見て目を合わせないのは何故ですか?

こういう時は

ハッキリ発言しそうな王に聞きましょう。

「風の王?」


「…うん?

だってダンジョンだよ?

面白そうじゃん?

真由実専用なんだから

何時でも実戦練習出来るし

うち等もお菓子のお礼がしたかったから

頑張って力を出し合ったよ!」


うん。

普通ではなく

面白そうだから作ったのね?

簡単に作れる訳ではないけど

お菓子のお礼として

皆で力を出し合い

私の為に作ってくれたと。



「ごめんなさい。

真由実は何も要らないと言うし

私達と契約してくれないから

それならダンジョンを作って

魔術の練習とドロップ品をお礼にしようと皆で話たの…。」

「お礼大事。」

コクコクコク。

私に聞かれると要らないと言われるだろうと

念話で会話をして

不審に思う前に実行したそうです。

「地のもそうだが、

闇のがこんなに気に入るなんて本当に珍しいんだ。

俺らもだが2人がこういう事に参加する機会は貴重だから

こいつ等の為にも

俺達の気持ちを受けてくれないか?」


……ズルっ!

そんな言い方されたら

断れる訳無いじゃないですか!

しかももう作ってしまっているし。

皆さんの気持ちを踏みにじる様な事はしたくないありません。

「皆さん有り難うございます。
是非利用させて下さい。」

そう言って頭を下げると

皆さん喜んでくれました。


「まずは初歩の練習から。」

本当に地の王と闇の王は

無口なのでしょうか?

言葉数は少ないけど

先程も闇の王は発言していたし

今も地の王が発言していますよ?

あっ、

本当に珍しいんですね?

又皆さん驚いてから笑ってるし…

皆さん、

地と闇の王が率先して発言しているのが

嬉しい様です。

私も無口な人が打ち解けてくれるのは

嬉しいです。

「はい。
初歩の練習も含めて
コレから宜しくお願いします。」

ニコニコ皆で笑いあい

誰から教えていくかという事になり、

まずは今回やる気な2人からと地と闇の王の2人セットで

順番に教えてくれる事になりました。

ダンジョンが出来上がるまで

時間もあるし、

急いで覚える必要もないので

ゆっくりと教えてもらう予定です。

来週のお休みに

又皆でお茶会をして

その後に少し教えてもらいましょう。

皆もお茶会は大歓迎だと

賛成してくれました。


「お茶会の時以外でも

何かあれば

強く念じてくれれば

スグ応えるからな!」

「はぇ?」


念じる?


何でも加護を与えた相手から
なら

念話まではいかなくても

強く念じる事で気持ちが伝わる様で

契約者の様に直接念話的な事は無理でも

気持ちに応える形で

言葉を届けたり

その場に訪れたりする事が出来ると。


……王ですよね…?

王がそんなに身軽に対応して良いのだろうか…?

本人達がイイのなら良いのですね。


後に他の精霊さんに聞いたところ、

精霊王に近ければ近い程

精霊の代表の如く

自由で気ままな存在になっていくものなのだとか。

例え契約者相手だろうと気が向かなければ

拒否する事もあるし、

契約した後でも

相手の事が嫌になれば

何時でも契約解除すると。

なので元々王達には長い間

契約者が居ないのだと。

「王達が契約したがるなんて貴重な機会なんだから

契約しない真由実も変わり者だよね~。」

と言われてしまいました。

でも実際加護だけでもかなりな効果があるようだし

王達皆と契約なんてしたら

更に寿命が延びると言うのだから

本当にしなくて良かったと思うよ?

だって更に寿命が延びるとか

エルフでもない人間がいつまでも若いままになるんでしょ?

周りの人の反応が怖いよ。

いくら魔力量が多すぎると

長寿で若さを保つと言われてても

それは有名な魔術師とか極一部の人であって

普通のうどん屋の人間ではないよね?

チートがバレたり

王達との契約がバレたりしたら

欲目で見る人や妬みなど、

又おバカさんがでて来る可能性もあるのでしょ?

いつまでも若いままなんて

絶対欲しがる人が出て来る事間違いなしで

あらゆる悪意を向けられそうじゃないですか。

折角ムギちゃんミルちゃんと

楽しくスローライフしてるのを邪魔なんかされたくない!

だから契約をことわったのは

英断なんです。


決して面倒くさがりとか

変わり者とかでは無いんです!

目立たずひっそりスローライフや

冒険者なんです!

精霊王の契約なんて事がバレたら

色々な事を頼まれたり

精霊王の力を利用しようと依頼されたりで

スローライフでも

気ままでもなくなるのが

嫌なんです!



じゃぁ王じゃなければ契約するのか?

逆に聞くけど他の精霊達が私に契約を持ちかけるのを

王達が許すと思う?

……でしょう?

他の精霊とするなら自分達とって言うに決まってます。

だから精霊達とは契約はしないんです。


というひと幕もありました。



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