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第92話 着替えと静香石
しおりを挟むしかし、その前に着替えだ。
「エマ様。こちらが、デイモンド伯より頂いたシュミーズですわ」
「ありがとう」
「どれも上質な生地を使ってますから、着心地が良いはずです」
ナタリナから渡された包みを、ベッドの枕元においた。
着替えの時は、ナタリナは隣の部屋に移動する。それを確認してから、エマは引き出しから木箱を取り出した。
前に王太子にもらった静香石(せいこうせき)だ。
「これも、毎日使ってるけど……大丈夫かな?」
魔道具とはいえ、頻繁に使用して効果が薄れたりしないだろうか。
自分では、フェロモンが漏れてるか分からないので、ナタリナに注意してもらうよう頼むことにする。
エマはベッドの上に座り込むと、夜着の裾をまくり上げた。
挿入しやすいように、脚を開いて、自らの股間を覗く。
静香石は蕾に挿れるので、エマは左手を伸ばして、入り口に触れた。
「ンッ……ぁ、っ、ぁぁんっ」
指先で優しく撫でながら、ゆっくり指を入れる。
濡れていない蕾を無理に開くと、痛みがあるので、エマはいつも挿入時にルシアンの手を思い出すようにしていた。
「ぁ、ぁぁっ……んぁ、ッ、ルシアンさまぁ……っ」
昨日、王立美術館の休憩室でルシアンに愛撫されたことを思い出す。
ルシアンの形の良い唇がエマの半身に触れ、そのまま飲み込んで、舌でなめ上げて……。
「ひぁぁっ、ぁんっ、ぁぁッ」
思い出すだけで、ムクッと雄が勃ち上がった。
ズクンと腰が疼き、エマは無意識に空いた手で雄を包む。
「あぁぁっ、ァァ、ッ……ルシアン、さまぁっ」
昂ぶりを扱きながら、蕾に挿れた指を激しく動かす。
ルシアンを想い慰めているうちに、蕾から愛液があふれる。先端からも白い蜜がこぼれて、躰が一気に熱くなった。
(ルシアン様っ、もっと、……ぁぁっ)
記憶の中の愛撫に酔いしれながら、エマはあっけなく絶頂に達した。
「ぁ、ぁんっ、っ……ひあぁぁぁっ!」
ビクッと躰が跳ねて、弾けた精が股間を濡らす。
息を乱しながら、エマは傍らに置いた静香石を手に取った。
「んっ……はぁ、はぁ……んんっ」
蕾を緩めるだけのつもりが、またルシアンを想って慰めてしまった。
(あぁ……ルシアン様っ)
はしたなく自慰にふける姿をみたら、きっと幻滅される。
エマは唇を噛んで、濡れた蕾に静香石を押し当てた。
すると、蕾はきゅっと吸い付くようにすぼまった。
「ぁ、んぅ……ぁん、ぁぁっ」
少し押し込むだけで、蕾は喜んで静香石を飲み込む。
最初は挿れるのさえ怖かったのに、今ではすっかり慣れてしまった。
「はぁ……」
エマはゆっくりと体を起こして、布で股間の汚れを拭き取った。
静香石を入れたら、次は着替えだ。
ルシアンからもらった包みを開いてみると、数枚の肌着が収められている。絹の肌着だけでなく、リネンやコットンで作られたものもあった。
どれも、エマが持っているものに比べて、生地が柔らかい。レースで縁取りしたものや、ピンクや赤の糸で、可愛らしく刺繍が施してある。
一枚、手に取って、その肌触りに驚いた。指がすべるほど、滑らかな布だ。
エマは夜着を脱いで、体の汗を拭い取ると、さっそく着てみた。
「すごい……軽いし、チクチクしない」
ふわりと包まれるような感覚に、思わず笑みを浮かべた。
(こんなに上等なシュミーズを、何枚も贈って下さるなんて)
また、あの高価なドレスを着るはずだから、肌着もドレスに合わせてそれなりのものを身に纏うのが常識だ。そのために贈ってくれたのだと分かっても、嬉しかった。
ドレスは借り物だけど、この新しい肌着は、エマのものだから。
(僕には、ちょっと高価すぎるけど)
ほつれもない、つぎはぎでもない、ちゃんとした肌着を着られることが、エマにとっての贅沢で、幸せだった。
「へへ」
可愛い肌着を見下ろし、エマはくるりと回った。
ふわっと裾が広がり、レースがアクセントになってとても可愛らしい。
エマは満足して、次に法衣を着ようとした。
そこで、ハッと思い出す。
「そういえば、下着があったよね」
昨日、ルシアンから女性用の下着をもらったのだ。そして、今日はそれを着けてくると約束した。
「あんな小さな布……破れちゃいそうなのに」
エマは迷いながらも、先ほどの木箱が入っていた引き出しを開けて、奥から包みを取り出す。エマは、その包みをナタリナにも預けず、懐に入れてこっそり持ち帰っていたのだ。
(だって、ルシアン様以外に見せないって、約束したから)
それに、ナタリナに見せたら、怒られそうな気もした。
エマは包みをベッドの上で広げる。
中身は、淡いピンク色の小さな布きれが一枚。極薄シルクとレースで仕立てられ、裾や縁には細やかなレース刺繍が施されている。
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