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和国グルメを召し上がれ!

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お祭りの会場に来たら、あちこちからいい匂いがしてきて私のお腹が盛大に鳴り出した。

恥ずかしいなぁ…と思いながら、デイブさんを見たら

「ごめん!商談に夢中になってたからお昼食べてないんだね。

ミディさんのお腹は正直で可愛いね!

お祭りの出店の前に食事に行こうか。

ミディさんが気に入りそうなとこへ行こう!」

デイブさん…

やっぱり紳士だな。

お腹鳴らしても茶化さないんだね。

「和国でしか食べられない物がまべたいなぁ。

お腹空いてるから、ガツンとくるヤツ希望で!」


「お姫様の希望通りの場所にお連れしますよ」

「楽しみ!早く行こう!」

私は自然にデイブさんの手を取っていた。

デイブさんといると常に自然体でいられて居心地がよいのだ。

彼の案内でやってきたのは、揚げ物の美味しい匂いがプンプンするお店。

「いらっしゃいませ!

おや?久しぶりじゃないか?

可愛いお嬢さんと一緒かい?

来てくれて嬉しいよ」

店主らしき人が話かけてきた。

「大将!いつもの席で。大盛りふたつ!」

「はいよ!お嬢さんも大盛りかい?」

「残ったら俺が食べるよ!」

馴染みのお店らしく、店主と親しげに話すデイブさんを見てなんだかほっこりした。

大盛りの名前通り…ご飯の上に天高く積み上げられたフライ…

天ぷらという名前らしい。

甘辛いタレが染みているけど、食べたらサクサクな天ぷらを食べながらタレが染み込んだご飯を食べて…

何とも幸せな気分になる。

合間に見た目がプリンっぽい茶碗蒸しという料理を食べつつ

またサクサクを食べて…

いつの間にか完食していた。

隣のデイブさんは次の段階に入っていて、灰色の細い麺をすすりながらタレにはつけていないサクサクの天ぷらを食べている。

「お嬢さんはまだ食べられそうかい?

食べられるなら、蕎麦を茹でるよ?」

「まだ食べます!

そば?初めて食べるから楽しみ!

デイブさん!

美味しいとこに連れてきてくれて有難う」

「気に入ってくれると思ったよ。

ここの店主が揚げる天ぷらは最高なんだ!

今から食べる蕎麦も絶品だからね」

にこにこしながら話すデイブを見て店主は、

あの無口なデイブが女の子と笑って話すなんて…

和国から出て良かったんだな。どうやらジュビアにいい縁があったんだなと密かに喜んでいた。
 
ミディは、絶品の蕎麦を堪能した後におまけのあんみつを食べきり店主から喜ばれていた。

「お嬢さんみたいに、気持ち良く食べる女性は初めてだよ。

また、連れてきてもらいなよ。

ひとりでも来てくれたらいいよ?

いつでもサービスするからな」

「有難う!本当に美味しかったわ。

ねぇ。お土産に天ぷらとお蕎麦のセット作ってもらえないかな?

お祭り見た後に取りにくるから。

10人分お願い出来ますか?」

「いいけど、蕎麦は伸びたら美味しくないし、天ぷらも揚げたてじゃないと…」 
 
「大丈夫!時間止めるから!」

「それなら、店に来る前に連絡くれたら作っておくよ。

毎度あり!」

「後から連絡するよ!

じゃあ、行こうか」

◇◇◇◇◇

ミディとデイブは今からお祭りに!

次回はようやくお祭りデートかな?










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