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とりあえず、状況把握…
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それから俺の受難の日々は始まった。
中身は十八歳の俺からすると、何から何まで年若い女の人に世話されるのは恥ずかしくて仕方なかった。
ようやく食事や排泄が自分でできるようになったころ、俺は自分を取り巻く状況が普通ではないことに気づいた。
生まれたての時は目が弱くてわからなかったが、徐々に目が発達していくと、部屋の全貌が掴めるようになった。
部屋はいつかテレビで見たヨーロッパの城のなかのような様子で、しかし、異様なものが一つ。
部屋にあるいくつかの窓のほとんどが、鉄の板で塞がれていた。
また、生活のなかでも、俺と関わりがあるのは生まれた時から一緒にいるメイド服の女の人だけで、それ以外の人とは会ったこともない。
そのメイド服の女性も極力部屋を出入りしないし、するときはなにやら複雑な手続きをしてやっと扉が開かれていた。
(つまり俺は、監禁、されているってことか…)
俺にとってそれはとてもストレスのかかることだった。
大人の望むように丸く削られていく人生が嫌でナイフのように尖ったヤンキーの道を選んだんだ。
転生してもそれは変わらない。
誰かの望むようにここで閉じこもって過ごすのなんて耐えられない。
「いつかれったいらっしゅつしれあう(いつか絶対脱出してやる…)」
そんな俺の不穏な呟きはメイド服の女には聞き取れなかったらしく、女は首を傾げて
「今日はたくさんしゃべられますのね」
と言って微笑んだ。
「あうー…」
まずこのメイドと会話できるようにしなくては。
中身は十八歳の俺からすると、何から何まで年若い女の人に世話されるのは恥ずかしくて仕方なかった。
ようやく食事や排泄が自分でできるようになったころ、俺は自分を取り巻く状況が普通ではないことに気づいた。
生まれたての時は目が弱くてわからなかったが、徐々に目が発達していくと、部屋の全貌が掴めるようになった。
部屋はいつかテレビで見たヨーロッパの城のなかのような様子で、しかし、異様なものが一つ。
部屋にあるいくつかの窓のほとんどが、鉄の板で塞がれていた。
また、生活のなかでも、俺と関わりがあるのは生まれた時から一緒にいるメイド服の女の人だけで、それ以外の人とは会ったこともない。
そのメイド服の女性も極力部屋を出入りしないし、するときはなにやら複雑な手続きをしてやっと扉が開かれていた。
(つまり俺は、監禁、されているってことか…)
俺にとってそれはとてもストレスのかかることだった。
大人の望むように丸く削られていく人生が嫌でナイフのように尖ったヤンキーの道を選んだんだ。
転生してもそれは変わらない。
誰かの望むようにここで閉じこもって過ごすのなんて耐えられない。
「いつかれったいらっしゅつしれあう(いつか絶対脱出してやる…)」
そんな俺の不穏な呟きはメイド服の女には聞き取れなかったらしく、女は首を傾げて
「今日はたくさんしゃべられますのね」
と言って微笑んだ。
「あうー…」
まずこのメイドと会話できるようにしなくては。
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