19 / 28
19
しおりを挟むその光景を自分でも確認した彩香は、羞恥心に眩暈がしそうになった。揺れる胸は、本当に自分の肢体なのかと疑いたくなるほどに、卑猥に見えた。
「へんなとこ、見ないでくださ……っ」
「目の前でおっぱい揺れてたら、見ちゃうでしょ」
笑いながら返答するローランドの凌辱の眼差しは、乳房から離れない。
それが恥ずかしくて、彩香は腕で胸を隠そうとしたけれども、それは彼に両腕を引っぱられることで呆気なく阻まれた。
「こーら、隠すんじゃないの」
彩香の両腕を引っぱりながら、ローランドはいっそう激しく腰を打ちつける。
「あァあああアッ!」
まるで、熱した杭に頭まで貫かれたかのようだった。意識は焼け、呼吸は滞り、視界は涙に滲んで散る。
抵抗することなど、とても出来ない。今の彩香に出来ることといえば、ただ悶え狂いながら愉悦の波が去るのを待つくらいだった。
呼吸さえままならない彩香に反して、ローランドの態度にはまだまだ余裕がある。それが、空恐ろしかった。
「奥突いたら、彩香ちゃんの中きゅうきゅう締まるね。ここが好きなの?」
言いながら腰を動かして、彼は深奥をえぐる。
鋭敏な粘膜を熱の塊で乱されて、彩香は仰け反り、腰を震わせながら啼いた。
「アッ、あああっ! やめてっ、そこやだぁッ!」
「やだってことは、気持ちいいってことかな?」
男の動きは、いっこうにゆるまる気配がない。
律動に合わせて、ベッドがぎしぎしと軋んだ。どうしてか、それが無性に恥ずかしかった。
「やぅうっ! 激し……ッ、もっとゆっくりぃ……!」
「ごめんね。彩香ちゃんが可愛くて、おじさん我慢できない」
過敏な深いところを執拗に突かれて、彩香は泣きながら髪を振り乱す。
深奥を刺激されるたびに全身に電気が走り、同時にどうしようもなく切なくなって、やめてほしいような――それでいてもっとしてほしいような、複雑な気持ちになった。
「可愛いねぇ、彩香ちゃん。おじさんが人間だったら、プロポーズしてるところだよ」
「なに言って――ァッ、あああっ! もうだめ……ッ」
絶頂の大きな波が目前に迫っているのを、彩香は感じる。
その波が、怖かった。自分がどうにかなってしまいそうで、たまらなく不安になった。
なのに、彩香の肉体は間違いなく、その絶頂を待ちわびている。果てることを望んで、彼の熱の塊に絡みつき、それを締めつけ、淫猥にしゃぶっていた。
快感に翻弄される自分と、淫らに昂りを悦ぶ自分。どちらが本当の自分なのか、もう彩香にはわからない。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる