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両親を亡くした幼き日の事を思い出し、刹那は悲愴な面持ちを浮かべていた。
そしてそれは同情を買うには十分な過去であるはずだったのだが。
「それは災難だったわね。それで何? 親が術師に殺されたから術師は悪だって? 子供みたいな事をいうのね」
「あ!?」
「だってそうでしょ。もちろん貴方のご両親が術師によって亡くなってしまった事は申し訳なく思うわ。でも、だからなんだっていいたいの? それだけで貴方は術師が皆んな悪い人間だなんて思っているの? とてもじゃないけど安直すぎる考え方だわ」
「それはあんたが術師だから言える事だ! 一般人からすりゃそこに違いはないんだよ!」
「ーーーそう。なら貴方も悪よ。刹那」
「・・・は?」
そこまで言ってリゼットは顔を背けた。
「残念だが、分が悪い話だったな」
「なんなんだ・・・急に」
「それについて俺から話す事はない。聞きたければお嬢から直接聞く事だな」
「・・・・・・」
その後、門番がこの部屋に戻るまで沈黙が続いた。
そして刹那の手続きが終わると遂に天上界への扉が開かれ、刹那は未知の世界へと足を踏み入れたのだった。
「ここが術師の世界・・・」
「お前には馴染みのない言葉かもしれんが、我々術師はここをエデンと呼んでいる。そしてその中央にあるのが防衛機構本部だ。先急ぎ、お嬢をアカデミーに連れて行く。そのあと俺はお前をあそこへ連れていく」
「俺はこれからどうなるんだ?」
「特段、裁かれる事もないだろう。悪い様にはならんはずだ。ただ規則に則り、これからエデンで暮らす事にはなるだろうがな」
「それは出来ない・・・あっちには妹がいる。兄としてあいつを一人にさせるわけにはいかない!」
そう言って振り返る刹那にリゼットが「心配いらないわ」とだけ言って、そそくさと歩き始めた。
「早く行くわよ、ニブルヘンリ」
「はい、お嬢」
三人は目的の場所へと真っ直ぐに進み、アカデミーにてリゼットを見送ると、そのまま刹那とニブルヘンリは防衛機構本部へと向かった。
防衛機構本部は塔のような作りになっており、遠方からも見えたそれは、真下から見るとその大きさは圧巻の一言に尽きる程巨大だった。
ニブルヘンリがその入り口と思われる扉の前に立つと、徐にその隣の板に手を触れた。
「ーーーアニマヲ、ニンショウシテイマス。ニンショウ、カンリョウシマシタ。オマタセイタシマシタ。ドウゾ、ナカへ」
機械音声が鳴り、扉が開く。
刹那はニブルヘンリに手招かれてその中へと入った。
「今どこに向かってんだ?」
「本部長の所だ。本題は護衛任務の報告だが、お前の処遇やここまでの経緯についても話さなければならんからな」
道の途中、いくつかの岐路や階段、部屋があったがそれらを無視して、ただひたすらに直進して行くとまた扉があった。
その前に立つと扉は自動で開き、更に奥へと廊下は続いていた。
「そういえばあの人・・・リゼット=ロローとあんたは、どうして領地を超えてまでここのアカデミーに来たんだ? 領地超えはかなり危険が伴うって聞いたけど」
「一般人だったお前がそれを誰から聞いたかは知らんが、それについてはその必要があったからとだけ答えておこう。きっとすぐに知る事になるだろうしな」
そんな会話を交えながら廊下を進むと荘厳な扉の前でニブルヘンリが足を止めた。
ニブルヘンリが扉を3回叩く。
すると中から「入れ」という野太い男の声が聞こえた。
そしてニブルヘンリは扉を開けて、部屋に入るとすぐさま片膝を付いた。
「お初にお目にかかります。キサラギ本部長。私はイギリス所属防衛機構特殊隊副隊長、コウ=ニブルヘンリと申します。イギリスからミョルニルの魂の護送を完了致しましたこと、ここにご報告します」
「お務めご苦労。ニブルヘンリ副隊長。そうか、無事ミョルニルはアカデミーへと着いたか。して、ニブルヘンリ副隊長よ。その隣の者は何者だ?」
「はっ! こちらは未登録の術師にてございます」
キサラギは眉をひそめた。
「未登録・・・? それはどういう事だ?」
「この者は下界出身の術師です。ここに向かうまでにミョルニルの魂の器により、この者の存在を下界にて発見した次第にございます」
「下界でだとッ!? まさか規則に反した者がこの領地にいようとは」
「恐れながらに申し上げます。この者は一般人と一般人の間に生まれた子で間違いないと思われます」
「貴様は何を言っておる? 術師であるならそんなはずなかろう」
「ですが現にミョルニルの魂の器がこの者を術師へと目覚めさせる直前まで、翡翠晶による判定も否でございました」
「ミョルニルが一般人であった此奴を目覚めさせた? 貴様訳のわからぬ事ばかり言うでない!」
「事実にございます」
しばらく沈黙が続き、刹那はその酷く険悪な雰囲気に身体を強張らせていた。
「ここで言い争っても無駄だな。どうせ調べればわかる事だ。そこの童、名はなんという?」
「は、はい! 刹那・・・秋鹿刹那です!」
「ふむ・・・アイカセツナか。術師登録は天上界への扉で済ませたようだが、その以前のデータは見つからぬか」
キサラギが手袋をはめて机の引き出しから透明な板を取り出し、それを刹那に渡した。
「偽名を使っていたとしても心力を偽ることは出来んからな」
刹那が板を素手で触ると手の触れている箇所から徐々に白いモヤがかかっていった。
それが板の全面に広がると今度はキサラギがその板を持って部屋の横に備え付けられたモニターの前に立った。
「・・・心力も未登録か。では一般人の住民表は・・・あっさりと出てくるか。父親、母親ともに一般人で間違いなし。防衛機構のデータベースを疑いたくなる結果だな」
キサラギは大きくため息を吐いた。
「童の存在とミョルニルの魂・・・《十三華月》を彷彿とさせられるな・・・この事が良き方向へと向かえばいいが」
キサラギが立派な椅子に腰を掛け直す。
「ニブルヘンリ副隊長、並びにアイカセツナ。貴様らには箝口令を下す。それは一般人としてのアイカセツナに関するーーーその全てだ」
そしてそれは同情を買うには十分な過去であるはずだったのだが。
「それは災難だったわね。それで何? 親が術師に殺されたから術師は悪だって? 子供みたいな事をいうのね」
「あ!?」
「だってそうでしょ。もちろん貴方のご両親が術師によって亡くなってしまった事は申し訳なく思うわ。でも、だからなんだっていいたいの? それだけで貴方は術師が皆んな悪い人間だなんて思っているの? とてもじゃないけど安直すぎる考え方だわ」
「それはあんたが術師だから言える事だ! 一般人からすりゃそこに違いはないんだよ!」
「ーーーそう。なら貴方も悪よ。刹那」
「・・・は?」
そこまで言ってリゼットは顔を背けた。
「残念だが、分が悪い話だったな」
「なんなんだ・・・急に」
「それについて俺から話す事はない。聞きたければお嬢から直接聞く事だな」
「・・・・・・」
その後、門番がこの部屋に戻るまで沈黙が続いた。
そして刹那の手続きが終わると遂に天上界への扉が開かれ、刹那は未知の世界へと足を踏み入れたのだった。
「ここが術師の世界・・・」
「お前には馴染みのない言葉かもしれんが、我々術師はここをエデンと呼んでいる。そしてその中央にあるのが防衛機構本部だ。先急ぎ、お嬢をアカデミーに連れて行く。そのあと俺はお前をあそこへ連れていく」
「俺はこれからどうなるんだ?」
「特段、裁かれる事もないだろう。悪い様にはならんはずだ。ただ規則に則り、これからエデンで暮らす事にはなるだろうがな」
「それは出来ない・・・あっちには妹がいる。兄としてあいつを一人にさせるわけにはいかない!」
そう言って振り返る刹那にリゼットが「心配いらないわ」とだけ言って、そそくさと歩き始めた。
「早く行くわよ、ニブルヘンリ」
「はい、お嬢」
三人は目的の場所へと真っ直ぐに進み、アカデミーにてリゼットを見送ると、そのまま刹那とニブルヘンリは防衛機構本部へと向かった。
防衛機構本部は塔のような作りになっており、遠方からも見えたそれは、真下から見るとその大きさは圧巻の一言に尽きる程巨大だった。
ニブルヘンリがその入り口と思われる扉の前に立つと、徐にその隣の板に手を触れた。
「ーーーアニマヲ、ニンショウシテイマス。ニンショウ、カンリョウシマシタ。オマタセイタシマシタ。ドウゾ、ナカへ」
機械音声が鳴り、扉が開く。
刹那はニブルヘンリに手招かれてその中へと入った。
「今どこに向かってんだ?」
「本部長の所だ。本題は護衛任務の報告だが、お前の処遇やここまでの経緯についても話さなければならんからな」
道の途中、いくつかの岐路や階段、部屋があったがそれらを無視して、ただひたすらに直進して行くとまた扉があった。
その前に立つと扉は自動で開き、更に奥へと廊下は続いていた。
「そういえばあの人・・・リゼット=ロローとあんたは、どうして領地を超えてまでここのアカデミーに来たんだ? 領地超えはかなり危険が伴うって聞いたけど」
「一般人だったお前がそれを誰から聞いたかは知らんが、それについてはその必要があったからとだけ答えておこう。きっとすぐに知る事になるだろうしな」
そんな会話を交えながら廊下を進むと荘厳な扉の前でニブルヘンリが足を止めた。
ニブルヘンリが扉を3回叩く。
すると中から「入れ」という野太い男の声が聞こえた。
そしてニブルヘンリは扉を開けて、部屋に入るとすぐさま片膝を付いた。
「お初にお目にかかります。キサラギ本部長。私はイギリス所属防衛機構特殊隊副隊長、コウ=ニブルヘンリと申します。イギリスからミョルニルの魂の護送を完了致しましたこと、ここにご報告します」
「お務めご苦労。ニブルヘンリ副隊長。そうか、無事ミョルニルはアカデミーへと着いたか。して、ニブルヘンリ副隊長よ。その隣の者は何者だ?」
「はっ! こちらは未登録の術師にてございます」
キサラギは眉をひそめた。
「未登録・・・? それはどういう事だ?」
「この者は下界出身の術師です。ここに向かうまでにミョルニルの魂の器により、この者の存在を下界にて発見した次第にございます」
「下界でだとッ!? まさか規則に反した者がこの領地にいようとは」
「恐れながらに申し上げます。この者は一般人と一般人の間に生まれた子で間違いないと思われます」
「貴様は何を言っておる? 術師であるならそんなはずなかろう」
「ですが現にミョルニルの魂の器がこの者を術師へと目覚めさせる直前まで、翡翠晶による判定も否でございました」
「ミョルニルが一般人であった此奴を目覚めさせた? 貴様訳のわからぬ事ばかり言うでない!」
「事実にございます」
しばらく沈黙が続き、刹那はその酷く険悪な雰囲気に身体を強張らせていた。
「ここで言い争っても無駄だな。どうせ調べればわかる事だ。そこの童、名はなんという?」
「は、はい! 刹那・・・秋鹿刹那です!」
「ふむ・・・アイカセツナか。術師登録は天上界への扉で済ませたようだが、その以前のデータは見つからぬか」
キサラギが手袋をはめて机の引き出しから透明な板を取り出し、それを刹那に渡した。
「偽名を使っていたとしても心力を偽ることは出来んからな」
刹那が板を素手で触ると手の触れている箇所から徐々に白いモヤがかかっていった。
それが板の全面に広がると今度はキサラギがその板を持って部屋の横に備え付けられたモニターの前に立った。
「・・・心力も未登録か。では一般人の住民表は・・・あっさりと出てくるか。父親、母親ともに一般人で間違いなし。防衛機構のデータベースを疑いたくなる結果だな」
キサラギは大きくため息を吐いた。
「童の存在とミョルニルの魂・・・《十三華月》を彷彿とさせられるな・・・この事が良き方向へと向かえばいいが」
キサラギが立派な椅子に腰を掛け直す。
「ニブルヘンリ副隊長、並びにアイカセツナ。貴様らには箝口令を下す。それは一般人としてのアイカセツナに関するーーーその全てだ」
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