【R18】普通じゃないぜ!

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85 金曜日 玄関で

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 私と和馬は二人立ったままだ。玄関で靴も脱がずにキスを続ける。息が苦しくなるほどの激しいキスが続く。鼻で息をすればいいって分かっていても、上手に息が吸えない。二人の鼻息ばかりが荒くてその音だけ聞いてると何をそんなに慌てているのかと思うけど、それぐらいもどかしかった。

(もっと触れたい)

 十分触れているのにそれでも足りない。和馬も同じ気持ちなのかボタンが飛んでしまいそうな勢いで私のシャツをくつろげる。一日を終えて汗をかいてほこりっぽいのにそれでも構わない。

(このまま和馬と繋がりたい)
 そう思って私も和馬の首に手を伸ばし、何とか赤いネクタイを解いた。和馬が私の唇からゆっくりと離れていく。

「はぁ……」
「……っ」
 息を吐くとゆっくりと新たな空気にありついた私達二人。だけど整った和馬の顔が私の目の前で苦しそうに歪んでいた。

「駄目なんだ……」
 多分掠れた声で囁かれる。和馬の低い声が私にだけ響く。
(やだ。この声……凄くクルんですけど)
 切なく求める和馬の声に私は膝を擦り合わせてもじもじしてしまう。お腹の奥まで染みてくる。

「何が駄目?」
 私が呟くと和馬は再び私の唇に視線を落とす。そこから視線をゆっくりと下へ向かう。私は和馬にキスをしながら前を広げてささやかな胸を晒している。

 そんな私の体をじっと見つめると和馬はゴクンと唾を飲み込んだ。
「シャワーもベッドも待てない」
 そう言うと唇に近づいて啄む様なキスをくれた。そして、ヌルリと分厚い舌を首に這わせる。

「汗かいてるの、にっ」
 私は文句を言いながらも、和馬のシャツに手をかける。ボタンを探し当て一つ一つ外していく。その間和馬は私の鎖骨に吸い付いて跡をつけていく。小さく吸い上げた痛みに語尾がはねた。

「気にならないよ」
 和馬は短く答えてそのままゆっくりと下がり、乳房を甘噛みする。
「んっんっ」
 私は思わず大きく出そうだった声を、下唇を噛んで堪える。ここは玄関だ。大きな声を出したら外の廊下に響く。それが分かっているのに動けない。

 和馬にされるがままで、私も和馬に触れたくてもがく。

 じっとりと和馬は乳房を舐り乳首に吸い付く。そして口内で肉厚な舌で転がす。やたらと和馬の舌の動きが細かくて私は、首を振りながら必死に声を堪える。背中を丸めても後ろは壁だから逃れられない。和馬は私の乳首に吸い付いたまま、片手で器用にクロップドパンツを股下当たりまで剝く様に下げた。私は和馬の与えてくれる快感に耐えるしかない。しかも、立ったままだから、足を擦り合わせてトイレを我慢している人みたいになるしかなかった。

(こんなに私って感じやすいとか)
 自分で慰める事があっても、和馬に抱かれて初めて知った事実。それとも和馬が触れてくれるからなのか。私の体はビクビクと反応してしまう。私はきつく閉じていた瞳をうっすら開く。

 和馬は私の吸い付いていた胸から離れて、今度は再び首筋を伝って再び唇を塞ぐ。背の高い和馬は私を無理矢理上に向かせて口を塞ぐ。そして、自分の体で私を更に壁に押さえつけ、片手が私のお腹の上を滑っていく。

 かさついた指の腹で撫でゆっくりとショーツの中に潜り込む。湿っぽい茂みを抜けて長い指でゆっくりとかき分けてくる。ヌルリと私の体液が和馬の指を濡らしていた。

「っんう」
 私の声は和馬の唇に塞がれてくぐもった声になる。

(そこっ!)
 私の体液を使って滑り込んできた和馬の指が割れ目をゆっくりとなぞり、膨らんだ花芯を見つける。ゆっくりと前後に撫で始めた和馬。ずっと触れて欲しかった体。こんなのあっという間に達してしまう。

(私も……触れたいよ)
 私は押さえつけられている和馬の腰に手を這わせた。和馬の仕立てのいいシャツのボタンは何とか全部外せた。むき出しになった和馬の肌もしっとりと汗ばんでいた。触れた瞬間、和馬の体がビクンとはねる。
「っうん」
 色っぽい和馬のうめき声が私の口内に漏れる。

 もしかしたら和馬は腰の辺りが弱いのかもしれない。でも腰だし。一般的に皆くすぐったいと感じる部分だろう。私は引っ張る様に和馬のズボンのベルトを外す。トラウザーズのボタンを外しファスナーを下げるとベルトの重みでズボンがずるりと中途半端に下がる。

 そして、熱気が籠もった和馬の下半身が晒される。私の揺れる視線の先、和馬の陰茎が縁取られている派手なボクサーパンツが目にとまった。陰茎は斜め上を向いていて、ウエストのゴムを持ち上げるほどだった。

(凄い……)
 私はそっと指で和馬の縁取られた陰茎を撫でる。大きく広がった部分をなぞると和馬のそれがビクンと動いた。とても熱くて愛おしくて、私はゆっくりと撫で始める。

 和馬が私の体を滑る様に触れるみたいに。和馬が私にしてくれる触れ方を真似て、指の腹と掌でゆっくりとさすってみせる。下から上に、それから先の部分だけを掌でくるくると撫でてみる。ボクサーパンツの素材がぴったりしていて、表面がつるつるしていた。その滑りも手伝って、私は和馬の陰茎を優しく撫でる。
 すると、和馬は突然私の撫でている手を力強く掴んで動きを阻止する。そのタイミングで和馬とのキスが離れる。それでも顔は側で唇も直ぐに触れる距離に和馬がいる。私は和馬の赤く腫れた唇を見つめながらぽつりと呟く。

「つるつるして気持ちよかったのに……」
 熱い陰茎にもっと触れていたいのに。なんで止めるのと私は和馬を責めた。和馬ははぁと肩で大きく息をすると忌ま忌ましそうに呟いた。
「触るならちゃんと触れよ。イライラする生殺しか」
「そんなの和馬だって同じじゃん」
「それならもうちょい足広げて」
「う、んっ!!!」
 私は小さく呻いた。

 足を広げる足のつけに隙間が出来、和馬の大きな手が動く幅が広がる。和馬の指が割れ目を何度も行き来して、しっかりと指を濡らす。滑りが益々よくなって、ぷっくり膨らんだ芽をしっかり捕らえた。
「そ、んなの狡い。感覚がおかしいから直ぐに達してしまいそう……」
 私が途切れ途切れに呟くと、今度は和馬が私の首に顔を埋め呟いた。
「いいじゃんそれで……」
 和馬の掠れた声はそれだけで腰砕けになりそう。ジンジンと和馬に触れられた部分が痺れていく。
「なぁ、俺のも外に出して?」
 少し照れながらお願いする和馬。私は和馬の指での愛撫に震えながら、ゆっくりとボクサーパンツのウエストの太いゴムを引っ張り、大きくなった和馬の陰茎を取り出す。
「うん……あっ……」
 外にゆっくりと弾む様に出てきたそれは、先端から涙を流していた。

 ビクリと動いた陰茎を両手で掴む。広がったぼってりとした先端にはつるりとした部分がある。そこを撫でると、ビクビクと動きながら体液で濡らしていく。私は和馬の体液で指を濡らし、ゆっくりと上下にしごき始める。

「はぁ……ヤバい……」
 和馬が腰をゆっくりと揺らして私の動きに合わせる。溜め息を零して再び私の唇を塞ぐ。

 和馬の指と、私の手。ゆっくりとお互いを愛撫しながら徐々に高みを目指していく。

「んっ」
「ふっ」
 私達二人はお互いの快感に身を任せていく。だけど、和馬は指を私の中に潜り込ませる事はなかった。早く入ってきて欲しいと思うけど、大きく膨れた芽に必死になっていた。そして私も和馬の陰茎を優しく撫でる事に必死になっていた。

(も、もう……駄目っ!)
 それはいつも突然だ。和馬の愛撫に我慢が出来なくなって突然私の体は震えて達してしまった。花芯だけをゆっくりと愛撫するだけなのに。それだけでガクガクと体が震える。腰が前後に恥ずかしげもなく動いた。

 それからそんな私を追いかける様に和馬の体に力が入る。私の陰茎を握っていた手を更に上から握りしめる。大きな手で私の手をぎゅっと握ると、先端部分で小刻みに動いて硬直した。勢いのある和馬の体液が私の掌にかかるのが分かった。和馬も達したのだ。

 和馬はキスを止めて大きく肩で息をした。
「……ぅ、はぁ……」
 長い睫毛を伏せて大惨事になっている私の両手を見つめ、大きく溜め息をついた。それから吐き出した自分の体液を見つめて呆れた様に呟いた。
「すっげー濃いな……」
 一週間振りだしな。と付け足した和馬の顔はまだ上気していて興奮している。私はそんな和馬をうっとり見つめて、それから両手を見た。和馬が達する瞬間をこの手で感じた。和馬が私の中で達する時と同じだ。大きく膨らんだかと思うと、勢いよく飛び出てくる体液。それがこれ。そう思うと何だか私も益々興奮してくる。

「足りないよな?」
 和馬がぽつりと呟いて、私に触れていた手を広げた。私の体液も和馬の手を塗らしている。

 私と和馬はズボンは中途半端に垂れ下がってるし、シャツもボタン全開でだらしない姿のママだ。

 でも再び和馬は私の唇を塞いで優しいキスをくれた。

「……うん。でも、お風呂に入りたい」
 私がキスの間で呟くと和馬はひょいと簡単に私を抱き上げる。私は自分の両手が和馬の体液で濡れているのでしがみつく事も出来ず、バランスを崩しかけ声を上げた。
「わっ!」
「はは、その手でしがみつかれたらベッタベタだな」
 和馬が軽く笑って私を落とさない様に抱きかかえる。お姫様抱っこなんて一生縁がないと思っていたのにね。
「もう。そんな事言うならしがみつくよ?」
「うぉー止めてくれ……ははっ。そんじゃ風呂入ってその次はベッドでな」
「えっそんなに?」
 私が思わず目を丸めて和馬を見上げる。すると和馬が少しだけ調子を取り戻したのかニヤリと意地悪に笑う。
「ふーん。那波は風呂でもしたい? 風呂は入るだけのつもりだったんだけど、俺もつかなぁ~」
「えっ、ち、違……」
(そういう意味じゃなくて! いや、そういう意味なのかな?)
 そんなに何度も出来るものなのか? と思ったのは確かだけど。別にお風呂場が希望ではない。
「思いっきり溺れるのもいいな」
 和馬が嬉しそうに笑った。そして器用に歩きながらトラウザーズを脱ぐ。フルオーダーのスーツも扱いは気にしないのか関係ないみたいだ。そして、お風呂場に足を進める。
「い、いやよ……」
 私は思わず恐怖を感じで呟いた。




 ◇◆◇

 そして私はお風呂場では溺れるどころか沈みかける事になった。ようやくベッドにたどり着いた時には、水分が抜けきってカスカスになりかけていた。

「な、何で……」
(何で私ばっかり達しちゃうの? それに和馬はお風呂場では一度も出さないってどういう事?)
 そう和馬は私を散々愛撫し倒したけど、肝心の挿入はまだだった。

「夜はこれからだろ? それに俺、那波に聞きたい事があるんだよな」
 和馬は冷蔵庫からペットボトルの水を持って来てくれたけど、ベッドの上に転がった私の上にのしかかってきた。

「へ? 聞きたい事って……」

 一体何?

 私は聞き返すも、色気たっぷりの濡れた和馬をぼんやりと見上げるしか出来なかった。
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